スコッチの過去編

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File:954(裏切りの制裁)

赤井と安室の確執の原因ともなった「スコッチの死」の状況が描かれたのは緋色シリーズの赤井の回想。その時、赤井と安室は背中合わせで睨み合い。赤井は正面、安室は左首と頬に返り血らしき血痕が付いてたのが、現場の状況を物語るヒントとなっていた。

また、ガールズバンドでの安室の回想では、スコッチは「君の兄(赤井)に殺された男」とモノローグがある。

過去にスコッチと赤井の間に何が起きたのかを少しずつ小出しにして推理させるのかと思いきや、この裏切りシリーズでほぼ判明。真相は読者にわかっているが、赤井と安室の認識にそれぞれ「ズレ」があり、ストーリー上はまだ未解決という状況。

短期で終えてしまったので、伏線を整理しながら読まなくても結果が出てしまうのだけれど、順を追って整理しておくと──

スコッチ:(悪い降谷・・・)(奴らに俺が公安だとバレた・・・)(逃げ場はもう・・・)(あの世しかないようだ・・・)(じゃあな零(ゼロ)・・・)

ドン

赤井:「裏切りには・・・」「制裁をもって答える・・・」「だったよな?」 File:954

裏切りシリーズ第一話目。何らかの理由で公安のスパイだとバレたスコッチが、同じスパイである仲間の安室に連絡。自害するようなことを告げて電話を切る。それを聞いた安室は自決を止めるべく、スコッチのいるビルの屋上へと駆け上がると、途中「ドン」という銃声。

屋上には胸を撃たれてうつむいたスコッチ。その前には、まだ煙の出ている拳銃を持って赤井が立っていた。そして、赤井は「裏切りには制裁をもって答えるだったよな?」と、やって来た安室に言う。

いかにも赤井が粛清しましたと思わせる描写。安室の回想では、スコッチは赤井に殺されたとある。しかし、本当にスコッチを撃ったのが赤井なのか。

安室はスコッチが撃たれたところを直接見ていないというのが意味深。あえてわからないようにしているのだから、実はそうではないとも言えるのだけれど…

もし撃ったのが赤井だったとしても、何か裏があるはず。赤井が全部悪だったら、赤井と安室二人の和解のきっかけがなくなってしまう。謝って済むならこんなにこじれない。

赤井の謝罪が軽い(そこまで悪いと思ってない)ことや、赤井と安室の認識にずれがあったり(どちらかが誤解している)と作中のヒントは他にもあるのだけれど、ここは来葉峠の偽装トリックのように仕掛け前提みたいなもの。「事実でもそれがイコール真実とは限らないんじゃねぇか」という新一の名言通り。

ちなにみ、「ゼロ」は安室の子供の頃のあだ名であるため、スコッチと安室は幼馴染(安室をゼロと呼んだ人物)の可能性が高い。

現場の状況

ではあの時何があったのか・・・ というところだけど、このシーンだけではまだどうにでも考えられる。そもそも、来葉峠のように現場の状況が詳しく説明されているわけでもなく、同じような状況だったキールとイーサン本堂の自演は後出し説明みたいなところがあった。

この時点で赤井とスコッチ、安室しか描かれていないが、屋上にはまだジンやベルモットがいる可能性もある。それならば、撃ったのは赤井ではなくて別の誰かという可能性もあるし、目の前でジンが見張る中で赤井が命令されて撃ったのならそれは仕方ない。

赤井は躊躇したら、自分がスパイだと疑われてしまう。ジンは組織に戻ってきたキールに赤井殺害を命令したように、組織がメンバーに疑いをかけた時は、殺人を命令してそれができるかどうかで判断することもある。

安室もその状況を考えれば、もしスコッチを撃ったのが赤井だったとしても、それは事故のようなものだと理解できるだろうし、例え赤井が拒否しても、包囲されていたスコッチはすぐにジンに殺されてしまうだけで結果は変わらなかったはず。

それに、撃ったのが赤井じゃないのなら、「殺ったのは俺じゃない」と言えばそれで済む。「裏切りには制裁をもって答えるだったよな?」。それはごもっともなのだけれど、あの状況でやってきた安室にそんなことを言ったら勘違いされるのは当然。

赤井の台詞、これは「スパイはバレたら殺されるのは仕方ない」という意味。「スコッチはスパイだということがバレちゃったんだから殺されるのはしょうがないよね。諦めろ、オレは悪くない。」と言っているのだから、もしそれで赤井が自発的に撃ったなら発言通りの意味でしかなく、組織に強制させられたのでなければ、同じスパイである赤井にそんなことをする権利も言う権利もない。

安室の想定に「組織の誰かが撃ったかもしれない」(赤井じゃないかもしれない)という選択肢がないということ、「赤井を恨んでいる」(やむを得ない状況ではなかった)ということからも、現場には赤井とスコッチの二人しかいなかったと考えられる。

来葉峠の時はキールの首に付けた映像をジンが遠くの車から受信して見張るという方法であったけれど、このシーンではそこまではしていないのではないかと。少なくとも、遠くから見ている監視役はいたかもしれないが、現場には二人きりで何か細工ができる状況であったと考えられる。ということは、赤井とスコッチになんらかのやり取りがあった可能性が高い。

スコッチと赤井の手

この漫画はスパイでもできるだけ重罪を犯さないよう、ご都合主義的な回避策が考えられていることが多い。そうでないと、仕事とは言え最終的に責任を負う必要が出て来るから── というメタ視点から考えても、赤井はスコッチを撃っていない可能性が高い。

また、赤井が自分で撃った(見せかけた)ということは、安室の「君の兄に殺された男」はスコッチ殺害に直接関与したという解釈で、その要因を作っただけ(殺害には直接絡んでいない)という比喩で語った可能性は低いが、安室は「赤井が撃った」(実際は裏がある)「赤井は撃ってないが仕掛けをした」どちらの解釈をしていたとしても、結局「赤井は何か仕掛けをしていた」ということになる。

仕掛けと言っても、スコッチの死の偽装はさすがに無理なので、前述したように、赤井が直接手を下したわけではないということ。

ポイントになりそうなのがスコッチの状況。もし、赤井とスコッチが描かれたあのワンシーンで何が起きたのか(トリック)を推理させるのなら、何かヒントになることが描かれているはず。

スコッチは胸を撃たれて殺されているのは、胸から出ている大量の血から判断できる。後ろの壁に血が付いているのは、最初は立っているところを胸を撃たれて、そのまま銃弾が貫通したから。縦に血が付いているのはずるずるっと下がった跡。これだけの出血があれば致命傷になったのは胸。

注目すべきはスコッチの手と赤井の手。まず、スコッチの右手首には大量の血が付いているが、それより下、指や手のひらには付いていない。胸を撃たれて、反射的に手で押さえたなら手のひらにも付くし、即死で手首に血が吹き飛んだだけなら、もっと全体に付く。

スコッチが撃たれた瞬間にスコッチの手のひらには血が付かない状況だった。考えられるのは手を握っていたから、ということなのだけれど、そこに意味を持たせるのならスコッチは拳銃を握っていたのはないかということ。つまり、スコッチの自決の可能性。

そして、赤井の手。手の甲の部分、指と手首に近い箇所には返り血が付いているが、真ん中の当たりは付いていない。

赤井は返り血を浴びているため、スコッチが撃たれた瞬間は目の前にいた。そして、拳銃の引き金を引いたのはスコッチで、赤井の手の甲には返り血が付いていないとなれば、赤井が拳銃をスコッチの胸に向け、スコッチがその上から引き金を引いたという状況も想像できる。ただ、実際起きたことはまた少し状況が違う。それは、この時点の情報だけでは足りない部分があるので、また後述。

ここまでで推測できるのは、安室が駆けつけるまでに現場は赤井とスコッチ二人だけで、赤井は自分が撃ったように演じたが、実際はスコッチが自分で撃ったのではないかということ。

File:955(裏切りの行方)

安室:(胸のポケットに携帯・・・)(携帯・・・)(携帯・・・)

(おいスコッチ!?)

安室:「しっかりしろスコッチ!!」「スコッチ!?」「くそ!」

赤井:「心臓の鼓動を聞いても無駄だ・・・死んでるよ・・・」「拳銃で心臓を・・・」「ブチ抜いてやったからな・・・」

安室:「ライ・・・貴様・・・」

赤井:「聞いてないのか?」「そいつは日本の公安の犬だぞ・・・」「残念なのは・・・」「奴の胸のポケットに入った携帯ごとブチ抜いてしまった事・・・」

赤井:(お陰でそいつの身元はわからずじまい・・・)(幽霊を殺したようで気味が悪いぜ・・・) File:955

安室はスコッチの胸に耳を当てて心臓の鼓動を確認する。安室の左首と頬に血が付いていたのはこの行動から。ということは、赤井の正面に付いた返り血もしっかり再現されている(目の前にいたということ)と考えられる。

自決する場合は通常こめかみを撃つ(緋色の安室の推理)。また、相手を確実に撃ち殺すときは頭を狙う(来葉峠のコナンの推理)。赤井の場合、異次元の狙撃手で心臓ではなく脳幹を狙うと言っている。心臓なら即死ではなく、相手が動ける時間があるから。

撃ったのがスコッチであろうと、赤井であろうと、胸を撃ち抜いたその理由は胸のポケットに入った携帯を壊すため。そこには、スコッチの仲間や、もしかしたら家族のデータも入っていたかもしれない。その秘密を組織から守るため。

携帯を壊すために胸を撃ったのだから、撃ったのは組織ではなくでスコッチか赤井。赤井の場合、スコッチに頼まれたか、事情を汲んだか。これで、スコッチが撃たれた理由はほぼわかる。

一話目で、撃った(引き金を引いた)のはスコッチ自身であること。二話目でその理由は仲間を守るためにあること。というのが推測できるが、公安はもし自分が工作員であることがバレた場合、組織(公安)を守るために個人が責任(自決する)を取る。という行動に矛盾しない。まあ、スコッチの場合は安室は職場の仲間というだけでなく、もっと深い関係にあったと思われるが…

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更新日:2018-1-18
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