灰原が「データは焼けた」と嘘を付いている理由

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「APTX4869のデータが入ったMO」の行方については↓

嘘をついた理由

では、持ち帰ったのが灰原であった場合、灰原はなぜ嘘をついているのか。

これはいくつかの理由が考えられるが、灰原の心情も関わるので伏線が一箇所というわけではなくストーリー全体を通して語られている。今回は部分的な説明のみ。特に序盤、ベルモット編が一つのポイントで、その後は徐々に変化していく。

まず、一つ目はシンプルに新一は黒の組織に殺害されたことになっている人間であり、新一が生きていることが組織にバレたら、再び命を狙われることになる。

そればかりか、今度は周囲にまで危険が及ぶ可能性があるということ。そのため、解毒剤を使うのはここぞという時だけでなければならない。

コナン:「ん!」

灰原:「なに?」

コナン:「APTX4869の解毒剤だよ!まだあんだろ?ちょーだい♡」

灰原:「イ・ヤ・ヨ!!」「事件に遭遇すると見境なしに大立ち回りをやらかす推理フェチさんには、とてもじゃないけどあげられないわ!!」

コナン:「悪かったよ・・・次からはなるべく自重すっからよー・・・」

灰原:「言ったはずよ!あれはあくまで試作品・・・」「今回は偶然私がそばにいたから事無きを得たけど・・・」「いつまた幼児化するかもしれない不完全な薬を投与するわけにはいかないわ・・・次は本当に死ぬ可能性だってあるし・・・」

・・・

コナン:「あーくそ!こんな事ならさっさと蘭に言う事言っときゃよかったぜ・・。」

灰原:「・・・・・・・・・」

光彦:「あ、博士・・・」「コナン君、本当に行かないんですか?杯戸町の屋内プール・・・」

元太:「波があってイケてるぞ!」

コナン:「悪いな・・・まだカゼ気味なんだ・・・」 File:261

しかし、コナンは灰原が忠告しているようには現在自分がおかれた状況を把握しているとは言い難く、一度解毒剤を使って新一に戻ったコナンは再びその薬を欲しがっている。

本来なら組織を倒すまでは解毒剤はないほうがいい。解毒剤の完成をせっかちでそそっかしいところのあるコナンに期待させるべきではない。コナンはパイカルの成分だけで灰原が解毒剤の試作品を作り、データがないため完成は難しいと考えている。

現状、薬のデータを手に入れて、それを元に解毒剤の開発をしているとコナンに話すよりは、内緒で研究を進め、時期が来たら渡したほうが良いと考えたのかもしれない。

「事件に遭遇すると見境なしに大立ち回りをやらかす推理フェチ」と言われているように、組織のメンバーがどこにいるのかもわからないのに、コナンは新一の姿でも事件となれば顔を出してしまう。灰原はそれを非常に危惧している。

また、コナンは「こんな事ならさっさと蘭に言う事言っときゃよかったぜ~」と言っている。これは、新一の姿で蘭に告白(ロンドン編でしてしまったが)すれば、今まで以上に現状のコナンの姿でいることが歯がゆくなるし、新一に戻りたくなってしまう。

だが、それは時期早々。新一と蘭の距離が近づけば、直感の鋭い蘭に今まで以上に組織のことに勘付かれる可能性も高くなる。

そして、これは二つ目の理由にも繋がってくるが、灰原はコナンが新一の姿に戻り、蘭とくっついてしまうことを素直に受け入れることができない理由がある。

これは、コナンが「さっさと蘭に~」と話している時の、灰原が沈黙してコナンを見つめる意味深な表情にも描かれている。

灰原:「バレてんじゃないの?あなたの正体・・・」

コナン:「・・・・・・」

博士:「あ、哀君?」

灰原:「私、朝まで地下室でやる事あるから邪魔しないでね・・・」

博士:「おい・・・」

コナン:「バーロ、だったら何でオレにそう言わねーんだよ?」「蘭にかぎってんな事ねーって・・・」

蘭:「なに?わたしがどーかした?」

博士:「あ、いや・・・」

蘭:「それより博士が預かってるって女の子・・・どこにいるの?」

博士:「ああ・・・哀君なら地下の部屋に・・・」

蘭:「あいさつしちゃおーっと♡」

コナン:「あっちょっ・・・」

蘭:「こんにちはアーイ・・・」「ちゃん・・・・・・」

博士:「コ、コレ哀君!あいさつぐらいせんか!?」

蘭:「いいわよ博士・・・」「邪魔しちゃ悪いし・・・」「じゃあまたね哀ちゃん♡」

灰原:(もしかして私・・・)(逃げてる?)(冗談じゃないわ・・・) File:251

灰原は蘭がコナンの正体に勘付いていることに気づいているが、コナンはそんなことを考えてもいない。(後に気付くことになるが)灰原のほうが蘭が何を考え、行動しているのかを見抜いている。

そして、コナン=新一と疑っている蘭もまた、一緒にいる灰原のことを気にかけている。

灰原は「もしかして私逃げてる?」と蘭に苦手意識を持っているが、別に蘭のことが人間として嫌いだとか、嫌なことをされたとか、そういうわけではない。

コナン:「泣き真似はうめーけど、寝たフリはヘタだなオメー・・・」「何なんだよ?わざわざ粥作りに来てくれたっていうのに、シカトかよ?」

灰原:「別に・・・頼んだわけじゃないから・・・・・・」

コナン:「まぁオメーが世話好きの、蘭みてーなタイプが苦手なのはわからなくはねーけど・・・」「せっかく作ってくれたんだから、冷める前に食べちまえよな!」

灰原:(わかってないのね・・・)(何も・・・)(まぁ、わかって欲しくもないけど・・・) File:423

haibara_love_conan_f423

決して、蘭が世話焼きだから苦手というわけでもない。まぁ苦手なタイプではあるかもしれないが、一番の理由ではない。

灰原の「わかってないのね わかって欲しくもないけど~」というのは、灰原のツンデレな性格と、解決しようがない自分の気持ちのやりどころのなさからくるものであろうか。

その後はこれまでの蘭の優しさに触れたことや、二元ミステリーでは身を挺して命を助けられるなどの出来事を通して灰原は蘭を姉の明美と重ねることになり、徐々に蘭を受け入れるようになるが、それまで蘭を拒絶していたのは灰原自身の感情的な問題もある。

コナン:「なあ博士・・・こないだの蘭の話だけどよ・・・」

博士:「ん?」「もしもの時のためになんかいいメカ作ってくれよ・・・」

博士:「メカと言ってもの──・・」

コナン:「たとえば動いてしゃべるオレそっくりのロボットとかさ──・・」

博士:「んなもん作れるなら今頃わしは億万長者じゃよ!」

コナン:「ん?」

灰原:プイ

コナン:「はぁ?」 File:251

コナンが蘭の話をして新一そっくりのロボットを作るように博士に頼んでいるが、それをせつなそうに見つめる灰原。コナンはそれに気付くが、灰原は機嫌を損ねそっぽを向いてしまう。

新一:「なぁ灰原・・・」「何でおまえそこまでしてくれるんだ?」「解毒剤ができたんならおまえの体だってすぐにでも元の姿に戻りたいんじゃねーのか?」

灰原:「バカね・・・あなたの正体がバレたら私にも火の粉が飛んで来るかもしれないから、協力してあげてるんじゃない!」「それにあなたが飲んだのはまだ試作品・・・」「私が使うかどうかは、今後のあなたの体調をじっくり観察してから決めさせてもらうつもりよ・・・」 File:258

灰原は「体調をじっくり観察してから決めさせてもらう~」と言っているが、これは灰原の性格からすれば本意を語ったわけではない。

それに、「試作品」であるからコナンに易々と薬を渡したり期待させないのであり、自己犠牲心の強い灰原なら、危険な薬だという理由であればコナンを実験台にそんな危険なことはさせたくないはず。

「言ったはずよ!あれはあくまで試作品・・・」「今回は偶然私がそばにいたから事無きを得たけど・・・」「いつまた幼児化するかもしれない不完全な薬を投与するわけにはいかないわ・・・次は本当に死ぬ可能性だってあるし・・・」と後に言っているように、灰原はコナンの心配をちゃんとしている。

「おまえの体だってすぐにでも元の姿に戻りたいんじゃねーのか~」という疑問に対して素直に答えられないのはそうではないから。もちろん、今の時点で宮野志保の姿に戻るわけにはいかないのだが、それは当然のことであるので、あえてこの件に関して触れたのは別の理由があるからであろう。

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更新日:2018-4-13
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