File:852(赤井秀一の消息)
コナン:「おじさんってもしかして目が悪いの?」
弁崎:「え?」「何で?」
コナン:「だってあのスリのおばさん、おじさんの顔見てビックリしてたよ?」「あれってちょっと前に財布を掏った相手がおじさんだったからだと思うんだけど・・・」「何でおじさん、あの時何も言わなかったの?あばさんと会うの2回目のはずなのに・・・」
弁崎:「そ、そうなんだ・・・」「目が悪くて・・・」
元太:「目が悪いなら眼鏡かけねーと桜見えねーぞ!」 歩美:「1人でお花見に来たの?」
弁崎:「実はお守りを買いに・・・」
光彦:「何のお守りですか?」
素江:「私のお守りでしょ?」
弁崎:「も、素江・・・」
素江:「この子の為のね・・・」
歩美:「そっか、赤ちゃん!」光彦:「安産祈願のお守りですね!」
弁崎:「家でじっとしてろって言っただろ?」「あなたが全然帰って来ないから心配で見に来たんじゃない!」
ジョディ:「じゃああなたはもしかして・・・」「銀行強盗の事件の時に私にガムテを貼った・・・」
素江:「あら、あの時の外人さん?」「ごめんなさいね・・・あれは脅されて仕方な・・・」
素江:「うっ・・・」「うぅっ・・・」
ジョディ:「Oh!?」「大丈夫ですか!?」
弁崎:「すみません、妻の体調の事もあるのでもう帰っていいですよね?」
目暮:「ええ・・・」
コナン:(つわり?)
灰原:「つわりって妊娠初期にみられる症状よね?」
コナン:「ああ・・・」「あの大きさだと妊娠6ヶ月はたってると思うけど・・・」「まぁ他の吐き気って事もあるし・・・」
最初に結論、弁崎(偽)=バーボン、素江=(ベルモット)ということで、結果的にはほとんどの読者が最初に考えたとおりだったかと。まぁ、一応推理漫画なので、重要事項は後で整理しておきたい。
コナン、弁崎と素江の怪しい点に気づく。スリが弁崎を見て驚いたのは、ちょっと前に掏った男だったからということ。弁崎がスリに反応しなかったのは、コナン達の前に現れた弁崎はバーボンに変装した偽者だったからということでOK。ここは今回の話を考察する上で重要な箇所なので後でまた触れたい。
素江が妊婦の姿だったのは、「つわり」のふりをして盗聴器を回収するためと、やはり体調が悪いふりをして早めに逃げられるようにするため。盗聴器の回収はともかく、妊婦なら体調不良の演技で~というのは想定できる範囲だっただろうか。最後の会話からすると、盗聴器の回収はベルモットの機転で計画外であったようである。
ここでも、今度は素江の症状がおかしいことに疑問を抱く。「妊娠6ヶ月」って… そういえば、以前にも灰原とコナンで蘭のことを「安産型だから~」と話しているところを注意されたような気がする(笑)さすが名探偵。
コナンは2人の正体に気づいていたかどうかここで判断するのはまだ微妙なところ。事前に弁崎の正体に気づいていたのなら、あの質問はどこか不自然であるし、素江が登場したのは直前である。
(つわり?あの大きさだと妊娠6ヶ月はたっていると思う・・・)⇒「まぁ、他の原因の吐き気もありえるし~」
ここは連続したコマであるが、この間に(おかしい、あの女はベルモットの変装で、俺達の調査に来てるんだ!、灰原に気づかれたらヤバイからごまかそう!)と入れるのは、コナンとは言え、あまりに出来過ぎている。
「妊婦の発言がおかしい⇒ゆえに、彼女はベルモットの変装であろう」と推理するのは飛躍しすぎである。それに、ベルモットの変装技術はそんな簡単に気づかれるものではない。
コナンはこの場で初めて”どこか変”と疑問を持った程度であるので、2人が組織の人物の変装とまではたどり着いていないかもしれない。
この間のコナンの様子はあまりに無警戒で、焦りの様子も一切無い。(コナンが感づいているというフラグの意味深な描写もない。)もう少し踏み込めば気づけたところを、あと一歩のところで思考を止めて見過ごしてしまったような感じである。(というか、この時点で気づかれていたら変装の意味があんまり…)
気づいていれば、後でいつものドヤ顔が見られるだろうが、そうでない場合は、焦った顔でもしかしてあの時の2人は~と気づく展開になるかもしれない。
どちらかというと、この場面で注目は灰原の組織センサー不発であろう。恐らく、作者のミスではないのだろう。ここは日常編で言うところの「アリバイがある人物を犯人に仕立ててしまった」くらい組織編の推理根拠が破綻してしまうので、万一ミスであったとしても、後だし回想などで修正してくると思われる。
前回、弁崎がバーボンであった場合は赤井同様の特殊タイプかもしれないと書いてしまったが、良く考えればたぶんそれはない。これまでの事実を法則化すると、赤井が特殊なのはスパイだからではなくて、脱退したからという事実の方が大きい。
今回、最も強く感じるはずのベルモットから感じなかったところから、問題はバーボンではなくて灰原の方にありそうである。
後だし回想の可能性もあるが、灰原はフードを被ったりして警戒したり、動揺したりする様子が全く無い。しかも、相手はあのベルモットである。
ここで新法則が出て来る可能性もあるが、灰原は以前にも組織の気配を感じなくなったことがある。その時は、「平和な生活に慣れて鈍った」という判断だった。
直近のミストレ編ではあんなにバクバクしてたのに~と思うが、その時に沖矢(赤井)に助けられたことが関係してるのかもしれない。灰原は沖矢に心を開き始めているように思える。その安心感で危険を察知する感度が鈍くなっているとか、何かしらの理由が後で説明されるかもしれない。
まさか、この灰原はキッドでした!というのはまずないでしょう(笑)
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