組織の開発している薬「APTX4869」の仕組みと効果

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APTX4869の効果

毒薬ではない

コナン:「ふ・・・」「ふざけんな!!!」「人間を殺す毒を作ってた奴をどう理解しろってんだ!?」

博士:「お、おい新一君・・・」

コナン:「わかってんのか、てめー!!」「おまえが作った毒薬のせいで、いったい何人の人間が・・・」

灰原:「仕方ないじゃない・・・」「毒なんて・・・」「作ってるつもり・・・」「なかったもの・・・」

コナン:「なんだと・・・」 File:179

組織は「死体から毒が検出されない薬」としてAPTX4869を使用していたが、灰原は「毒なんて作ってるつもりなかった」と言っている。

コナンや博士は組織の目的を知らなかったので、毒薬として作られたAPTX4869の副作用でイレギュラーな効果が出て幼児化したと考えているが、実際はその逆。証拠が出ない毒薬のほうが、研究から期待された目的ではない効果であり、組織はそれを悪用しただけ。

灰原は自分の姉が殺されたことが大きいが、試作段階であったその薬を勝手に人殺しに使った組織に嫌気が差したことを理由に研究をボイコット。現時点ではほぼ毒薬とし作用する薬を自殺するつもり飲み、新一同様に偶然幼児化したために助かった。

本来の期待された効果

灰原:「あなたといっしょよ・・・」「私も飲んだのよ・・・」「細胞の自己破壊プログラムの偶発的な作用で、神経組織を除いた骨格・筋肉・内臓・体毛・・・それらのすべての細胞が幼児期の頃まで後退化する・・・」「神秘的な毒薬をね・・・」 File:179

「細胞の自己破壊プログラムの偶発的な作用で、神経組織を除いた骨格・筋肉・内臓・体毛 それらのすべての細胞が幼児期の頃まで後退化する」これは幼児化の説明そのもの。

初期の頃は「組織は毒薬を作っていたが偶然幼児化する効果を生み出した」。灰原はその偶然を語っただけ── とも解釈できた。

灰原:「いーい工藤君よーく聞いて・・・」「私達の体を幼児化したAPTX4869のアポとはアポトーシス・・・つまりプログラム細胞死の事・・・」

「そう・・・細胞は自らを殺す機構を持っていて、それを抑制するシグナルによって生存してるってわけ・・・」

コナン:「おい灰原なに言ってんだ?」

灰原:<ただ、この薬はアポトーシスを誘導するだけじゃなく、テロメアーゼ活性も持っていて細胞の増殖能力を高める・・・>  File:241

もはや自分の命は助からないと覚悟を決めた灰原は、コナンにAPTX4869の仕組みを教える。これも、初期の頃は漫画として適当にそれっぽい成分を並べただけのようにも思われたかもしれないが、きちんと意味を持っている。どちらも現実にある用語。

序盤の「細胞は自らを殺す機構を持っていて、それを抑制するシグナルによって生存してる~」はアポトーシス誘導についての説明。

ちなみに、「アポトキシン」のアポはアポトーシスだけれど、トキシンは「toxin」毒薬をもじったもの。前述したように、毒薬はストレートな意味での人を殺すためのものではない。

ポイントは「アポトーシス誘導」と「テロメアーゼ活性」の2つ。APTX4869の効果はこの二つの要素からなる。

ではこの二つから「毒薬」ではないどんな効果が期待できるのかというと、それは幼児化だったりする。

青山:あの毒薬・APTX4869はね、医者の弟と細かく設定を考えたので、デタラメじゃないんですよ。あの作用を持つ薬があれば、本当に小さくなるんです。 (ダ・ヴィンチ【2014年 05月号】)

その件について、作者もインタビューで言及したことがある。

ピスコ:「君はまだ赤ん坊だったから覚えちゃいないだろうが、科学者だった君のご両親と私はとても親しくてね・・・」「開発中の薬の事はよく聞かされていたんだよ・・・」

「でもまさかここまで君が進めていたとは・・・」「事故死したご両親もさぞかしお喜びだろう・・・」 File:242

pisco_haibara_f242

「開発中の薬の事はよく聞かされていた」ピスコが、幼児化している灰原を見て不思議に思うことなく、「ここまで進めていた」と言っていることから、幼児化は薬の効果から想定できるものであるとわかる。

本来の目的と関係ない効果が(毒薬と想定したが偶然幼児化してしまった)出たわけではない。

18巻で灰原が「神秘的な毒薬」と言ったのは、自分たちが幼児化したものだから、その想定外の効果を揶揄して語ったのではなくて、元々のAPTX4869の目指す効果を語っていた。

APTX4869の具体的な理論

アポトーシス誘導 ─

「私達の体を幼児化したAPTX4869のアポとはアポトーシス つまりプログラム細胞死の事」

「細胞は自らを殺す機構を持っていて、それを抑制するシグナルによって生存してるってわけ」

灰原も説明しているが、アポトーシスはプログラム細胞死を意味する。用語を調べてみると─

「細胞内部で遺伝子によりあらかじめ決められたプログラムに従ってもたらされる死」

などの説明が出てくるが、よく使われる具体例で考えたほうが早い。

「オタマジャクシには尾があるが、カエルになるときにはオタマジャクシの尾は不要になり失われる。」

「オタマジャクシの尾」のように、個体発生の初期に体が形作られていく過程で、不必要な部分が失われる。この「不必要な部分が失われる」のがプログラム細胞死(アポトーシス)によって行われている。(諸説あるが、一般的な見解で考える。)当たり前だが、尾が物理転移して消えてしまうわけではない。

だから、例えば人間にはサルのように尻尾はないが、もしあったと仮定。それで、アポトーシスを故意に誘導させることにより、その尻尾を消してしまおうみたいなことができるということ。(実際できるかどうかはともかく、そう説明されればそれで理論は成り立つ。)

APTX4869ではその「アポトーシス誘導」が行われている。では、具体的にどう使われているかというと──

「細胞の自己破壊プログラムの偶発的な作用で、神経組織を除いた骨格・筋肉・内臓・体毛 それらのすべての細胞が幼児期の頃まで後退化する」

初登場の時の灰原の台詞。「自己破壊プログラムの偶発的な作用で、神経組織を除いた骨格・筋肉・内臓・体毛 それらのすべての細胞が幼児期の頃まで後退化する」。

要は、アポトーシスを誘導させて体を幼児化させているということ。アポトーシス(プログラム細胞死)によっておたまじゃくしの尾が無くなるように、アポトーシス誘導(プログラム細胞死を意図的に引き起こす)によって、「神経組織を除いた骨格・筋肉・内臓・体毛」を幼児期まで後退化させる。これによって体が縮むのがAPTX4869の一つの効果。

幼児化は物理的に小さくなってしまうわけだけれど、「骨とか筋肉とかどこに消えちゃうの?」という疑問に対して、おたまじゃくしの尾と同じようにアポトーシスで消えちゃうと考えればいい。幼児化時に骨が溶けるように熱くなるのは、実際ものすごいエネルギーで骨格が変わってるからだと考えられる。

テロメアーゼ活性 ─

この薬はアポトーシスを誘導するだけじゃなく、テロメアーゼ活性も持っていて細胞の増殖能力を高める

灰原はAPTX4869はアポトーシスを誘導するだけではなく、「テロメアーゼ活性も持っていて細胞の増殖能力を高める」と言っている。体が縮むことにに加えてもう一つの効果があるとうこと。

これも調べればすぐに出てくる用語。要は「アンチエイジング(老化を防ぐ)」に関連することで、現実にも研究されている分野。

人間の細胞は分裂を繰り返しており、古くなった細胞にはアポトーシスが誘導される。しかし、細胞分裂には限界があり、一定数に達すると細胞が分裂を止めて新しい細胞ができなくなる。これが老化であるが、「活性」させることで細胞分裂寿命の延長をさせる。つまり、老化を防ぐ(不老に関係する)とわかればいい。これを突き詰めれば若返りに至るだろうか。

コナンや灰原は17,18歳だったので体だけが幼児化しても疑問は生じなかったが、もし80歳のおばあちゃんだった場合、アポトーシス誘導だけでは体が縮むだけで顔はしわくちゃのまま。それを、若返りによって見た目も年齢相応にするのがテロメアーゼ活性の目的だと考えられる。

⇒世良の母の幼児化(後退化)がほば確定となったが、背丈だけが縮んだのではなく見た目も年齢相応に若返っているのは、きちんとテロメアーゼ活性が行われているからと考えられる。

上記のことを踏まえると、APTX4869による「体が縮む」効果は、偶発的なものではなくて意図されたものであることがわかる。不老や若返りの薬とも言われていたが、単純な不老や若返りのみであればテロメアーゼ活性の研究だけで良い。

コナンが17歳で7歳程度、灰原が18歳で7歳程度になってしまったことから、よくAPTX4869は10歳程度若返る薬なのでは?とも言われるが、テロメアーゼ活性だけでは体の縮小はしない。

単なる若返りや不老ではなくて、子供の姿になることは薬の効果として想定されたもののようである。

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更新日:2018-3-27
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