ボスの連絡先
どうやら私は
お前を自由に
させ過ぎた
ようだ。私の元へ
帰って来て
おくれ
ベルモット。
ベルモット:「OK・・・」「ボス・・・」(さて・・・後はこの子・・・)(何でもできると信じてるこのボウヤをどうするか・・・)(心電図のモニターの電極!?)(テレメーターに録音機・・・)(まさかさっきの電話の音を・・・)
コナン:「止めときな・・・・・・」「そいつを引っこ抜くと、オレの心臓が止まった事になり、オメーが今打ったボスのメールアドレスがわかっちまうぜ・・・・・・」
「電話会社には契約者の守秘義務があるが・・・」「警察なら専用の書類にお偉いさんの印鑑を押して、複数の人間の立会いの元で、その情報を得る事ができる・・・・・・」「着信番号が携帯じゃなく、固定電話なら住所までバッチリな!!」「つまり、今の音を録音し、解析してアルファベットや番号を割り出せば、オメーらのボスの名前や居場所がわかるってわけだ!たとえオレが殺されてもな!」
「まあ、オメーらが血眼になって捜してる裏切り者のシェリーを捕まえたとなれば、必ずあんたらのお偉いさんに連絡を取ると踏んでたよ・・・」「ジョディ先生が殺されそうになったから、予定を変更しちまったけどな・・・」
<さあ、どうする?><離れた場所で、オレの仲間が着信を待ってるぜ・・・>「発信されたくなかったら、ボスの所へ連れて行け!」「ケリをつけようじゃねーかベルモット!!」「もう隠れんぼは止めにしてーんだよ!!!」 File:434
ボスから「私の元へ帰って来ておくれ」とのメールを受けたベルモットは、ボスにその返信をする。
しかし、「血眼になって捜してる裏切り者のシェリーを捕まえたとなれば、必ずあんたらのお偉いさんに連絡を取る」と踏んでいたコナンはその時のプッシュ音を録音し、自分の心臓が止まったら仲間(阿笠博士)のところへ送られる仕掛けをしていた。
万一コナンが殺されても、その音を解析、警察が専用の書類にお偉いさんの印鑑を押して複数の人間の立会いの元で契約者の情報を得る事ができる。
コナンは録音した音を発信されたくなければボスのところへ連れて行くように迫るが、ベルモットの駆け引きに負けて逃げられてしまう。
ポイント
コナンの予測 ─
コナンはボスとの連絡手段が最初から何かわかっているわけではないため、「着信番号が携帯じゃなく、固定電話なら住所までバッチリな!!」と、電話で連絡を取ることを予測していて、それが「固定電話」であれば住所までわかると考えている。
まぁ、ボスに連絡を入れるとすれば、まずシンプルに携帯から電話をかけるのではないかと考えるのは当然。
実際はメールであったので、仮に警察に調べてもらうのであれば、メールアドレスからその契約者を割り出すことになっていただろうか。
プッシュ音が鳴る設定なのは漫画だから(インタビューでもそう言及)として、アドレス帳を使わない、且つメールアドレスをわざわざ打ち直しているのは組織独自の運用方法によるもの。
携帯電話でも契約者の住所はわかるだろうし、そもそもボス本人が律儀に自分の個人情報なんて使わないだろうとか、細かいところの突っ込みはなし。契約方法や法律的なところも、当時の状況を汲んで考える。
コナンの認識 ─
ここは後出しの補足もされるのだけれど、この時点でコナンがどういう思考をしていたのかがちょっと分かり難くなっている。
ベルモットが仲間(ボス)にメールを送ったのは、声を出して話をしたわけではないのでわかる。そのため、コナンも「オメーが今打ったボスのメールアドレスが」と、手段がメールだと断定している。
コナンは「今の音を録音し、解析してアルファベットや番号を割り出せば、オメーらのボスの名前や居場所がわかるってわけだ!」と言っているので、住所までバッチリわかる固定電話の可能性も考慮に入れている、まだ連絡手段がはっきりとは分かっていないようにも思えるが、やはりベルモットは通話をしていないし、コナンは「メールアドレスが」と言っているので、メールと判断しているのは間違いない。
後の説明でわかることは、コナンはベルモットが携帯でメールを受信したところもこっそり見ていたようで、「返信」ということも知っていた。
「お偉いさんに連絡を取ると踏んでた」というのは予測でしかないのに、なぜその相手がボスだとわかったのかというと、ベルモットが「ボス」と口に出して言ったからだと考えられる。(これも後に説明がある)ここはベルモットのほんの単純ミス。
そして、メールを送るのに毎回アドレスを打つ(受信したアドレスを消去、アドレス帳も使わない。)理由も、アドレスの漏洩を防ぐためと推理する。
メールを送るのに、本文を打つプッシュ音とアドレスを打つプッシュ音の区別がつくのかというところはスルーすべきか。
なんというか、アドレス帳を使わない理由はわかるとして、受信したメールの返信機能を使わずに既読メールは即削除。新たにアドレスを打ちなおしてメールを作成しているということまでコナンが知っていたのがミソ。
コナンが「お偉いさんに連絡を取ると踏んでた」と言っているように、ベルモットが報告のメールを送ったのなら、その際にアドレスを打つプッシュ音が鳴ることはわかる。しかし、前述したように、コナンは返信したことも知っていたので、受信メールの返信機能すら使わない「即刻削除」まで気づいていた。
そして、組織がそうした手間のかかる運用をしていたことが理由で、偶然コナンは連絡先のプッシュ音を聞くことができた。
これはボスの「石橋を叩きすぎて壊してしまう」性格が仇になったといえるかも。アドレス帳は使う必要はないけれど、返信はそのまま返信機能を使い、メールを送信後に受信・送信履歴を削除するという方法なら、コナンにプッシュ音からアドレスが暴かれるという事態にはならなかったかもしれない。
ボスは「1秒でも早くメールは削除」という方針で、メアドが流出するリスクを最大限に減らそうとしたのかもしれないけれど…
一つ腑に落ちないのは、コナンはなぜベルモットがボスに「報告をした」と考えたのか。ベルモットからメールを送ったのならそう解釈するだろうけれど、実際はメールに返信をしただけ。
元々そうすると思っていただけに先入観からか。コナンはメールの中身までは見ていないので、「シェリーの居場所はわかったか?」という類のメールに対して、「わかったわ~」みたいな返信をしたと考えたのか。
偶然のタイミングでボスからメールが来ただけかもしれないし、本当にそうであったというオチ。
コナンが「必ずあんたらのお偉いさんに連絡を取ると踏んでたよ」と読んでいたのは間違いで、実際ベルモットはボスの「戻って来ておくれ」というメールに返信しただけであった。
そのため、二元の時点で考えると「返信までは知らなかった」と考えるほうがしっくり来そうであるがそうではない。まぁ、メール着信のバイブ音を聞いていたかは定かでなくとも、ベルモットの「OK」という台詞まで聞いていたとすれば、その台詞が返信であることはわかったかもしれない。
録音機について ─
せっかくプッシュ音を録音できたのだが、催眠ガスで眠ったコナンはベルモットよりも起きるのが遅くなったしまったため、機器はベルモットの逃走前に破壊されてしまった。
結局何も得ることはできなかったのだけれど、コナンのかすかな記憶から、この後ボスのメールにたどり着く展開となっていく。
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