名前の仕掛け
若狭留美(わかさ るみ)をローマ字にすると「WAKASA RUMI」。これは羽田浩司の残した「U MASCARA」(ASACA RUM)のダイイングメッセージをもじった名前で、並び替えると「ASAKA RUM」になる。
残った「WとI」は別に使わなくてもいいけれど、Wは逆さにすると「M」と読め、「ASAKA RUM」に付け加えてもう一度並び変えれば、「IM ASAKA RUM」となる。ダイイングメッセージの本当の解釈はまだわからないが、使われている文字が被っているところがポイント。
メディアに露出
パシャ パシャ
若狭:「へ?」
インタビューアー:「プロゴルファー伴野貞悟さんの自宅で殺人があったって本当ですか!?」「殺されたのは誰ですか?」「犯人の目星は!?」
元太:「犯人この兄ちゃんだぞ!」
男性インタビューアー:「伴野本人が!?」
女性インタビューアー:「では、たった今取り押さえた所なんですね?」
若狭:「いえ、私は突き飛ばされて転んだだけで・・・」
女性インタビューアー:「よろしければお名前を!!」
若狭:「いえ、そんな・・・」
光彦:「帝丹小学校1年B組副担任の・・・」 歩美:「若狭留美だよ!」
犯人を気絶させた直後、玄関の前には大勢の報道陣が押し寄せていた。そして、歩美ちゃんが名前を言ってしまったこともあり、ネットのニュースに顔と名前が出てしまう。
若狭先生初登場の話で起きた帝丹小の強盗事件同様に、メディアがやって来るのが早すぎるところが不自然。どこからか情報が漏れているということ。まぁ、どちらも閉鎖された空間で起きた事件。野次馬などはおらず、事件を知っていたのはコナンたち探偵団と若狭先生、警察関係者、犯人しかいないのだから、候補は消去法で若狭先生しかいないのだが。
詳細の考察は↓
考察 【File:966-968】 ネットのニュース配信が早すぎる理由
黒田:「お手柄小学校教師・・・」「若狭・・・」「留美か・・・」
脇田:「へぇ・・・」「こいつァトンチが・・・」「利いてるねぇ・・・」 File:980
黒田:「お手柄小学校教師・・・」「若狭・・・」「留美か・・・」
脇田:「へぇ・・・」「こいつァトンチが・・・」「利いてるねぇ・・・」 File:980
事件の犯人を捕まえたお手柄教師としてニュース記事に載ってしまった若狭先生を見た黒田兵衛と脇田兼則が、「トンチが利いてるねぇ」と反応する。
トンチが利いているとは、ユーモアがある、洒落てるということ。洒落るとは、気のきいた文句。ある文句をもじったり、同音や似た音の言葉に掛けて言ったりする。
黒田が「若狭留美か・・・」と名前を読み上げ、脇田が「トンチが利いてるねぇ」と言っているので、若狭先生の顔が面白かったとかではなく、名前のトリック(アナグラム)に気づいたということ。
これは、まだ黒田兵衛と脇田兼則も一部の人間しか気付いていないダイイングメッセージを知っているということにもなる。17年前から羽田浩司の事件の真相を探っていた赤井秀一ですら、メッセージが残されていたことに気付いたのは現在軸。
また、黒田と脇田がただニュースに名前が載っただけなのにアナグラムに気づけたのは、ダイイングメッセージを気にかけていたからこそなので、前述した「W」と「I」を加えて「U MASCARA」(ASACA RUM)と全く別の意味になるパターンではないこともわかる。(WとIがなくてもアナグラムだと気づける内容でなければならないため。)
羽田浩司の事件を追う人物(組織)
黒の組織 ─
安室:「聞いてましたよ・・・」「ソレが公になる前に探りを入れて・・・必要とあらば潰せばいいんですよね?」
ベルモット:「相手は大物・・・」「接近しにくいなら関係者に変装させてあげるけど?」
コナン:(17年前?)
蘭:「でもそのタイトルって変わってるんだよね?」
沖矢:「変わってるとは?」
園子:「アルファベット表記でネットに発表されたんだけど・・・」「「アサカ」の「カ」の字が・・・」「「KA」じゃなくて「CA」でさー・・・」
沖矢:(KAが・・・)
コナン:(CA・・・)
ASACA RUM
沖矢:(・・・となると・・・)
コナン:(もうすでに!)
沖矢:(奴らの目にも・・・)
コナン:(触れてるってワケか・・・) File:954
梓(ベルモット):「でも結局わからずじまいよね?」「何でアサカのカが「CA」だったのか・・・」 File:957
コナン:(でもわざわざ探りに来たって事は・・・)(やっぱり17年前に羽田浩司が遺した・・・)(「ASACA RUM」って暗号の事が・・・)(黒ずくめの組織の奴らも気になってるって事か・・・) File:958
「ASACA」というタイトルの新曲をリリースする予定だったロックミュージシャンの波土禄道。その曲が17年前に作られたこと、「アサカ」の綴りが「K」ではなく「C」であることから、コナンと沖矢は羽田浩司の残した「ASACA RUM」のダイイングメッセージを連想し、何か関係があるのではないかと疑い調べに行くことに。
一方で、ネットでアップされた新曲の情報は、当然既に黒の組織の目にも触れており、組織はベルモットとバーボンを調査に派遣し、必要があれば潰すよう指示を出していた。
結局、波土禄道は17年前の事件とは無関係であったが、組織がわざわざ動いたということは、コナンの考える通り、ダイイングメッセージが気になっているということ。
ウオッカ:「おっ死んだらしいですぜ・・・」「羽田浩司の事件を探ってた・・・」「堀田凱人・・・」
ジン:「フン・・・」「17年前にラムが抜かった仕事(ころし)なんざ・・・知った事か・・・」 File:953
ジンとウオッカは「おっ死んだらしいですぜ」「知った事か」と、他人事のようにやや温度差があるものの、「17年前にラムが抜かった仕事(ころし)なんざ知った事か」と言っているので、ラムがやらかして、それを気にしているのは確か。
黒田兵衛 ─
白鳥:「お疲れのようですね・・・」
黒田:「色々と悩み事が多くてな・・・」
白鳥:「思いきって休まれてはどうですか?」「どーせ年次休暇も全くとられていないんでしょ?」「近くにいいキャンプ場ができたから・・・」「今度の週末コナン君達も行くらしいですし・・・」
黒田:「ホウ・・・」「あの眠りの小五郎の知恵袋か・・・」
白鳥:「いつもは阿笠博士と行っていたみたいなんですが・・・」「風邪をひいてしまわれて・・・」「今回は小学校の先生が付きそうようで・・・」
黒田:「小学校の先生?」
白鳥:「ホラ、この前殺人犯のプロゴルファーを撃退したとニュースになった・・・」「若狭留美先生ですよ!」
黒田:「・・・・・・」
白鳥:「本当は自分も休暇を取って・・・」「小林先生と参加する予定だったんですが・・・」「どーせデートなら・・・」「2人きりの方がいいんじゃないかと思いまして・・・」「と、とにかくキャンプの資料・・・」「置いて行きますね・・・」「不要なら捨ててしまわれても構いませんから・・・」
黒田:「キャンプか・・・」「柄じゃないよ・・・」 File:987
羽田浩司の事件の記事を見ている黒田兵衛。殴られた跡のある羽田浩司の顔を想像しているが、これはコナンの見ていたネットの記事にはなかった。
通常、遺体が記事に載ることはない。なので、事件後に駆けつけたなどで遺体を直接見たか、事件の捜査資料を見たか、あるいは黒田の回想ではなくてただの漫画として演出か。
いずれにしても、羽田浩司の事件に関わっていることは確かで、羽田浩司の残したダイイングメッセージを知っていてもおかしくはない。そして実際、若狭先生の名前に気づいた。
白鳥警部に息抜きを勧められ、新しく出来たキャンプ場にコナンと若狭先生が行くことを聞いた黒田は、「柄じゃないよ」と言いながらも、この後キャンプ場へ出向くことになる。
若狭:「それでその後・・・」「寝てしまわれたと・・・?」「まさか気になる人物を観察する為に・・・」「業火に包まれる隣のテントを野放しにしたなんて事ありませんよね?」
黒田:「ええ、不覚にも寝入ってしまって・・・」「小学校の先生がついているのなら大事は起きないと高を括っていた面もありますが・・・」
若狭:「私を御存知なんですね?」
黒田:「以前ニュースでね・・・」 File:988
若狭先生が疑った「業火に包まれる隣のテントを野放しにした」のかはともかく、黒田がキャンプ場へ来たのは、決して息抜きではなくて気になる人(若狭留美)を観察するため。
羽田浩司の事件にを気にしていた黒田が、「ASACA RUM」をもじった偽名を使う若狭先生を見て、正体を探りに来ている。
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