考察 【File:978-980】 若狭先生の計画

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若狭先生は事件を想定できたのか?

先述したように、若狭先生が予測していたとしたと判断できるのは以下のような場合。

1.若狭先生が事件(犯人の計画)を未然に予測するだけの十分な情報を持っていたかどうか。これがないと予測できない。

2.予測していたと考えられるような不自然な行動や描写がある。コナンを招いたこと自体は解釈の仕方が複数あるので、もっと具体的なところ。

3.若狭先生がどう予測したのかは読者向けに提示はされないが、若狭先生のモノローグなどで、予測していたことが事実だとわかる描写がある。

3はもう答えなので深く考える必要はないが、今回はなし。後出しでということもありえるが、それはそれ。

次週以降にコナンが「もしかして予測したんじゃ~」という形で提示してくることもあるけれど、その場合でも、キール編のように初期段階ではコナンが誤った疑いをかけてミスリード役になることもあるので何とも。

ということで、今のところは1か2があるのかどうかの判断しかできない。

若狭先生の持っている情報

若狭:「別れ話・・・」「ですよね?」

高木:「えーっと、さっきから気になっていたんですが・・・」「あなたは?」

若狭:「この子達のクラスの副担任をしている若狭留美です・・・」「この方の隣の部屋に住んでいて・・・」「今日は、明日の劇で使う屏風の絵を描くのをこの子達に手伝ってもらってたんですけど・・・」「隣のこの部屋から大音量の音楽が聞こえて来て・・・」「それがなかなか止まなくて・・・」「様子を見に来てみたら玄関のドアが開いていて・・・」「この現場に出くわしたというわけです・・・」

高木:「なるほど・・・」
目暮:「で?「別れ話」というのは?」

若狭:「今朝、学校へ行こうとこの部屋の前を通りかかったらその2人の言い争う声が聞こえて来て・・・」

目暮:「ほう・・・それはどんな?」

若狭:「海外ツアーに彼女は連れて行かないとか・・・」「別れるなら慰謝料払ってとか・・・」「手料理を作るから今度落ち着いて話合おうとか・・・」「作ってくれるならパエリアがいいとか・・・」「これが最後の晩餐になる・・・」「とか・・・」

目暮 高木:「さ、最後の晩餐!?」

若狭:「い、いえ私の聞き間違いだったかも・・・」 File:979

若狭先生は玄関から出るタイミングで、二人の言い争いは聞いていた。「別れるなら慰謝料払って・・・」「「手料理を作るから今度落ち着いて話合おう・・・」「これが最後の晩餐になる・・・」など。

これが若狭先生が聞いた情報の全て。実は、若狭先生は犯人の部屋に盗聴器を仕掛けていて、犯人が独り言で計画を呟いていたり、予行練習をしていたなんて後出しがあれば、それでもう「何もかも知っていた」で済んでしまうのだけれど、現時点で読者にはそうした情報は提示されていないので考えない。

ヒントになりそうな情報は言い争いをしていたことと、女の去り際に犯人が「最後の晩餐」と言ったこと。

ただ、これで「男が女を殺害する」と決め付けるには弱すぎる。これだけで予測ができるのであれば、この会話を聞いたことを話したら「知ってて放置した」と自分が責められてしまう。しかしh、そんなことは言われていない。

それに、犯人は「今夜6時半頃」とは言っているものの、若狭先生が覚えているのは「手料理を作るから今度落ち着いて話合おうとか」と、日時は認識していない。まぁ若狭先生の証言はどこまで信用できるかわからないのでこれは不確か。

ポイントは、仮に犯人が女を殺害する計画を立てたとしても、自分がアリバイの証人に仕立てられるかどうかはわからないこと。もしかしたら、というか、シンプルなのは殺した後に車で山にでも運んで捨ててしまうこと。まぁそれでは漫画にならないのだけれど(笑)

コナンの推理を観察するには自分たちが事件に巻き込まれる必要があるのだけれど、それは事件の予測だけでなくて、トリックの予測までできていなければならない。しかし、若狭先生にはそれを予測するだけの情報はない。

「あの女、今日殺されるわね!二人は喧嘩してたし、女は1億円も慰謝料要求してる。男は「最後の晩餐」と言ってたし、あれは間違いなく殺すって意味だわ!そして、隣人の私をアリバイの証人にするつもりだわ!だから、今日江戸川コナン君を部屋に読んでおけば、私たちが事件の発見者となるので、推理ショーが観察できるわ。これからコンビニ言って買出しに行かなきゃ!」

ギャグのようだけど、若狭先生の予測というのはこういうフローになるわけで、さすがに飛躍しすぎ。

もし「何となくそんな気がした」という直感だけだったのなら、そんな曖昧な予測で計画を立てるのはずさんすぎるし、一方で探偵団を呼ぶために買出しをしたりという入念な準備をしているということは、もし計画的であるのあなら確信に近い予測であったことになる。

NY編のシャロンのように、直感という名の確実な予測もあるが、その場合は後処理が困る。灰原のように、組織の気配を第六感で嗅ぎ分けられるというのは特殊設定であって、サブキャラに事件予測なんて超能力持たせたら、完全犯罪可能。

シャロンの場合はそれ以上能力について掘り下げることはしていないし(異能力漫画になってしまうので)、元々組織の人物なんで、それなりのオチがあるはず。

例えば、若狭先生が組織のメンバーであれば、コナンが「先生気づいてたでしょ」と問い詰め、「よく見抜いたわね!」と認めさせて、キュラソーエンドにでもすればいい。

そうでなければ、直感で当てたなんてのは証拠にならない。しらを切ったらそれで終わり。かといって、組織のメンバーでもないのに「予測してたので利用させてもらったわ!」なんて言われても、その後困る(笑)結局、終着点がない。

この辺はスルーせずに物語で後々触れなければいけないので、事件予測なんてのは、もっと入念な伏線や動機などの設定が必要で、簡単なことではない。改心するまでのゴールからストーリーを逆算してなければならない。

シャロンは過去の何らかの哀しい出来事が彼女の人格形成に影響を与え、殺人事件が起きることを予測しながらもスルーした。「理由がなければ人が人を助ける必要なんてない」と考えていたから。それが、新一と蘭に助けられ、「人が人を助けるのに理由なんていらない」という言葉に胸を貫かれ、以後二人を宝のように大事にするようになる。

果たして、若狭先生でそこまでの掘り下げがあるのか、というところ。「嫌な予感はしたんだけど、まさかこんなことに・・・」程度ならさらっと流す程度でありかもしれないけれど、その場合は「事件を利用して~」とは事情が違ってくる。

それから、若狭先生がレシートをわざとコナンに発見させた。コナンに協力者になってほしいと考えているのであれば、故意に殺人事件を利用したなんてことがバレれたら信頼を得られずに協力を断られるかもしれないし、そのくらい感づく頭脳の持ち主であることはわかるはず。組織側であれば、コナンを警戒させるようなことをするメリットがない。

伏線はあるのか?

コナン:「ホラ!普通「顔に何か付いてる」って言われたら思わず触って確かめちゃうよね!」「元太もそうだったよな?」

元太:「ああ・・・どんな色の何がどれくらい付いてるのか気になるからよ・・・」

コナン:「でもお兄さんはそれをあえてしなかった・・・」「水性ペンの文字が指で触って崩れないように・・・」 File:980

例えば、上記のように、事件の予測をしていなければ取らないような不自然な行動や会話があれば、どうやって事件が起きることを予測したかはわからなくても、「何らかの方法で予測はしていたのではないか」と疑うことはできる。というか、もしわざわざ意味深な描写を入れたのならそういうこと。

ただ、今回は見当たらない。気づいていないだけかもしれないが…

若狭先生が事件の予測をしたという具体的な根拠は一切ないのだけれど、脇田の事件に続けて連続で同じように疑いがかかるような話が来たのはおそらく意図的。でも、全員が事件の先読みしてたら、その後の話どうオチ付けるんだよってことになるので、まぁ「そういうパターンもありえる」、と示唆してきた可能性はあり。

コナンが疑う

コナン:(若狭留美先生・・・)(帝丹小学校1年B組副担任・・・)(先日、たまたま先生のマンションにオレ達が呼ばれ・・・)(偶然隣人の殺人事件に出くわしたと思ったけど・・・)(あの時、先生の部屋で見つけたその日の朝のコンビニのレシートには・・・)(オレ達分の皿やマグカップまで買い足してあった・・・)(つまりあの朝、隣人が殺人を犯す事を察知し・・・)(オレ達をそれに遭遇させる為に・・・)(わざと屏風を汚しその描き直しを手伝わせる理由で部屋に招いたんだ・・・)(いや、オレ達じゃない・・・)(狙いはオレか!?)

(そもそも、古い倉庫で見つかった白骨死体の事件の時も・・・)(何年も開けられていないはずの地下への扉のサビがはがれた跡が真新しかった・・・)(アレも先生があらかじめ白骨死体を見つけた上で・・・)(オレを事件にかかわらせるように仕向けたとしたら・・・)(まさかこのキャンプも・・・) File:987

予測通りというか、まずコナンが若狭先生が「事件が起きることを予測していたのは」ということを疑う。しかし、これまでに説明したように、若狭先生には事件を予測できるだけの情報はなく、予想していたとわかる、読者向けの根拠もない。

まず、コンビニのレシートに人数分の皿やカップが買い足してあったことから、探偵団を招くつもりだったのは事実。そして、白骨遺体の件も、「サビがはがれた跡が真新しかった」のは確かな証拠であり、事前に誰かが入ったとなればもう若狭先生と断定して良いはず。

白骨遺体の件で、若狭先生がコナンを事件にかかわらせたこと。そして、レシートの件から、最初から家に招く予定だったこと。これらを総合して、隣人の殺人事件を察知した上で自分たちを招いたのではないかと考えている。

ただ、「最初から自分たちを招く予定だった」⇒「だから事件を予測していた」とは論理的にならない。

また、コナンは「まさかこのキャンプも」と考えるが、キャンプ場で事件は起きるものの、その事件は犯人と被害者の人間関係が動機となったものであり、トリックも犯人が考え、自分たちが持ち込んだもので行っており、若狭先生は関与していない。バスケ部員たちに出会ったのも偶然の出来事。

コナンは、若狭先生が自分の考えるような人物であったのなら、今回も同じように仕組まれているかもしれないと考えたのが、確かに事件は起きたがそれは偶然であったのだから、コナンの予測は外れたことになる。

このキャンプ場でも若狭先生はコナンを観察するために同行したかもしれないが、レシートの件でコナンを観察する目的で招いたことが、後に起きる事件を予測した上でのことかというと、今回と同じなら偶然でしかないので、根拠にならないということ。

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更新日:2017-11-15
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