ガンダムエース の対談 「池田秀一×青山剛昌」

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青山先生の『ガンダム』の思い出

池田:先生とお会いするのは初めてなんですよね。『名探偵コナン』のアフレコの日に「今日、先生がいらっしゃるかもしれません」と言われた日は何度かあったんですけど、お忙しいようでなかなか実現しなかった。

青山:すみませんでした。毎週の『少年サンデー』での連載があって、さらに劇場版などのコンテも毎回チエックしていますので、なかなか時間がとれなくて…。僕はアニメが大好きなので、本当なら毎回アフレコには行きたいくらいなんです。劇場版の『コナン』では自分で原画を描いているほどで、こんなにアニメ作品に直接関わっている原作者は珍しいかもしれないですね。

池田:なるほど。その好きなアニメの中に『ガンダム』も含まれているわけですね。ところで、『ガンダム』はリアルタイムで見られていたんですか?

青山:僕の住んでいた鳥取県では放送されてなくて、現地のアニメファンが署名して放送終了してから1年後に見ることができたんです。それで、夢中になって見ていましたね。僕は当時は中学生で、アムロと同世代でした。だから、年齢的に感情移入して見るのはアムロのいる連邦側だったんですが、でも、やっぱりなりたいのはシャアでした(笑)。あんなにカッコイイ敵役のキャラクターっていないですからね。例えば『宇宙戦艦ヤマト』のデスラーもカッコイイですが、デスラーになりたいとまでは思わなかったですから。そういう意味では、シャアは登場シーンから、セリフのカッコよさももちろんですが、池田さんのシブい声も衝撃的でしたし、大好きでした(笑)。

池田:ということは、高校生の頃に劇場版が公開されていて、内容的にも理解しながら、作品をすごく楽しんでいた世代なんですね。

青山:そうですね。劇場版の『めぐりあい宇宙』が公開されたのが高校2年か3年の時でした。高校3年生の学祭では、シャアのコスチュームを作って、コスプレして街の中を練り歩いたんです(笑)。僕は、劇場版がまた好きなんですよね。

デスラーになりたい少年はあまりいないかも(笑)

30年前はまだアニメ好き=オタクで、今のようにオタクの市民権もなかった時代ではないかと。そんな中シャアのコスチュームを作って、コスプレして街の中を練り歩いたって相当なあれなレベルだと思うんですが(笑)

第1作目、2作目も良かったんですが、3作目の『めぐりあい宇宙』では新作カットがたくさんあって、作画の美しさに心を奪われましたよ。もう、『ガンダム』は人生が変わるくらいの衝撃を受けたアニメでしたね。その影響で、アニメーターになりたいなって思っていたくらいですから。ところで、劇場版では、新たにアフレコをされたんですよね?

池田:全部新しく録り直しましたね。

青山:いや~、もう『めぐりあい宇宙』の冒頭がたまらなく好きでして。僕はシャアの副官のドレンも好きで、「大佐は宇宙がお似合いですな」という大人びたやり取りとか、本当にカッコイイなと。『コナン』でもアンドレ・キャメルという、ドレンをモデルにしたキャラを出していますから。シャアは、あの大人びたところがいいんですが、設定年齢は何歳でしたか?

池田:20歳ですね。その年齢にしては、かなり大人びてますが(笑)。

青山:20歳で「認めたくないものだな、自分自身の若さゆえのあやまちというものを…」ですからね。そんな台詞、20歳じゃ言えないですよ。

池田:実際にはそうそう言えないですよね。僕はテレビシリーズでシャアを演じた時は29歳だったんですが、演じるにあたって設定年齢は気にしなくていいと言われたんです。だから、全然気にしないで、やっていました。

青山:やっぱり、シャアの魅力は台詞にあると思いますし、その台詞に池田さんの声がすこく合っていた。池田さんは洋画の吹き替えなんかもやられていますよね。

池田:やっています。

青山:僕はシャアだけでなく、すっかり池田さんの声のファンになっていまして、池田さんが吹ぎ替えた洋画もいろいろ見ました。その結果、僕の漫画にも”赤井秀一”なんていう名前のキャラクターがいますが、本当に大好きなので思い切って出しちゃったんです(笑)。

ドレン好きなら、もっとキャメルの活躍シーン増やしてください(笑)一応ドライブテク披露したけど… FBI捜査官なのに基本ドジっこのネタキャラだし。

少年漫画の年齢設定はおかしいの多いですね。見た目や雰囲気の割には若すぎるというか。青山先生が当時同世代であった安室に感情移入したように、対象年齢に合わせているところはあるのかもしれないですけれど。名探偵コナンは「高校生探偵(笑)」というところを除けば相応かも。

シャアをモデルにした”赤井秀一”誕生秘話

池田:本当にそうだったんですね(笑)。ところで、どういう経緯で”赤井秀一”というキャラクターが生まれたんですか?『コナン』では、キャラクターの名称は、有名な探偵の名前をもじったりするのがお約束なのに、ガンダムが元ネタなのが不思議ですよね。

青山:実は、探偵ネタが尽きたというのもありまして(笑)。お話の中で、主人公の江戸川コナンに味方をするFBI捜査官を出すことになったときに、イメージ先行でその敏腕捜査宮はシャアっぼくしたいなと思ったんです。だから、最初はシャアからとって”赤井”という名字だけ決まっていたんです。その後、下の名前をどうしようかと悩んだ結果、池田さんのお名前からいただいて秀一にしてしまいました(笑)。コナンの本名が新一なので、”新一”と”秀一”は、似た響きの名前だから本来なら採用しないんですが、今回だけはいいやと思って。

池田:いやあ、光栄ですね。そして、テレビ版では声もやらせてもらっているわけですから。すこい縁を感じます。

青山:アニメ版の重要キャラクターのキャストは、プロデューサーから「誰かイメージはありますか?」と希望を聞かれるんですが、赤井の時には「そりゃ、池田さんでしょうー!」ってリクエストしたら、夢が叶ってしまいました。ちなみに、『コナン』に登場する怪盗キッドというキャラクターは、以前僕が描いていた『まじっく快斗』という漫画のキャラクターなんですが、その快斗のお父さんである黒羽盗一も、池田さんをイメージしていて、その役も池田さんに演じていただけているので、実は2つも夢が叶っているんですよね。

池田:あのキャラクターはそういうことだったんですか。

青山:もうイメージどおりで、登場回は何度も見直してしまいました。赤井に関しては、しゃべり口調もシャアをイメージして書いているんですが、シャアのセリフがそのまま出てきたらシャアファンの方々に失礼かもしれないと思って、名台詞を書くのは我慢しています。ただ、コナンのことは「坊や」って呼ばせてますけど(笑)。

池田:さきほどのドレンの話じゃないですけど、本当にガンダムが好きで、リスペクトしているんですね。

青山:それはもう本当に大好きですから(笑)。ちなみに、赤井が敵対する黒ずくめの組織に潜入していた時の偽名が”諸星大”で、恋人から名前を呼ばれるときに「大君=ダイクン」となっていて、名字も諸星=彗星ですから。そして、FBl捜査官仲間のジョディが「シュウ」と呼ぶのは、完全に「シャア」のオマージュですよね(笑)。

池田:まさかそこまでとは(笑)。全然気がつきませんでした。赤井秀一は劇中では死んでしまっているんですが、偶然にも青山先生との対談が決まった直後に、回想シーンでの登場があって久々に演じてきました。

「探偵ネタが尽きた」という理由があるにしろ、その後色々なキャラにガンダムのオマージュを採用したのは、自身がアニメーターになりたいと思ったくらい衝撃を受け、リスペクトしているからこそ。何だ、ガンダムなんて他アニメなんてと言わず、そこは理解してあげましょう(笑)

特に、赤井秀一に関しては大好きなシャアのオマージュであり、池田さんの名前をそのまま使ったというほどの思いいれ。そのため、似た名前を使わないというポリシーがあるも例外扱い。同じ池田さん演じるマジック快斗の黒羽盗一も同じイメージとのこと。

「諸星大」や「ダイクン」など、この辺のところは推理の記事で色々書いています。

赤井だけでなく、妹の世良も最初はコナンのことを「坊や」と読んでいた。(これも、一応兄妹関係の伏線か。)ただ、坊やと呼ぶ人は他にも意外とたくさんいたりする。

名台詞ではないけれど、ガンダムネタの名言はたまに出てきますね。少し改変されてたりしますけど。

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