灰原の作らされていた薬【本当に作らされていたのは別の薬】

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灰原はどんな薬を作らされていたのか

ここまでの前提を条件にすると

90巻近くなって突然新薬の存在が明らかになった。しかし、それ以上の説明はなにもない。

⇒ちゃんと伏線がある可能性があり、効果も今までの伏線を無にするものではなくて、あくまで足りない要素をサポートするものではないか?

⇒今まで灰原が語った薬に関すると考えられ意味深な台詞やモノローグは、両親の作った薬の資料を見て復元しただけにすぎないAPTX4869のことではなくて、「本当に作らされていた薬」についての可能性は?

── というのが先述した内容。そして、「夕日に染まった雛人形」「競技場無差別脅迫事件」この二つを灰原の作らされている薬のヒントと考えた場合はどうなるか。

灰原:「まあ安心しなさい・・・私の研究の目的はそんな夢のような薬じゃないわ・・・」「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい・・・」「そう・・・この小さな国の女の子にしか必要とされない・・・」「雛人形のような物だもの・・・」 File:384

灰原の研究は、「死者を蘇らせる秘薬」に例えられるような、一般的に誰もが欲しがるような「夢のような薬」ではない。もちろん、「安心しなさい」なので、APTX4869のように証拠の残らない毒薬として完全犯罪に利用可能なシロモノでもない。

「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい」「小さな国の女の子にしか必要とされない雛人形」のような薬。だから、灰原は研究を拒否しなかった。ただ、これだけの情報だけでは、具体的にどんな薬なのかまではわからない。

灰原:「あせっちゃダメ・・・」

コナン:「え?」

灰原:「時の流れに人は逆らえないもの・・・」「それを無理矢理ねじ曲げようとすれば・・・」「人は罰を受ける・・・」 File:191

「時の流れに人は逆らえない」というのは、組織の研究している薬の内容を意味したとすれば、成長・老化から逆行し幼少期まで後退化するAPTX4869そのまま。それを、研究者である灰原が最終的には何らかのペナルティを受けると警告したように受け取れる。

しかし、APTX4869ではなくて、新薬についての戒めだと解釈すると、灰原の作らされている薬もまた「時の流れに逆らう」ものだと考えられる。

でも、時を遡るための薬はAPTX4869が既にある。だからそれと別の意味で時を操る薬。となれば、シンプルに考えれば、成長促進・老化のほう。

流れに逆らうというのは、文字通り「逆」を進むことなので、成長・老化の逆である後退化・若返りを意味するのだけれど、本来人間にプログラムされた緩やかな成長・老化を無視して急激に促進させるのであれば、それも流れに逆らうという意味にも捉えることができるだろうか。

灰原の「あせっちゃダメ」という台詞にも意味があり、後退化・若返りは焦るものではないが、成長・老化は該当することがある。灰原の台詞は、「時の流れに人は逆らえないから焦るな」ときちんと繋がっていると考えることもできるかもしれない。

新薬を成長・老化と仮定すると、「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい」というのは間違っていない。大抵の人は若返りたいと思うことはあっても、年を取りたいと思うことはない。早く老化して早く死にたいなんて願望は、限られた、大事な生命を与えられた人間の考えとしては愚かしいこと。

一方で、「早く大人になりたい」と思うことはある。早くきれいなお姉さんになりたいなとか。まさに、雛人形のような「小さな国の女の子」の願望に当てはまる。

灰原の研究が組織の目的を達成するサポートするものだとすれば、一体なにを補足するのかというと、もちろん、APTX4869で後退化した人間を再び成長させることができるようになるということ。

APTX4869を飲んだ人間がそのままの状態で普通の成長・老化がするのか。これについてはまだ原作では明らかにされていない。

詳しい考察は↓
APTX4869で幼児化した人間は成長するのか

どちらかというと成長・老化しないと考えられる根拠のほうが多く、ただ、幼児化してそのまま維持されるような薬を作ったところで一体何がしたいのか?という部分まで考えると、最終的には成長させたほうが使い道は色々あるのではないかというところ。

組織の目的については↓
黒の組織の目的

やはりキーになるのはAPTX4869の本来の効果で、そのままの状態で成長・老化できるのであれば、灰原の作らされた薬はまたそれとは別のものだと考えられるのだけれど、まあ「急速な成長」という可能性はまだ残るかもしれない。

あるいは、組織の目的が幼児化から成長しないほうが都合の良い特異なものであるのなら、灰原の研究目的もまた別のものと考えられる。その場合「じゃあどんな薬?」となると、現時点でそれをするのは非常に難しいことになりそうだけれど…

その他の裏づけ

リアリティが必要 ─

名探偵コナンは人が幼児化するという部分はファンタジーだけれど、「こうすれば人が幼児化しうる」という理論のところはちゃんと作りこまれている。

青山:あの毒薬・APTX4869はね、医者の弟と細かく設定を考えたので、デタラメじゃないんですよ。あの作用を持つ薬があれば、本当に小さくなるんです。(ダ・ヴィンチ【2014年 05月号】)

この点については、作者が過去に言及。これは日常編においても瞬間移動など唐突にできもしないことをトリックにすることがないように、組織編においても突然非現実的な魔法ををありにしてしまうと、現実世界をベースにした漫画の世界観が崩れてしまうからかもしれない。ただ、必ずしも実現可能である必要はなく、ミステリーなので定義、ルール付けが必要ということ。

灰原:「いーい工藤君よーく聞いて・・・」「私達の体を幼児化したAPTX4869のアポとはアポトーシス・・・つまりプログラム細胞死の事・・・」

「そう・・・細胞は自らを殺す機構を持っていて、それを抑制するシグナルによって生存してるってわけ・・・」

コナン:「おい灰原なに言ってんだ?」

灰原:<ただ、この薬はアポトーシスを誘導するだけじゃなく、テロメアーゼ活性も持っていて細胞の増殖能力を高める・・・>  File:241

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だから、実現の可能性はともかく、APTX4869においても薬がどのように作用するか、読者にはちゃんと論理的な説明がされている。

灰原が作らされている薬と言うのは、現在世界でも実用化されていない薬と考えられる。しているのであれば、それを使えばいいだけだから。しかし、世にない薬を出すからには、その薬がどのように作用するのか、具体的な説明が必要になる。

例えば、APTX4869が特定の血液型にしか効かない薬だとして、灰原は誰でもAPTX4869が使えるように自由自在に血液型を変えられる薬を開発していたとする。その場合、「血液型を好みに変化させる薬を開発している」だけでは不十分で、どのように作用すれば血液型を変えることができるのかを説明しなければならない。

説明なしでいいのなら、「飲んだら人を数百キロ先まで人を物理転移させる薬を開発している」。「組織はそれで何をしたいのでしょう?」と何でもありになってしまうし、それはもうただのSF。

APTX4869のように、〇〇が含まれていて〇〇に作用する~とこれから説明が出てきて、じゃあ灰原の作っていた薬はあんな効果になりそう、APTX4869と合わせるとこうなりそうで、それを使ったらあんなことができそうだ─── と進んでいくのかもしれないけれど、そこまで行ったらほぼ答え合わせ。

ただ、灰原の作らされていた薬=成長促進・老化だと仮定すると、既に作中に多少の説明は出ている。というのも、灰原の作っている解毒剤と原理は同じだから。

灰原:<でも驚いたわ・・・あの白乾児ってお酒、細胞の増殖速度を速めるエンハンサーの要素でも含まれているのかしら?> File:241

これで全てではないけれど、白乾児により、幼児化した人間の「細胞の増殖速度を速める」ことで幼児化した人間を大人の姿に戻している。まぁ、実際に白乾児にエンハンサーの要素が含まれているわけではなく、これは漫画上の定義だし、まだ灰原の推測段階ではあるけれど。

伏線の時期 ─

「時の流れに人は逆らえないもの・・・」という伏線が出てきたのは20巻の「競技場無差別脅迫事件」での出来事。また、同じ話では19巻で「我々組織が半世紀前から進めていた極秘プロジェクトに深く関わってしまっている・・・」という伏線がある。

灰原の初登場が18巻の「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」であり、その次の登場の話。この時既に灰原がAPTX4869とは別の薬について語っていたかというと、ちょっと怪しいところはある。

灰原が別の薬を作らされていたと考えられる伏線は38巻の「夕日に染まった雛人形」まで進まないと見当たらないし、89巻まででもそれが唯一。20巻の時点ではまだどのくらい連載が続くのかわからなかったとも考えられ、もしかしたら、「灰原の作らされていた薬」は登場しないで終わっていたかもしれない。

ということは、元々APTX4869に備わっていた効果の一つを別の薬に分離させただけという可能性もあるということ。その考えだと、幼児化までがAPTX4869で行えるのなら、続きはとなると成長ではないかと推測することもできる。

19巻の「極秘プロジェクトに深く関わってしまっている」というのは、コナンがAPTX4869を飲んで幼児化してしまっていることが前提と考えられ、そのすぐ後の「時の流れに人は逆らえないもの」が灰原の研究を語ったのだとすると、少し不自然ではある。APTX4869も時の流れに逆らうものだから。

なので、「組織が半世紀前から進めていた極秘プロジェクト」というのがそもそもAPTX4869で幼児化し、その後灰原の薬で成長することが一つのプロジェクトとも解釈可能。それならば、灰原の「時の流れに~」はどちらかの薬を指して言ったわけではなく、両方を意味していると考えられる。

ミステリートレイン ─

灰原:(ごめんお母さん・・・)(私・・・わかってなかった・・・)(こんな薬・・・)(作っちゃいけなかったって・・・)(でも・・・みんなを巻き添えにしない為に・・・)(今はこの薬に頼るしか・・・) File:821

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灰原は解毒剤を握り締めて「私わかってなかった」「こんな薬作っちゃいけなかった」と言っている。これは後に説明する内容以外にも解釈ができるのだけれど、灰原の作らされていた薬≒解毒剤とすれば、「こんな薬作っちゃいけなかった」は組織に命じられた薬ということにもなる。

灰原は組織に命じられるままに薬を作っていたのだけれど、それは「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしいもの」と認識していたからとも考えられる。恐らく、その危険性を理解していれば、灰原は研究を拒否していたから。

それが、エレーナのテープを聴いて、両親はAPTX4869を怖ろしい薬であることと認識しながら作ったことを知る。灰原は焼け残った資料からAPTX4869を復元した時はただの人を幼児化させる薬で社会的な脅威はないと考えていたのを、自分が開発させられている薬と合わせることにより、夢のような薬になることを理解した。だから、「わかってなかった」組織の命令に従って薬の開発をしてはいけなかったんだと後悔したとか。

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更新日:2018-3-25
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