脇田兼則の考察

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脇田の弟子入り過程が安室と同じ手法なのだけれど、脇田の場合は安室と違ってわざと推理ミスをしているとわかる簡単な描写ではないので、もう少し行間を読む必要がある。

脇田の推理力

論理的思考

脇田:「しかしお客さんも物好きだねぇ・・・」「パイレーツスピリットなんて駄馬に・・・」「大金をぶっ込むなんてよォ!」

小五郎:「え?」「な、何でそれを?」「まさか拾った所を見てたのか!?」

脇田:「拾った?何の事ですかい?」「アッシはただ推理をしただけでさぁ!」「隣に住んでる毛利小五郎は大の競馬好きで・・・」「この店には競馬で当てた時にしか来ねぇってウチの大将が言ってやしたし・・・」「しかも、いつもは「並」か「上」しか注文しねぇって聞いてたのに今日は「特上」とくりゃ・・・」「大穴を当てたとしか思えねぇ・・・」「今日出た万馬券はパイレーツスピリットのみだとラジオで言ってたから・・・」「そうじゃねぇかと思ったんでさァ!」「どうです?眠りの小五郎さん!アッシの推理!!」

小五郎:「まあまあだな・・・」 File:975

小五郎がパイレーツスピリットに賭け、大穴を当てていろは寿司にやっきてたことを推理。小五郎に意図的に馬券を拾わせたのでなければ、小五郎の言う通り、まあまあの論理的思考力は持っている。

原島:「み、見逃せないTVドラマがあってよォ・・・」「早く帰って観たいんだよ!」

脇田:「ホォ──TVドラマですか・・・」「スポーツ中継を生で観たいってんならわかりやすが・・・」「今時、そんなに夢中なTVドラマなら録画予約してるんじゃないんですかい?」「寿司屋で気軽に「上」を注文する羽振りのいい兄さんが・・・DVDやBDレコーダーを持ってないたァ思えやせんしねぇ・・・」

原島:「あ、ああ・・・録画予約してるよ!」 File:976

容疑者が適当なめんどうに巻き込まれたくないので適当な言い訳をして帰ろうとした際にも、それが嘘であることを論破。

脇田の推理

脇田:「板前をやってるとねぇ・・・」「色々な料理の知識が勝手に入って来やしてね・・・」「お嬢ちゃん・・・豚肉の生姜焼きに何で生姜を入れるか知ってるかい?」

蘭:「お・・・」「美味しくなるからなんじゃ・・・」

脇田:「それだけじゃねぇよ!生姜にはタンパク質を分解する力があってよォ・・・」「そいつのせいで肉が柔らかくなるから入れてんのさ・・・」「そのたんぱく質は血にも入っててよ・・・服に付いた血の汚れがなかなか落ちねぇのはタンパク質が繊維にこびりついてるからなんだが・・・」「その血の汚れに生姜の絞り汁を垂らして洗濯すりゃきれいに落ちるって寸法でさぁ!」

蘭:「へぇー今度やってみよ・・・」

小五郎:「おい・・・じゃあまさか・・・」

脇田:「ええ!生姜を甘酢に漬けて薄切りにした物をガリって言いやすからから・・・」「ガリを山ほど持って来させてたお兄さん・・・」「アンタが犯人だって事になりやすねぇ!」「便所に行った時に懐に忍ばせてたポーチを便所の中に隠すついでに・・・」「袖口に付いた血の汚れにガリの汁を垂らして血を消したんじゃないんですかい?」 File:977

脇田は板前をやっていると色々な料理の知識が勝手に入って来ると言う。生姜にはタンパク質を分解する力があり、それを使えば血を消せるという豆知識を持っている。

原島:「ちょっと待てよ!」「俺はマジでスリなんかじゃねぇって!!」

脇田:「オウオウオウ!しらばっくれてんじゃねぇ!!」「アンタ言ってたよな?観てぇTVドラマがあるから、早く帰りてぇって・・・」

原島:「あ。ああ・・・」

脇田:「あんたがそう言ったのは競馬中継が終わって1時間ぐれぇたった後だから午後5時頃・・・」「ここまで歩いて来たんなら家に着くまで30分もかからねぇはず・・・」「その時間、TVでやってんのはアニメか子供番組だけですぜ?」

原島:「だ、だからその子供番組・・・」「仮面ヤイバーを観たかったんだよ!!」「今日敵のボスの側近って奴が出る回だったからよ!!」

脇田:「む、夢中なんですかい?」「その仮面なんちゃらってヤツに・・・」

原島:「ああ!悪いかよ!?」「それに、細かい理屈は知らねぇけど・・・」「ガリの絞り汁なんて垂らしたらガリの色が付いちまうだろーが!」「その後洗濯するんならその色も落ちるだろーけどよ・・・」

脇田:「た、確かに・・・」 File:977

家に着くまで30分足らずなら、その時間にやっているのはアニメだけというのは正しいが、容疑者はそのアニメが見たかったと言う。そして、ガリの汁では血は落とせても色が付いてしまうためごまかせない。脇田の推理は現実的ではない。

小五郎:「確かに生姜にはタンパク質を分解するプロテアーゼっていう酵素が含まれているが・・・」「そいつを含んでいるのは生姜だけじゃない・・・」「大根にも入ってんだ!!」「そいつをすりおろした物をハンカチに包んで血の汚れの表や裏から軽く叩き・・・」「血の汚れにティッシュでもあてておけばそいつに血がうつる・・・」「それを3,4回繰り返せば血の汚れはきれいに消えるってわけだ!」「ガリと違って色も付かねぇし・・・」「その作業をトイレの中でやってたんだよな?」「おい?」「大根おろしが薬味に付いてるサンマの塩焼きを注文した・・・」「アンタに聞いてんだよ!!」 File:977

タンパク質を分解するプロテアーゼが入っているのは生姜だけでなく、大根にも入っている。それを使えば、血の汚れはきれいに消せることができる。

小五郎に推理を修正されるが、これも結局生姜と同じで料理の知識に過ぎず、「板前をやっていると色々な料理の知識が勝手に入って来る」脇田は知っていた可能性がある。

脇田:「でも、ただ単に品書きでサンマを見て食いたくなったかもしれやせんぜ?サンマの塩焼きなんて滅多に寿司屋にはありやせんし・・・」 File:977

小五郎の推理に対して突っ込み。

小五郎:「いや、その人は、注文の時「今日もあります?」と聞いていた・・・」「前に来て、あるのを知っていた証拠だよ・・・」「それに、スったポーチをこんな所まで持って来てトイレに隠すなんてプロじゃなくて素人だ・・・」「ポーチに入ってた携帯のGPSを辿ってスられた被害者がここまで追って来るとは夢にも思っちゃいねぇ・・・」「なのに何で袖口に付いた血を寿司屋に入ってまで消そうとしたか・・・」「自宅に戻ってそのシャツを脱ぐか捨てるかすれば済む事なのに・・・」

脇田:「な、何でですかい?」

小五郎:「この後、袖口に血が付いていればマズイ用事があったから・・・」 File:977

自宅に戻ってシャツを脱ぐか捨てるかすれば済む事なのに、わざわざ寿司屋に入ってまで消そうとした理由は、この後、袖口に血が付いていればマズイ用事があったから。

前述したように、脇田の論理的思考力はなかなかのもので、これまでのケースから言えば「自宅に戻れば済む事」⇒「この後、袖口に血が付いていればマズイ用事がある」と、普通に考えればたどり着くはず。

宗近の妻:<だったら米花センタービルの「アルセーヌ」で待ってるからって伝えてくださる?> File:976

犯人がこの後米花センタービルの「アルセーヌ」で食事をすることは、脇田が電話で宗近の奥さんから聞いている。

ここも、小五郎の推理に突っ込んだり疑問を持ったりする事で、自分が小五郎よりも下であることを印象付けようとしていると考えられる。そうすることで、自然な形で弟子入りを志願することができる。

・色々な料理の知識が勝手に入って来るので、生姜がたんぱく質を分解することを知っている
⇒大根おろしも同じ効果を持つという知識も、料理の知識に過ぎない。

・自宅へ戻らずに寿司屋へ来る必要があったのは、その後用があったから
⇒万馬券や録画の件と難易度は変わらない。犯人のこの後の予定は脇田が直接聞いている。

・不自然なほど気前がいい
⇒安室がお金は払うと弟子入りした方法と同じ。というか、自分が推理ミスをして~というところから、全般的にやり方が同じ。

・小五郎が推理できなかったことに驚かず、後出ししてきたことに驚いた
⇒小五郎がへっぽこであることに見当を付けていた可能性があり、弟子入りの目的となりうる。

世間では名探偵と呼ばれる小五郎。安室でさえ、最初は小五郎を名探偵だと思っていて、わざと自分を試しているのかもしれないと考えていた。

「店のお隣さんって聞いてから会いたくてしょうがなかった」と小五郎との出会いを待ち望んでいたはずの脇田であるが、小五郎が「何が何だかさっぱり・・・」と言っただけで、「眠りの小五郎もてェした事ねぇな・・・」と、自分の方が上とバッサリ。

それでいて、自分が本気の推理ミスをして、小五郎の推理が的中したのを見ての弟子入りでは、人情家のように見えて、かなり失礼なただのお調子者。はっきり言って関わりたくない男(笑)

そうではなくて、眠りの小五郎=へっぽこの予測を立てて様子を見ようとしていたのではないかと。つまり、推理ミスも計算のうち。

とまぁ、あえて推理ミスをしたと考えられる根拠はたくさんある。

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更新日:2017-1-22
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