スコッチの過去編

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File:956(裏切りの矛先)

赤井:(無理だ・・・)(不可能だよ・・・)(諦めろスコッチ・・・)

安室:「・・・・・・・・・」(あの時、アイツの右手は血まみれだったのに・・・)(親指の先と手の甲には血が付いてなかった・・・)(つまりアイツが自分で引き金に親指をかけ・・・)(自分を撃ったという事・・・)(アイツに自分の拳銃を渡し・・・そうさせたのは赤井秀一・・・)

赤井:(気味が悪いぜ・・・)

安室:(あれ程の男なら自決させない道をいくらでも選択出来ただろうに・・・) File:956

安室はスコッチが自決であることを見抜いていた。理由は右手は血まみれだったのに、「親指の先と手の甲」には血が付いてなかったから。手のひらではなくて手の甲なのだけれど、これ以前の描写でスコッチの手の甲は確認できない。安室は自分でスコッチの手をひっくり返して、手の甲を確認している。

また、安室はスコッチが自分で引き金を引いたことはわかっていたが、それをさせたのは赤井だと思っている。なぜなら、赤井ほどの男ならスコッチを逃がすことなど簡単なはずなのに、スコッチは自殺してしまった。ということは、赤井が”あえて”そうしたとしか考えられないから。

また、スコッチは拳銃を持っておらず、赤井だけが持っていたようで、赤井が拳銃をスコッチに渡さなければスコッチの自殺はありえない状況であった。ちなみに、「アイツ」という呼び方からも、安室とスコッチは親しいOR安室のほうが年上?ということがわかる。

故意にスコッチに自殺させる意味があるのかというと、通常はないのだけれど、赤井が最初に言った「裏切りには制裁をもって答えるだったよな?」という台詞でわかる。これは、自分が撃ったと見せかけている。

赤井は「お前が何しようが関係ない、死にたきゃ死ねよ」と拳銃を渡し、「正義感のかけらもない、なんて薄情なやつだ!人間として最低だ!」と安室が怒っているわけではなくて、赤井は自分が殺したように見せかけた。(安室はそう解釈した)そうすることで、自分が裏切りの者の始末をしたことで手柄を立て、組織内で地位を上げることができるから。

これは、安室が赤井を拘束して組織に引き渡すことで手柄を立てて組織内の地位を上げようとしたことに繋がり、安室がそうした行動に出たことは、赤井がやったと思っていることへの報復。安室の行動からも、安室が赤井の行動をどう解釈しているのかがわかる。

恐らく、安室が赤井が「FBIの犬」だと睨んだのはこの時。後にわかるのは、スコッチは赤井がFBIだと思っていなかったことから、安室も同じだったのではというところ。

それから、安室はスコッチが自殺だとわかっていた。純組織の人間なら「拳銃を渡して自殺させる」ということはない。その場で撃ち殺すだけだし、拳銃を渡したら自分が殺されるか、そうでなくとも逃げられてしまうかもしれない。赤井はFBIのスパイだったため、自分が手を汚さずにスコッチの死を利用した、というのが「拳銃を渡してそうさせた」という考えに至る。

また、赤井が安室を公安の仲間だと疑ったのもこの時の可能性が高い。赤井と安室はほぼ同等の推理力であることから、互いをスパイだと疑ったのも同じにすると語呂が良い、というのはまぁ参考程度にしかならないかもしれないが、スコッチが携帯を壊したのは、まだ組織に潜入している仲間がいてその発覚を恐れた可能性もあるのと、安室が殺されたスコッチのところへ駆け寄って心臓の音を聞いて生死を確かめるという行動は、純組織の人間としては不自然。だから、赤井は「聞いてないのか?そいつは日本の公安の犬だぞ」と言っている。

それで、赤井はスコッチに拳銃を渡して自殺させ、その死をあたかも自分がやったように演じて利用したのか。それでは赤井が撃ったのと大して変わらない。むしろ、それ以上に卑怯な行為とも言える。事実はそうではない。それは、赤井の「悪かったと思っている」「俺に対する奴の恨みは思った以上に根深いようだ」という認識からもわかる。

赤井は自分が悪かったことは認めているが、そこまで恨まれるとは思っていない。同じスパイである自分が助けられるはずだったスコッチを殺害して出世に利用したのなら恨まれるのは当然。つまり、赤井もまた安室ほどの男なら、スコッチは自決だということくらい推理できているはずと思っていたということ。だから安室の恨みの強さは想定外だった。

赤井はスコッチの自決を止められなかったこと。その死を踏み台にしてうまく立ちまわろうとした、スコッチを侮辱するような行為を謝罪したと考えられる。赤井の真意はともかく、少なくとも、赤井は自分に否があることは認めているので、安室はそう認識したと解釈していたであろうか。

恐らく、赤井としては自分の仕事を優先するためにと思ってやったわけではない。「死んじゃったし、せっかくだから使えるかもしれない」というならゲスな野郎ってだけ。楠田の件はわからないが(笑)そうではなくて、そこまでして組織を潰そうとする決意。スコッチの死を無駄にしないためにもそうしたのではと思われる。この根拠はまた後ほど出てくる。

緋色シリーズで「目先のことに囚われて狩るべき相手を見誤らないで頂きたい」と言ったのは、スコッチとその仲間の安室、公安を侮辱するようなことをしてしまったが、今はそのことでいがみ合うのではなく、組織を潰すことに集中するべきだというのを安室にわかってもらいたいため。

では、「真実」はどうだったのかというと、ヒントは(無理だ・・・)(不可能だよ・・・)(諦めろスコッチ・・・)の台詞にある。

そのまま読むと、スコッチが「逃走させてくれ」だとか「最後まで組織と戦う」、などとお願いしたのを、赤井が無理だと判断、利用するために拳銃を渡し自決させたとなるのだけれど、そうではないということ。「逃がしてくれ」⇒「諦めろ」では、スコッチまでしょぼくなってしまう。

赤井がスコッチに拳銃を渡して自殺させたわけではない、とすればその裏。赤井はスコッチを助けようとした。

安室の「あれ程の男なら自決させない道をいくらでも選択出来ただろう」という台詞も、バーボン編でのコナンへの賞賛、「シャーロックホームズのような、先の先まで見通せる神懸かり的な頭脳」がいれば偽装可能だった(いたので偽装できた)というのと同じで、赤井ならそういう選択があった、しかし、何らかのハプニングが起きてしまったと考えられる。

赤井が何を「不可能だ」と言ったのかは、ちょっと難易度が高い。実は、「〇〇は無理、不可能だから諦めろ」と言ったのではなくて、無理だと不可能だよの間に省略された台詞があり、そこの空所を補充するようになっている。ただ、意図がわかっても当てはめるのは難しい。結局、次話で回答が出てしまう。

File:957(裏切りの真相)

赤井:(さすがだなスコッチ・・・)「俺に投げ飛ばされるフリをして俺の拳銃を抜き取るとは・・・」「命乞いをするわけではないが・・・」「俺を撃つ前に話を聞いてみる気はないか?」

スコッチ:「け、拳銃は・・・お前を撃つ為に抜いたんじゃない・・・」「こうする・・・」「為だ!!」

赤井:「無理だ・・・」「リボルバーのシリンダーをつかまれたら・・・」「人間の力で引き金を引くのは不可能だよ・・・」「自殺は諦めろスコッチ・・・」「お前はここで死ぬべき男ではない・・・」

スコッチ:「何!?」

赤井:「俺はFBIから潜入している赤井秀一・・・」「お前と同じ奴らに噛み付こうとしている犬だ・・・」「さぁ、わかったら拳銃を離して俺の話を聞け・・・」「お前1人逃がすぐらい造作もないのだから・・・」

スコッチ:「あ、ああ・・・」 File:957

拳銃はスコッチが赤井から奪い取った物。スコッチは自分の携帯を壊すために、胸に当てて自決しようとしたが、赤井は一瞬の隙をついてリボルバーのシリンダーを掴む。

「無理だ」と「不可能だよ」の間に入るのは、「リボルバーのシリンダーをつかまれたら人間の力で引き金を引くのは」と、ちょっと長い(笑)

(無理だ・・・)(不可能だよ・・・)(諦めろ)

「不可能だから諦めろ」と、この二つの主語が同じなのではなくて、「無理だ不可能だよ」の主語が同じで、「諦めろ」の主語がまた別になっているのでややこしい。「自殺は諦めろ」だけなら、赤井は助けようとしたことは想像できるので、方向性はわかる。

ともかく、安室がスコッチを逃がすことなど造作もないことで、赤井はスコッチを説得して自殺をとどまらせようとした。しかし、この後で予測しえないことが起きた。

カン カン カン

ドン

赤井:(なるほど・・・拳銃を奪ったのは・・・)(コレを壊す為だったのか・・・)(家族や仲間のデータが入っていたであろう・・・)(この携帯を・・・)

ザッ

赤井:(裏切りには制裁をもって答える・・・)(だったよな?) File:957

スコッチの自決を止めるべく、階段を駆け上がる安室の足音を聞いた赤井とスコッチは、それを組織の追ってと勘違い。赤井は足音に気を取られ一瞬手を緩めてしまい、スコッチはその瞬間引き金を引いてしまうという悲劇が起きる。

赤井がこの時、「拳銃を奪われてしまい殺されるかと思ったが、家族や仲間の情報を守るために自決したよ、助かった」などと言っていたらどうなってたか。

スコッチが拳銃を撃ったのは自分が屋上に着く直前。つまり、安室は自分の足跡を勘違いして撃ったということに気づいていた可能性が高い。助かる方法は、安室はゆっくり階段を上り様子を見ることだったのだけれど、それは結果論。

本来なら屋上に組織の刺客が来ているかもしれないし、赤井がスパイでなかったら大変なことになっていた。実際、赤井に疑われたが赤井もスパイだったので助かっている。この時はスコッチを守ることで頭がいっぱいだったか、自分も正体がバレるリスクを承知で突撃したのかもしれない。

あるいは、作戦的に急いで駆けつければ屋上にいるのはスコッチと赤井だけ。この時安室は既に赤井もスパイかもしれないという予測があり、スコッチの自決前に到着すれば間に合うかもしれないという賭けに出たという可能性も。

それなら、赤井も安室をあらかじめ疑っていて、スコッチに仲間がいる=安室がダッシュで駆けつけてきた=仲間は安室と判断したという考えも出てくる。赤井と安室は、ご都合主義的に読者の予想以上の範囲まで推理出来ていることがまれにある。この場合、赤井の発言はスコッチの利用と安室への嘘という二重の意味があることになる。

いずれにしろ、皮肉なのは安室は赤井がスコッチに自殺を勧めたと思っていること。一方で、赤井は安室がスコッチの自殺に気づいていると考えていたこと。赤井は緋色の安室の行動を見て自分の認識が甘かったと気づいたようだが、おそらく、「自殺だと気づいていなかったのか?」と認識を改めたのではなくて、そこは安室への評価は下げることなく、自分がスコッチに自殺を勧めたと思われていることに気づいたのではないかと。

というのは、安室が仲間を連れてFBIを人質に取り、赤井を拘束して組織に引き渡そうとした、と赤井は安室の行動を推理したため。それは、「自分がそこまでされるに値することをしたと思われている」と理解したということ。

では、赤井が本当のことを言えばそれで終わるのかというと、ここがややこしいところで、まず安室が聞き入れるかというのもあるが、仮に「説得して止めるところだったが、死なれてしまった」という説明に納得したところで、その後に結局、あのタイミングで引き金を引いたのはもしかして、と気づいてしまうから。

これは間接的に「お前が引き金になったんだよ」と言うのと同じで、それは赤井の口から言うよりも、安室自身で気づいたほうがいい。

赤井としては、目的があとろうともスコッチを利用してしまったことを謝罪し、その誠意が安室に伝わればもう恨まれる理由はない。あとは、安室自身がずっと殺したいほど憎んでいた赤井の行動は勘違いで、本当は自分が引き金になってしまったという事実にどう向き合い、蹴りを付けるか。

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更新日:2018-1-18

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