サンデー File:1009-1012

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エレーナ:「でもスポンサーはあの烏丸グループでしょ?」

厚司:「そうなんだが悪い噂も聞くよ?」「また学会でマッドサイエンティストと叩かれるのも何だしねぇ・・・」

「”あの”烏丸グループ」という表現からもやはり、超有力な財閥のような企業。30巻の時点では、烏丸蓮耶はどちらかというと過去存在していた噂の資産家という感じで、グループ会社のトップなんて設定はなさそうだったけど(笑)館も母親の遺産ということだったし。

組織のボスが決められた上で烏丸蓮耶が登場し、ベルモット編ではベルモットの不老、一人二役の伏線が綿密に張られ、ボスとベルモットの関係も示唆された。それなら、烏丸蓮耶の細かい設定についてもあの時既に考えられていたのではと思われるけれど、「集められた名探偵!」シリーズでの烏丸蓮耶のイメージと現在のイメージでギャップがあるのは、読者に推理して欲しいボスの実体と、コナンが組織の実体を暴いてボスに辿り着くためのとっかかりが別にあるためかもしれない。

烏丸蓮耶が薬で不老になり、そのままどこかに隠れていているだけなら、読者がボスについて推理することはもうない。しかし、烏丸蓮耶とベルモットはどんな関係?というのを、これまで明かされている烏丸蓮耶の設定からいくら考えても結びつきそうな接点は全くない。

読者に推理して欲しいのは烏丸蓮耶の亡霊のほうで、このトリックについてはベルモット編でしっかり練られていて、コナンが組織を追い詰めていくための入口となるのが、この烏丸グループが過去に組織のフロント企業になっていたことだとすれば、この辺は後付けで作られた設定だった可能性もある。

そして、現在においてこの烏丸グループがどうなっているのか。一族経営からサラリーマン社長に交代し、それこそ、ただのフロント企業になって現在も存続しているのか。これまで企業名の暗示すら一切なく、コナンの反応なんかを見ても、今はもう衰退していて、作中の若い人はほとんど知らないような気はするが…

別に、「大黒ビル」のように「烏丸ビル」 なんてのが出てきてもボスがバレバレというわけではないし、むしろそうした「点」となるものすら全くなかったために、唐突な印象になってしてまっているくらい。

千間降代によると、20年前(惨劇のあった40年まえから20年後)の頃には、烏丸蓮耶は既に死に絶え、一族も衰退していたとのこと。後述するが、この安室の回想の時期はだいたい20年くらい前のようなので、この後に烏丸蓮耶が死亡、”表向き”有力な後継ぎもおらず、急激に衰退した可能性もある。

ただし、この場合烏丸蓮耶は120歳くらいまで生きていたことになり、40年前に死期が迫り業を煮やした~と手紙に書いていた千間恭介の証言と食い違う。「集められた名探偵!」で登場したキャラは皆凄腕の名探偵。烏丸蓮耶が20年前まで日本を牽引するトップ企業の社長として生きていたのなら、40年前のエピソードはおかしいと気づくはず。

あるいは、烏丸蓮耶はいつ息絶えたのかはわからないが、40年前から数年後には世間から姿を消していて、その後も一族が会社経営を行っていたが、実力もなく千間降代の言う通り、次第に勢力を失い、鈴木財閥などに取って代わられたとか。

ミステリーにおいて、またこの漫画でも、死んだと思われていた人間が生きていて、復讐を果たすという話は日常編でも何度かやっているように、わりとメジャーな手法。烏丸蓮耶が自らの死を偽装して、裏で悪事を続けるという計画は悪くない。

ただ、既に金も権力も手にして悪そうなこともしていた烏丸蓮耶が収益の元となる会社を畳んでまで身を隠すメリットがあるのかというと、その必要があるのは不老状態になって生きながらえる場合でしかない。宮野夫婦が組織に加入し、薬が完成したことで計画を実行に移したとするのなら時期は合うが、前述したように40年前から20年前の期間が不自然。

それより前に不老状態にはなっていたのだとすれば、今度はなぜ20年前後のタイミングで?ということに。現在の黒の組織が完全に裏社会の組織として暗躍しているように、黒の組織の最も際立つ特徴はその徹底した秘密主義にある。裏切り者やへまをした者の処分はもちろん、かかわった人や施設まで全て焼き払う。組織の存在すら表に出ることはない。

「悪い噂も聞くよ?」と当時は一般人でしかなかった厚司でも知っていたように、烏丸グループは悪評が立つ活動をしていたようで、しかし、こうした噂が広まってしまっていること自体、どうも烏丸グループが今の黒の組織の前衛だったとするには、若干ずれがあるようにも思える。それこそ、傾きかけた企業を外部のやり手経営者が社員を再教育して立て直したくらいの変化が起きている。

やはり、現状不可解な点が多いのは確かで、何か違和感を解消する新事実が今後出て来るのかもしれない。ちなみに、烏丸グループの存在が明らかになったことで、羽田浩司の事件のダイイングメッセージは、必ずしも烏丸蓮耶を指したものではなく、「烏丸グループ」だった可能性もあり。(犯人は烏丸グループの連中だと伝えたかった)

メッセージを残したのが誰であれ、烏丸蓮耶があの現場にいたのを目撃した。あるいは、烏丸蓮耶の話題が出て来た。例えば、アマンダに烏丸蓮耶が若返ったなどの話をして薬を飲むよう勧めているところを聞いてしまったのなら、「CARASUMA」は烏丸蓮耶とイコール。ただ、後者の場合、明確にAPTX4869を殺害の薬として使用し、羽田浩司が殺されたことが不自然ではある。どちらの場合でも、17年前に烏丸蓮耶が生きている(薬を飲んでいる)ことになる。

しかし、今のところ羽田浩司の事件にかかわったと考えられるのはラムであり、ボス自ら出向くことは考えにくい。17年前の時点でまだ烏丸グループが健在、あるいは、水面下で黒の組織ではなく烏丸グループとして活動していたのなら、資産家のアマンダと烏丸グループの取引現場を目撃したことをメッセージに残した可能性もあり。

この場合、烏丸グループのトップが烏丸蓮耶であれば、ボスが烏丸蓮耶だということは間違ってはいないが、結果論同じだっただけ。また、黒の組織が烏丸グループであったのなら、ボスは烏丸蓮耶だろうと推理できるのだけれど、本当にトップに立っているのは烏丸蓮耶なのか?というのは保証されない。表向きのボスが烏丸蓮耶だというだけで、別の人間が権力を握っていてもおかしくはない。

日常編でも、例えば事件の犯人が二人いて、お金を騙し取った犯人を捕まえたが、実は殺人の犯人は別にいるなんてこともある。これでも、お金を騙した犯人も犯人であることは間違いなく、優作がボスは烏丸蓮耶(実ははっきり断言していないのだけれど)と推理したとしても、間違えたわけではない。まだ半分しか推理していない段階というだけ。

エレーナ:「けど・・・あなたの研究はこんな町医者の片手間に出来る研究じゃないし・・・」「給料がいいならこの病院畳んで私もその研究手伝うわよ?」

厚司:「いいよ・・・家族3人、これで十分やっていけてるんだから・・・」

厚司の肩書は医師 兼 科学者。灰原も科学者という設定。阿笠博士も科学者だけど、薬関係ではなくて機械工学。一方で灰原は化学のほうで、得意分野ごとに表現は分けていない。

厚司は医師なので、それなりに何でもできつつも、専門はまぁ化学の方。研究に専念していたわけではなく、夫婦揃って医師であることがわかったので、宮野夫婦の研究はやはり何らかの医療に役立つ研究だったのはほぼ間違いないかも。

ただ、既にこの時点からある病気を治すために強い使命を持っていた── というわけではなさそう。組織に入ったのも、研究への熱意だけではなく、お金が後押ししている。娘とお別れしてまで、「シルバーブレット」と願いを込めて薬を完成させようとした経緯は、組織に入ってから何かがあったのかも。

また、メアリーの病弱設定が宮野夫婦の研究に関連して、病気を治す研究をしていたという可能性は低くなったかも。「これで十分やっていけてるんだから」はひどいので(笑)

エレーナの本来の設定はメアリーを凌ぐ作中トップレベルの頭脳の持ち主だったはずだけれど、この描写から判断すると、独自の理論は持たずにあくまで厚司の助手だった様子。

でも、厚司の研究が用途を変えてそのまま組織の欲しがる薬として使用できたかというと、そうとは限らないかも。その場合、薬の調整をする人物がいるはずで、それが宮野夫婦が組織に命じられて作ったわけでなかったのなら、組織にまだ研究者サイドの大物がいる可能性も。

しかし、もし新キャラやラムが研究に大きく関与していた事実が出てきたら、ベルモット編でボスである烏丸や目的に関する薬関連のプロットが出来上がっていたという前提が崩れる可能性も出てきてしまうので、この辺はもう少し今後の展開を注意深く追ったほうが良さそう。

極端な展開なら、宮野夫婦はそもそもAPTX4869とは関係ない研究で成長促進のほう。APTX4869は天才科学者◯◯がもっと前に完成させていた、なんてこともいくらでも後付できちゃうわけで…

ちなみに、医学部に行ったと考えられる宮野厚司と高校までずっと同級生だった出島社長も相当頭が良かったはず。デザイン事務所だけど、一級建築士くらいは持っているのかもしれない(笑)

エレーナ:「4人よ♡」

厚司:「え?」

エレーナ:「今、3か月だって!」

厚司:「おおそうか!」「じゃあその話、もう一度考えてみるかな・・・」

エレーナ:「あなたの夢なんだから・・・」「そう簡単にあきらめないで!」

厚司:「ああ・・・」

安室:「じゃ、じゃあボク、帰るけど・・・」「ま、またケガしたら来てもいいか?」

エレーナ:「ダメよ!」「ケンカする子はお断り・・・」(でも、ケンカの相手と仲直りする為の名誉の負傷なら・・・)(絆創膏ぐらいは貼ってあげるわよ?)

問題の時系列。まず、推定年齢24~25歳の明美と29歳の安室が同じくらいの身長な件。元々、名探偵コナンでは身長の描き方、特に子供は適当なところがある。中学生だった世良の身長が、屈んだスコッチの身長よりも低かったり。(あえての可能性も微存)

世間では作者は子供を描くのが下手とも言われているけれど、描けないわけではないと思う(笑)ただ、意識してこの身長で描いたという可能性も考えられなくはない。普段から適当なのに、突然意味がありますというのは、ミステリーとしてはアンフェアな気もするが。

まず、明美の年齢が4歳くらいと考えるのは間違いはないはず。いくら適当とは言え、2歳以下では無理があるため。明美の年齢は、20年くらい前に出島デザイン事務所に宮野夫婦が4~5歳の明美を連れてやってきた証言が根拠なので、それが実は22年くらい前だったとすれば、明美は27くらいでもおかしくはない。ただし、年数を遡るほど、「4人目の家族」の年齢も上がる。これは後で説明するとして、灰原で確定している。

では、安室の年齢が間違っているのかというと、これはエレーナと「バイバイ」した「ギスギスしたお茶会」シリーズでもその可能性を考えたけれど、伊達刑事と同期であることや、安室の階級が上であることから、29歳以下はありえない。警察官になる時に詐称したとするのは、公安の身辺調査力に問題が出るし、そもそも詐称する意味があまりない。よほど早く警察官になりたかったとかの動機では、あえてトリッキーな設定にする説得力に欠ける。

やはり、単純に子供を描くのが下手なのか。確かに10歳くらいの子供は描きにくいのかもしれないけれど、3年生の花屋のフジワラさんとかちゃんと年上に描いてたし、描き分けはできなくはないと思う。こうなってしまったのは、安室とエレーナの別れのシーンを事前に描いてしまっていたからのような気がするが… この回想は別れよりも前のことなので、あの時より大きかったらおかしくなってしまう。

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