オトナファミ6月号(2011)

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─ 先生は小さな頃、どんな少年だったのでしょうか?

青山:少年探偵団みたいに友達と探検遊びをよくしました。僕はコナンというより、光彦タイプ。調達や場所探しをするポジションで、実家の自動車整備工場の廃車置場を秘密基地にしていました。

─ その頃から漫画は夢きでしたか?

青山:そうですね。ニャロメの絵ばかり描いてました。初めて買った漫画は、大好きなちばてつや先生の『おれは鉄平』。鉄平が好きで剣道部に入りましたね。でも、親が「漫画なんて読んでも、ロクな人間にならない」という考えの厳しい人で、中学高校時代はこっそり隠れて読んでました。

─ 漫画家への道を歩み始めたのは?

青山:親に反対されていたので、高校の頃には漫画家の夢は諦めかけていました。そのかわり、絵の先生になろうと思って日大芸術学部に入学したんです。

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─ ちなみに大学の専攻は?

青山:美術学科の絵画コースです。『コナン』の巻末の名探偵図鑑はタッチが違うでしょ?今でも描けるんですよ。

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作者の幼少期は光彦タイプ。実家は自動車整備工場。(由良の、毎年「話そうDAY」が行われる会場の前がそれっぽい。)廃車置場を基地って楽しそう。

日大芸術学部 美術学科の絵画コース出身。この辺のことは度々インタビューで言及されています。

─ 『YAIBA』の思い出を是非。

青山:当時は初めての週刊連載でなりふり構わずやってましたからね。無我夢中ですよ。刃の雷神剣の中にいろんな玉を入れて強くなっていくというのは、RPGのアイテムを集めて強くなるイメージで描いていたので、そこがウケてもらえて良かったです。でも、逆に子供っぼくしすぎちゃって失敗したとも思いますね。終盤のヤマタノオロチ編は気に入ってます。上手く描けたなと思うんですが、オロチ編はアニメになっていない(笑)。今のクオリティでアニメ化してほしいですね。

YAIBAの頃はドラクエやFFのRPGを趣味でやっていたそうで、「RPGのアイテムを集めて強くなるイメージで」っていうのも、ゲームをやりながら考えたりしてたのかなと思います。

今の技術でアニメ化したら面白そうですね。時代を問わず子供には受けそうなアニメなので。確かに、子供っぽくというか少年にしか受けないジャンルですけど。

─ 最初はどのくらい続く予定で?

青山:こんなに長い連載になるとは思ってなかったですよ。最初の1巻で終わるかなと。コナンっていう名前も、編集長からアニメの『未来少年コナン』(宮崎駿監督作品)があるから、『名探偵ドイル』にしろって言われたんですが、「『未来少年』を超えてやるから!」って通しました。なのに新連載の告知記事のタイトルが『探偵少年コナン』になってて、いやいや、それはまずいだうと(笑)。でも、10年くらい前にジブリの方に「今、コナンといえば名探偵の方ですよね」と言われまして、「やった!」と思いましたね。

「初めはこんなに長く続くとは思ってなかった」たぶんこの件のネタバラシは最頻出かも(笑)

今や「コナン」と言えば名探偵コナン。実は、未来少年コナン見たことないです。名作なので、いつかはそっちも見ようと思います。名探偵コナンが終わったら…

─ 『コナン』の好きなエピソードベスト5を教えてください。

青山:一番は『揺れる警視庁1000万人の人質』です。読者人気も一番ですね。あとはなんだろう?

アニメで2時間半スペシャルだった『黒の組織と真っ向勝負満月の夜の二元ミステリー』かな。平次が初登場する『外交官殺人事件』は、新一の「そいつはちがうな・・・」っていう見開きのシーンが、演出的にうまくいったかなと思います。「真実はいつも・・・たった一つしかねーんだからな・・・」って台詞もお気に入り。アニメの台詞で「真実はいつもひとつ!」ってあるじゃないですか。あれはアニメの脚本家が書いたんですが、僕が描いたのと同時期だったんです。偶然一緒で驚きました。

「謎めいた乗客』も好きかな。コナンの「逃げるなよ灰原・・・自分の運命から・・・逃げるんじゃねーぞ・・・」って台詞が印象に残ってます。新一は台詞に気を使いますね。あと、最近の『ホームズの黙示録』。コナンの憧れの地でしたからカが入りました。現場取材もして。

個人的にベスト5を絞るのは難しいなー。「二元ミステリー」は組織編なので、ちょっとずるいような気がしないでもない。

「真実はいつもひとつ!」はアニメの脚本家と青山先生の偶然一致。シンクロってやつですね。

03年のインタビューでは、次はロンドン編と仰られていましたね。

青山:そうか、だいぶ時間かかったね。描いてみてやっぱり英語に苦労しました。ウィンブルドンを舞台にするのは最初から決めていて、ミネルバ・グラスはテニス選手のシュテフィ・グラフがモデルですコナンが観客席からグラスに「ボクが助けてあげるよ!」って言うシーンがありますが、あれは96年のウィンブルドンのエピソードを基にしてます。グラフと伊達公子の準決勝、流れを変えるためだかでファンが「シュテフィー!僕と結婚してー!」って言ったんです。それに、グラフは「お金いくら持ってるの?」ってジョークで返したんですよ(笑)

─ ロンドン取材はいかがでしたか?

青山:作中に登場する場所は取材に行って撮ったところばかりです。コナンが新一に戻った電話ボックスも、ビッグ・ベンの橋を渡った先にあります。”恐怖の谷”と漫画で描いた排水溝もちゃんとありますよ。泊まったホテルもそのまま。行けなかったところはグーグルマップで調べました。あ、じゃあ取材しなくても描けたかも?(笑)

─ エピソードのラスト72巻収録には新一と蘭の念願のシーンがありましたね。

青山:あれは反響が大きかったですね。恋愛に苦手なホームズに絡めようと思ったり、「厄介な難事件」っていう台詞も前から決めていて。計算通りです。

何年も前から予告していたロンドン編は直接取材に行く気合の入れようで、セリフも計算通り、長い間温めてきたネタだけあって好評だったようです。ミネルバのオマージュとか、グラフと伊達公子の準決勝のシーンの再現とか、なかなか面白いネタバラシです。

というか、予告は03年だったのか。ロンドン編が描かれたのが2011年だったので、だいぶどころじゃない(笑)ロンドン取材とかもあったので、無理もないかも。

グーグルマップは便利ですよね。世界の主要な場所なら、本当に現地のそのままの映像が簡単にみれちゃう。

─ ラブコメと組織との戦い、それぞれのエピソードを描くタイミングにぱ、ルールや時期があるのでしょうか?

青山:そろそろかなっていう勘ですね(笑)。ファンレターが結構影響あるかもしれない。「新一と蘭の子供時代が読みたいです!」、「そろそろ組織編描いてください!」とか。組織は読者からの期待も高いです。ただ、普段のフィールドと違って、ハードボイルドに描かなければならないのでなかなか大変。でもハードボイルドは好きです。

組織編を描くタイミングは適当ということだけれど、実はベルモット編は24巻~42巻で18巻。キール・瑛祐編が42~60巻で18巻と、大体定期的になってる。

バーボン編(60巻~)は少し長くなるとの発言をどこかで見たので、さらに長編になるかもしれない。(予定通り、18巻後の78巻でミステリートレイン。少し長くなり、85巻で緋色シリーズをやりバーボン編終了。)

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