世良の「データだとすぐに消せる」とは?
灰原を狙ってる?
コナン:(ん?)(まてよ・・・)(何でアイツ・・・ 灰原の画像見つけられたんだ?)
世良:「削除・・・ 削除・・・削除っと・・・」「データだと・・・」「すぐに消せるんだけどな・・・」 File:777
灰原を狙っているかのような暗示。ただ、灰原の画像データを消しながらそう言っただけで、灰原を消したいのかは定かではない。何かの比喩かもしれない。
世良=バーボンならそのまま組織が灰原を狙っているという解釈。そうでなかった場合はこのセリフはどんな意味があるのだろうか。
世良は赤井秀一の妹であるという推理なら、その場合例えば、兄の死を知って日本に来たが、原因となった宮野明美や組織に恨みがある。灰原は宮野明美の妹であり元組織の主要メンバーであったために、当然消すべき存在と思っているとか。
展開的には一時緊張関係に陥るも赤井の生存を知り、灰原はもう危険な人物でないという誤解が解けるなど。
まあ、世良はバーボン編とは別の山場で灰原と対決することになるとインタビューで答えているので、そのまま世良VS灰原があるという可能性もありそうであるが…
しかし、赤井絡みであれば、宮野明美と対決ならともかく妹の志保に矛先を向けるのには別のきっかけが必要だろう。
どういった仮定で対戦することになるのか、どのような対戦(殴り合いとか、単なる口げんかとか、コナンを巡る恋の対決とか・・・)になるかというのはもう少し話が進まないと分からない。”見物”らしいので、それなりの規模になるのではあろう。
案外、恋の対決という可能性もありそうである。
しかし、この場合も対決の対象は蘭になっても良いはずなので、灰原をを狙うことに直接は結びつかない。灰原は蘭のことを認め始めているので、その代わり的な?(コナンの正体を知っているのは世良と灰原なので、蘭は蚊帳の外だったり?)
「対決」はまたこの伏線とは別の話で、狙っていると見せかけているのがミスリードの可能性もある。
例えば、灰原に会いたがる理由は兄が元カノの妹である灰原を守ろうとしていたことを何らかの手段で知り、その兄が死んでしまったので自分が代わろうとしているとか。
この場合、狙っているとは正反対で、”消したい”のは組織の連中だったり。
デスノートのオマージュ?
世良の「削除」「削除」とデスノ魅上の「削除」「削除」のセリフとシチュエーションが同じ。魅上は単純に犯罪者はこの世から消えるべきだと、次々とノートに名前を書いて殺害しているのだが、世良は別にノートを所持してるわけでもないし悪キャラというわけではなくて、あくまで犯罪者はそれなりの報いを受けて当然だという価値観の持ち主だというところ。
性格については↓
世良真純の特長
でも、偶然同じセリフと似たようなキャラ設定になっただけかもしれないし、コナンと関係のないデスノートを出してきても唐突かもしれない。しかし ──
わずかであるが、名探偵コナンには「デスノート」のオマージュネタもある。58巻の赤と黒のクラッシュでは、「Kiss Note」という沖野ヨーコ主演の映画が絶賛上映中であった。
赤黒はアメリカのサスペンス映画がネタになっているらしいのだれど、Lとキラの頭脳 心理戦が見所のデスノートと、組織とコナンサイドの頭脳 心理戦が繰り広げられる赤黒はジャンル的に丸被り。もしかしたら、作者はこの時期デスノートも見ていたのかもしれない。
大抵は「キール編」「バーボン編」などの多きな区切りはその章が始まる前に大まかなプロットが立てられる。例えば、沖矢昴を出してから、まだ新キャラが欲しいなと世良真純を考えるわけではなくて、最初から沖矢と世良、安室を登場させて~などの計画は立てて置くはず。
世良の特長である「僕っ娘」の参考になったのが54-55巻の探偵甲子園で登場した越水七槻であることは何度も言及されているが、世良の特長を考え出したのはそこからキール編が終わる赤黒までの間ではないかと考えられる。
そのため、赤黒ではキールを入院させるときに赤井の妹という設定でごまかしたのだが、実はこれは突然ありもしない嘘をついたわけではなくて伏線であったというオチ。
世良の伏線が張られたのが赤黒、デスノのオマージュが出てきたのが赤黒と時期が重なるので、この時に世良の設定の一部をデスノから取っていたという可能性はある。
世良の「削除」発言には具体的に消したい対象があると思われるが、もしかしたらデータなら犯罪者なんて簡単に消せちゃうのにという、抽象的な発言ということも。
伏線の回収を考えれば、父親を殺害した犯人だとかかもしれない。まぁ、「あんなやつらデータだったら簡単に消せるのにな」とすれば、世良の価値観や目的というオチで回収できなくもないか。
その後の経過
78巻現在でも未回収、世良=バーボンの可能性は消え、赤井秀一の妹である事は確定。ミステリートレイン編を見る限り、世良はあまり組織のことに詳しくないように思えるが…
また、これまでの世良の行動を見る限り、今のところは「灰原を守る側」ということもなさそうである。
灰原自身を抹消とかではなくて、消せないのは「記憶」(データなら簡単に消せる)などの比喩の可能性もあり。
その場合、世良の過去が明らかになれば、何らかのヒントが出てくるかもしれない。
領域外の妹
File:875~で新キャラ「領域外の妹」が登場。彼女は世良の母でAPTXを飲んだ可能性があり、薬絡みで灰原と世良が関係してくる可能性も。
また、世良の母は灰原(宮野志保)の母である宮野エレーナと姉妹の可能性があり、その関係で世良と灰原が関係してくる可能性もある。
緋色シリーズ
結局解決せず。世良関連の伏線はバーボン編とは別(バーボン編の後)のようで、やはり過去編や出生についてなど、今後のエピソードを見てからということになりそうである。推理に必要な伏線はまだこれから出てくるかも?
インタビュー
年賀状情報 ─
「世良ちゃんも灰原も同じ人が好きなので対決です!(笑)」とのこと。
世良VS灰原は恋愛絡みのようなので、この時点で世良が灰原に嫉妬して「データならすぐ消せるのに」と言ったと考えるのは違うような。この伏線は対決(灰原へ向けた発言)とは関係ないかもしれない。でも、蘭ねーちゃんの記憶から新一を消したいとかだったらどうしよう(笑)
SDB80 ─
世良は黒ずくめの組織の事はまだ知らないとのこと。
「黒の組織」は知らないが、何らかの大きな組織ということは知っているという可能性もありえるが、シンプルに組織のことを何も知らないとすれば、「組織を消したい」という線はなくなりそう。
それに、組織を知らないのであれば、灰原が薬の研究者だということも知らないはず。灰原を消したい理由もないのではと考えられる。まだコナンのことでそんなにライバル視してるようなところもないし、世良と灰原二人が顔を合わせるのはミステリートレインで初めて。
パパや秀兄を殺害した犯人を懲らしめたいという抽象的な表現ならありえるか。
一応、宮野志保の映ったムービーを見て反応しているので、秀兄絡みで写真を見たなどして灰原を知っている可能性は微存。ただ、領域外に似ていたから驚いたとか、まだどうにでも考えられる。
羽田浩司の事件
博士:「それにしてもこんな情報よく見つけられたのォ・・・」
コナン:「誰かが定期的にネットにアップしてるみてーだぜ?削除されるのをお構いなしに・・・」「まるで誰かがこの謎を解いてくれって・・・」「言わんばかりにな・・・」 File:948
サイトが定期的にアップされては削除されるというのが、まさに世良の「データだとすぐに消せる」そのまま。
本来ならサーバに不正侵入する必要があるため、”すぐに”消せるわけではないのだけれど、世良の兄である赤井秀一はこの漫画随一のハッキングの天才で、ママと考えられる領域外の妹も技術系には詳しい様子。まぁやろうと思えばできる。
小五郎:「まあ、17年前の事件の関係者なんじゃねぇか?」「堀田凱人はその事件で殺された羽田浩司の霊を呼び出すとか言ってたらしいし・・・」
世良:「は・・・」「羽田・・・」
領域外:<浩司!!>
世良:「それで!?その探偵から事件の事何か聞いたのか?」 File:952
領域外:「で?」「堀田が入手した情報は何かわかったか?」
世良:「連行される前に古栗って人が言ってたよ・・・」「姿を消したボディーガードの浅香があの手鏡を持ってる所を見た人がいて・・・」「浅香は女だって事を堀田がつかんだみたいだって・・・羽田浩司の霊を呼び出して「女だ~~~っ女に殺されるー」って叫ぶつもりだったってね!」
領域外:「そんな事か・・・くだらん・・・」 File:953
世良と領域外の妹は、羽田浩司の名前を聞くだけで過剰な反応。その後、堀田が得た情報が何なのかを気にしていたので、二人が羽田浩司の事件について、些細な情報でも欲しいと考えているか、その逆で情報漏洩を危惧している。
浅香の性別という貴重な情報を得たにもかかわらず「くだらん」と言っているということは、既に浅香の性別について知っているからと考えられるのだけれど、世良が領域外の妹に報告する口調は堀田を馬鹿にしたようなニュアンス。
羽田浩司の事件を世間にあまり知られたくない世良がサイトを削除しているとも考えられるし、まぁここは「なんで知られたくないの?」という疑問も残るので、その逆でアップしているのに簡単に削除されてしまうというのもありかもしれない。
ただ、74巻で「データだとすぐに消せる」と意味深な発言をさせ、読者に「世良の言っていることは何を意味しているのでしょう?」と考えさせて、それが「正解は89巻で出てきた羽田浩司の事件のサイトのデータです」では、ちょっと醜い(笑)
世良の「データだとすぐに消せる」は言い換えれば、データ以外は消すのが難しいこともあるということ。「データだったらすぐに消せるのに、〇〇は消したくてもすぐに消せない」だから、世良は思わず”データだと”と口に出してしまったようでもるあるので、それなら、問題はデータ以外の何を消したいのか、にあるのではと。
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