これまでの様子
時を超えた暗号
光彦:「後の字は見た事ありませんよね?」
コナン:「あれ?おっかしいなぁ・・・」「棒の太さが違うのか?」
若狭:「・・・・・・・・・」 File:966
コナン:「まあ、この暗号を解くには別の何かがいりそうだけど・・・」
若狭:「・・・・・・」 File:967
コナンが暗号解読する様子を意味深に見つめる若狭先生。シリーズラストのページではもう、その件については隠すつもりのないような描写。
今回はベルモット編の時の新出先生のような、「普通に見える先生が実はじっくり読むと怪しんです!」としたいわけではなくて、怪しいのは最初からネタバレ気味。
このシリーズは、10年前に強盗事件があった⇒その分け前が帝丹小に隠されていた⇒*若狭先生が事前に発見した可能性が高い⇒コナンに暗号を見つけさせ、解かせる。また、ネットニュースに暗号を流すことで強盗団を誘い出し捕まえる── という流れが予測できる。
*ニュースの早さから、警察に押収されたはずの白骨死体とハチマキは誰かが事前に写真に撮っている(死体の写真は白骨だろうと普通ニュースに出ない)⇒若狭先生が古倉庫へ一緒に石灰取りに行ってくれるよう、探偵団にお願い⇒古倉庫の地下へ続く扉に、コナンより先に誰かが入った形跡⇒若狭先生の探していた石灰の入った地下のライン引きの中に大金。
詳細の考察は↓
考察 【File:966-968】 ネットのニュース配信が早すぎる理由
問題は何の目的があってコナンを調査したいのか。推理力を見ていることからも、最初からコナンが切れ者であることは前提でいたようだけれど、どのような経緯で知ったのか。ただの切れ者という認識なのか、工藤新一の幼児化ということまで検討をつけているのか、というところ。
元太:「でもホントにボロボロだな・・・」
光彦:「扉に鍵も付いてませんねぇ・・・」
コナン:「んなモン10年前から付いてねぇよ・・・」
歩美:「どうして知ってるの?」
コナン:「──って蘭姉ちゃんが言ってたよ?」
灰原:「どーでもいいけど早く取り壊しちゃえばいいのに・・・」
コナン:「確か、風水か何かの理由で壊せないって・・・」「校長先生が卒業式の日に・・・」「にゅ、入学式の挨拶で言ってたよ!」
歩美:「そんな事言ってたってけ?」
光彦:「──っていうか・・・」「コナン君入学式の日いませんでしたよね?」
元太:「お前途中で入って来たからよ・・・」
コナン:「そ、そうだったか?」
コナンの「10年前から付いてねぇよ」発言に探偵団はちゃんと突込みを入れてるけれど、若狭先生はコナンの方を見つつも、不思議がる反応が描写されていない。
正体が工藤新一であることに気づいてるからか、それとも10年前発言を聞いても子供がボケたこと言ってると流してしまったのか。これによって若狭先生が現在把握している情報量がわかるので、ただ曖昧にしておきたいだけか(笑)普通は「10年前?」と疑問に思うはずなんだけど。
博士の発明品について知る ─
灰原:「電球・・・完全に切れてるわね・・・」
光彦:「大丈夫です!これがありますから・・・」
若狭:「あらみんな!便利な物持ってるのね!」
歩美:「博士に作ってもらったの!」
元太:「トランシーバーになってる探偵バッジもあるぞ!」
若狭:「へぇー・・・」「すごい博士ね!」 File:966
コナン:「先生!この扉を開けてくれねーか?」
若狭:「で、でも、その誰かが飛び出して来たら・・・」「大丈夫!麻酔銃で眠らせてやっから!」
若狭:「ま、麻酔銃?」 File:968
恒例の初動調査。探偵団が便利な道具を持っている、というか、そんなのを作っちゃう博士がいることを知るという後々のための布石。
基本的にはここで初めて知るというための演出なのだけれど、最初から知ってたら怪しまれるから知らないふりをしただけとも考えられるので、これもまぁ参考程度。
若狭先生があえて眠りの小五郎の重要なアイテムである麻酔銃について知るのは、そのトリックを見破る布石になりえるのだけれど、安室・世良経由どちらの場合でも、眠りの小五郎の知恵袋はコナンであることに既に気づいている。(後から気づく意味がない)
白い手の正体
光彦:「やはり警察はボク達が見たあの女の人が犯人だとにらんでるようですね・・・」
コナン:「ああ・・・」
光彦:「でも犯人はあのプロゴルファーなんですよね?」
コナン:「ああ・・・伴野さんに会ってすぐわかったよ・・・」「異様な点が2つもあったし・・・」
光彦:「い、異様な点?」
コナン:(でもわからねぇ・・・)(どうやって自分の顔に文字を・・・)「ん?」「何やってんだ灰原・・・」 File:979
コナンがトリックを見破れず悩む姿の後ろに、意味深に描かれる若狭先生(左)。暗号解読の時のような、「・・・・・・」と見つめるほどあからさまな演出ではないが、特に入れる必要のないシーンで、無表情でコナンの方を見る若狭先生を、あえてコナンのすぐ後ろに描いているところがポイント。
レシートを拾う ─
コナン:(何だこの紙・・・)(コンビニのレシート・・・)(日付は今朝か・・・)(・・・・・・)「そういえば若狭先生・・・」「今朝、珍しく遅刻してたけど・・・」「どうして?」
若狭:「どうしてって・・・」
クシャ
若狭:「今朝、冷蔵庫をのぞいたら空っぽなのに気づいて慌ててコンビニに買いに行ったから・・・」「学校が終わってから買いに行くとほとんど売り切れになってるし・・・」
コナン:「ふーん・・・」「そうなんだ・・・」
若狭:「この事・・・」「他の先生には内緒よ?」 File:979
コナンは若狭先生の部屋でコンビニのレシートを拾う。コナンがレシートを見て何か思う=書いてあることに意味がある。購入されていたものは、オムライスの材料とマグカップ。これは恐らく、探偵団が来るのを見越して人数分揃えたもの。
つまり、ここまで屏風が汚れたからという理由でコナンたちを部屋に招く流れであったが、朝の時点で(コナンを観察するため)呼ぶつもりはあったということ。
これで若狭先生の狙いがコナンにバレたとするのならあまりにも軽率なミスなので、ドジ設定もあながち嘘ではないということになるのだけれど、部屋はきれいに掃除されている様子でレシートだけがぽつんと落ちていた。最初に部屋に入った時はなかった?ということからも、わざとコナンに拾わせたとも考えられる。
コナンにバレないように水面下で何かを探り企んでいるというより、世良と同じように、今後動き出す何らかの計画のようなものがある様子。
メディアに自分の名前を報道させたのも”あえて”の可能性があり、若狭先生の意図が少しずつ見えてくるかもしれない。
詳細の考察は↓
考察 【File:978-980】 若狭先生の計画
灰原:「── ったく・・・ドジなんだか強運なんだか・・・」
コナン:「・・・・・・・・・」 File:980
レシートの件もあってか、その後は若狭先生に疑いの目を向けるコナン。
隻眼のマッチアップ
コナン:「おいオメーら?」「確か漆原さんって・・・」(やべぇ・・・)(完全に事件に飽きて遊んでやがる・・・)
歩美:「出来た~~~♪」
コナン:「──ったく何やってんだよ?」
元太:「先生に教えてもらってよ・・・」
光彦:「ドングリで作ったんです!」
歩美:「ドングリのやじろべぇ!!」
コナン:(そうかこれだ!)(犯人はコレを利用したんだ!!)(オレ達の目を欺いて・・・)(なおかつ自然に発火させる為に!!) File:988
このシリーズでは観察の対象はコナンよりも後にやって来た黒田兵衛にウエイトがあるためか、コナンを見つめるような描写はない。
ただ、前回、前々回の若狭先生登場シリーズ同様に、コナンがトリックに悩む⇒若狭先生の一言がきっかけで閃くというところは同じ。
コナンが疑う ─
コナン:(若狭留美先生・・・)(帝丹小学校1年B組副担任・・・)(先日、たまたま先生のマンションにオレ達が呼ばれ・・・)(偶然隣人の殺人事件に出くわしたと思ったけど・・・)(あの時、先生の部屋で見つけたその日の朝のコンビニのレシートには・・・)(オレ達分の皿やマグカップまで買い足してあった・・・)(つまりあの朝、隣人が殺人を犯す事を察知し・・・)(オレ達をそれに遭遇させる為に・・・)(わざと屏風を汚しその描き直しを手伝わせる理由で部屋に招いたんだ・・・)(いや、オレ達じゃない・・・)(狙いはオレか!?)
(そもそも、古い倉庫で見つかった白骨死体の事件の時も・・・)(何年も開けられていないはずの地下への扉のサビがはがれた跡が真新しかった・・・)(アレも先生があらかじめ白骨死体を見つけた上で・・・)(オレを事件にかかわらせるように仕向けたとしたら・・・)(まさかこのキャンプも・・・) File:987
同シリーズで、若狭先生があらかじめ人数分の皿やマグカップを買い足していたこと、帝丹小の事件では地下倉庫への扉のサビがはがれた跡が真新しく、事前に入った形跡があったことなどから、コナンは若狭先生を疑う。
詳細の部分はともかく、若狭先生がコナンの行動を観察し、試しているのは確か。現時点での狙いはおそらくコナンということで良さそう。これまでのシリーズで灰原を気にする様子は一切なく、帝丹小強盗事件の一連の流れを見れば、コナンに推理させるのが目的だったことは明らか。最初から灰原が狙いだった場合はこのような行動は不要なため。
そもそも、これまでの話で灰原=宮野志保とコナン=工藤新一の両方を同時に疑い調査するようなきっかけを持つ組織や人物はいない。黒の組織は現在シェリーは死んだと思っており、コナンにはまだ目を付けていない。公安はまだ幼児化現象に気付いていないようで、コナンの様子が不自然だと考え始めたのならともかく、灰原の幼児化を疑うようになったきっかけはない。公安はミステリートレインの件で、宮野志保は死んだと考えている。
FBIは既に灰原の幼児化には気付いている可能性もあり、赤井など一部の人間はコナンの正体が新一であることにも気付いている。いずれにしろ、今更深く調べるようなことではない。世良とメアリーも既にコナンの正体を知っているが、まだ灰原に対するアプローチは見られない。
⇒File:1005の修学旅行編では、まだ解毒剤の研究者である灰原の存在に目をつけていない様子。
大抵の場合は、コナンが怪しいと踏み幼児化に気づき、そこから芋づる式に灰原もバレるか、またはその逆となる。両方を同時に疑うということは、コナンと灰原二人に会ったことがあり、工藤新一と宮野志保二人を知っている必要があるため。そのような条件を満たせすのは簡単ではない。特に灰原は世間に存在が知られないよう極力注意を払っているため、普通に生活をしていれば面識のない人物から突然目を付けられることはそうない。
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