「川中島の戦い」事件から見る時間の経過

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長野県警組の時間軸

大和敢助と上原由衣が初登場したのは59巻の「風林火山」。「赤と黒のクラッシュ」が終わってから、60巻でキールが「バーボンが動き出した」と警告、沖矢昴が登場する60巻の間の話なので比較的新しいキャラである。

この風林火山の話から、長野県警が登場した最新の「川中島の戦い」の話までに、実は半年が経過していたという衝撃の事実が判明する。

この話を理解するには、最初に初登場となった風林火山の話で、敢助と由衣の基本的なバックグラウンドを抑えておく必要がある。

風林火山

刑事:「こっちは警部が帰って来て早々、休む間もなくこき使われてんだから!」

コナン:「帰って来たって・・・どっか行ってたの?」

刑事:「この半年間行方不明だったんだよ・・・」「仮出所中に逃亡した男を見かけたっていう通報があり、その男を追って入った山で雪崩に遭ってな・・・」

コナン:「雪崩?」

刑事:「ああ・・・その男は8年前に甲斐さんが窃盗で捕まえた男で、姿を消したのが丁度6年前・・・」「6年前に甲斐さんが事故死した事件と関係があるとにらんで警部は追ったんだが・・・」「先月捕まえて尋問したら事件とは無関係だったよ・・・」「お陰で警部は左目と左足を負傷し、意識不明で病院に収容されていたっていうのに・・・」

服部:「入院しとったのに、何で行方不明やねん?」

刑事:「その男に聞くまでわからなかったんだ、雪崩にあったなんて・・・」 File:617

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敢助は「帰って来て早々」風林火山の事件の調査をしていた。

この表現は雪崩に遭って意識不明で病院に収容、この半年間行方不明扱いであったため。敢助が隻眼なのと杖をついているのは、この半年前の雪崩が原因。

刑事:「しかし運命なんて酷だよなぁ・・・警部がいなくなる前に部下だった上原さんと今回被害者の妻として再会するなんて・・・」「あの2人、いい感じに見えたのに・・・」

コナン:「え?」

刑事:「ホントビックリだよ!」「甲斐さんの事件の真相は絶対つきとめてみせるって2人で張り切ってたのに、さっさっと刑事を辞めて結婚しちゃうんだから・・・」「大和警部と上原さんは甲斐さんにあこがれて・・・」「刑事になったって聞いてたしな・・・」

服部:「ほんなら6年前に彼女が甲斐さんの死体を見つけた時は刑事やったんか?」

刑事:「ああ・・・なりたてホヤホヤだったから・・・泣きじゃくって大変だったよ・・・」 File:617

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敢助と由衣は元々いい感じだった。二人が刑事になったのは甲斐さんにあこがれたからであり、「事件の真相は絶対つきとめてみせる」と張り切っていた。6年前、由衣は刑事になりたて。

しかし、雪崩の一件があってから、由衣はさっさっと刑事を辞めて結婚してしまう。

敢助:「んじゃ後で事情聴取に来てもらうからよ!」

虎田家当主:「ああ・・・」

敢助:「あんたもだ!ちゃんと警察に来るんだぜ!?」

由衣:「え、ええ・・・」 敢助:「じゃあな・・・」 由衣:「・・・・・・」

由衣:(疾き事・・・)(風の如く・・・) コナン:「え?」

由衣:「あ、」「わ、私・・・」敢助:「あん?」

由衣:「敢ちゃん死んじゃったと思ってたから・・・」「だから私が何とかしなきゃいけないと思って・・・」「そ、それで私、義郎さんと・・・」「ゴメン・・・こんな事言ったら主人に悪いわね・・・」「彼が私の事を愛してくれていた事は確かだから・・・」

敢助:「バーカ!今、言ったろ?警察に来いって・・・」

由衣:「え?」

敢助:「しがらみが抜けて気が落ち着いたら戻って来い!」「刑事長も待ってるぜ・・・」「お前のいれたまずいコーヒーをな・・・」

由衣:「うん・・・」 File:618

由衣が結婚を急いだのは敢助が死んだと思ったから。自分が何とかしなければと考えたため。

事件解決後、敢助は由衣に「しがらみが抜けて気が落ち着いたら戻って来い 刑事長もお前のいれたまずいコーヒーを待ってるぜ」と言う。これは落ち着いたら刑事に戻れという意味。ちなみに、まだ紅茶党の黒田は出向して来ていない。

ここまでの出来事を整理しておくと──

・風林火山から見た半年前に敢助が雪崩にあって行方不明。(風林火山の前に刑事復帰)
・由衣は6年前に刑事になったが、敢助が雪崩に遭ったことで辞職。(風林火山事件後に復帰を勧められる)

  • 半年前

    雪崩

    敢助が意識不明で入院、行方不明。由衣が辞職して虎田家に嫁ぐ。

  • 現在

    風林火山

    敢助が刑事に復帰。解決後、由衣は復職を勧められる。

川中島

コナン:「もしかしたら半年前の銀行立て籠もり事件に関係があるかも・・・」「詳しく聞かせてくれる?」

由衣:「ああ・・・竹田警部が被疑者を射殺したっていう事件ね・・・」

高明:「実はあの被疑者、警察の説得に応じて投降する寸前だったんですが・・・」「周囲を固めていた竹田班が無理に動いて・・・それに気づいて逆上した被疑者が銀行内で拳銃を発砲し始めて・・・止むなく銀行に突入した竹田さんが被疑者を射殺したんです・・・」「幸い死傷者は誰1人出なかったんですが・・・」「敢助君は竹田さんに激怒していました・・・」「あんた、刑事なら被疑者を殺しても構わないと思っているんじゃないだろうな!?」とね・・・」

由衣:「そういえばその事件で被疑者の携帯が紛失しちゃったらしいわね・・・」「射殺される直前まで誰かと話してたみたいだけど・・・」「俺が捕まればあんたも終わりだ・・・」「拳銃の出所もXもバレる」とかなんとか・・・

高明:「Xも・・・」コナン:「バレる?」

高明:「それは本当ですか?」

由衣:「ええ・・・この前秋山君がそんな事を不思議そうにもらしてたけど・・・」「知らないの?」「私、その事件の頃まだ刑事に復帰してなかったから・・・」 File:916

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ここを見れば簡単に理解できる。川中島から半年前に銀行立て籠もり事件が起きている。これだけなら、風林火山と川中島の前後関係だとか間隔もわからないし、日常編なので二つの話が独立しているだけかもしれない。

ポイントはその後の話。まず、「敢助君は竹田さんに激怒していました」という箇所。敢助は半年前の立て篭もり事件で、竹田に怒鳴りつけている。

敢助:「あ、そうだ・・・」「竹田のオヤジに会ったら言っといてくれ・・・」「たとえ上から命令があったとしてもあんたの班に戻る気は・・・」「死んでもねえってな!!」 File:913

敢助は竹田班にいたのである。では、この「川中島の半年前」というのが具体的にいつなのかというと、敢助が竹田に怒鳴りつけているシーン、この時の敢助は既に隻眼である。敢助が隻眼になったのは風林火山の半年前の雪崩が原因。

つまり、川中島の半年前の立て篭もり事件は風林火山で敢助が刑事に復帰した後の話になる。だが、もしかしたらこの時のシーンで敢助を描き間違えた(本当は隻眼になる前)だけかもしれないと考えられなくもない。

普通は雪崩(半年前)⇒風林火山⇒川中島で、風林火山と川中島の時間経過は意識しない。

しかし、決定的なのはその後の由衣の台詞である「私、その事件の頃まだ刑事に復帰してなかったから」。

由衣が刑事を辞めたのは敢助が雪崩に遭ったことで虎田家に嫁いだことが理由。その後風林火山の事件後に復帰を考えたのであるから、「まだ刑事に復帰してなかった」というのは、風林火山から刑事に復帰する間の期間を指す。これも合わせて考えれば、敢助の件もミスではないとわかる。

ややこしい要因は風林火山で「半年前」という数字が具体的に出ていること。「半年前って作中の伏線で確定してるのに、何で勝手に一年前で解釈してんだよ」と、わけがわからなくなってしまう。○○前という既出の伏線を自分で置き換える作業が必要になる。

雪崩⇒半年(風林火山)⇒半年(川中島)

風林火山から川中島までは半年が経過しているということ。風林火山の時点では雪崩は半年前であるが、川中島の話の時になると、風林火山が半年前で雪崩はその半年前なので一年前となる。

ちなみに由衣は風林火山の後の「危険な二人連れ(赤い壁)」でもう刑事に復帰しているので、風林火山⇒立て篭もり⇒危険な二人連れ(赤い壁)。

  • 一年前

    雪崩

    敢助が意識不明で入院。由衣が虎田家に嫁ぐ。

  • 半年前

    風林火山

    敢助が刑事に復帰。解決後、由衣は復職を勧められる。

    立て篭もり事件

    敢助が竹田に怒鳴りつける。由衣はまだ復職前。

  • 危険な二人連れ

    由衣が復職している。

  • 現在

    川中島

    最新の話。黒田が捜査一課長になっている。

コナンの世界の時間軸

風林火山の話が比較的新しいこともあり、そこから半年経過をいうのはイメージしにくいが、風林火山の話はコナンが幼児化してからそれほど経過していない時期だったと考えるべきか、既に半年以上経過していると考えるべきか…

そもそも、なぜそんな設定にしたのか。もしかしたら、黒田を長野県警に出向している時間を作りたかったというのもあるのかもしれない。

まぁ、ストーリーに関わらないところはサザエさん方式(コナンの場合は辻褄を合わせるためイベントが被ることはなく、一年限定の話を順不同にやっている。)なので時間の経過はそれほど意識する必要はないけれど、組織編やストーリーに関係するところは過去編でない限りはシナリオが逆戻りすることはなく、積み重ねとなっている。

ジョディ:「秀一の彼女・・・殺されたのよ・・・」「数ヶ月前彼らに・・・」

コナン:「え?何で?」

ジョディ:「その彼女、組織の関係者だったらしくて・・・」「組織を抜けようとして消されたって秀一は言ってたわ・・・」 File:599

工藤新一が幼児化し宮野明美がジンに射殺されてから、赤と黒のクラッシュまで数ヶ月経過している。

名探偵コナンの世界は時間がないというよりは、季節や曜日が完全に独立した概念でそれを並べて軸にしてもそこから時間経過は計算できないけれど、組織編や人間関係(恋愛)などのシナリオは徐々に進行していて、それと同時に時間は過ぎているというのが正しいかもしれない。

実は世間一般でも幼児化してから半年くらい経っていると言われ、某関係者もそのくらいの認識という話が出たことがあった。ただ、具体的にどのくらい経ったのかという情報は前述した赤黒の「数ヶ月」が根拠になるくらいで、半年かもしれないし、四ヶ月くらいかもしれない。具体的な数字はわからないでいた。

長野県警の話だけに通用する長野県警タイムなるものがあるのかもしれないけれど、川中島の話は「半年経過している」という設定の裏づけと考えることもできるかもしれない。半年どころじゃないような気もするが…

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