コナンの探偵としての在り方を変えた出来事【ピアノソナタ『月光』殺人事件】

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楠田陸道について

推理で追い詰めて犯人を自殺させないというエピソードがあるにもかかわらず、後の話ではコナンは楠田を追い詰めて自殺させてしまったことがある。これについて、よく読者から矛盾していると突込みが入るのだけれど、まぁ、漫画の都合と言ってしまえばそれまで。

組織との戦いは自分が生きるか相手が死ぬかのバトル漫画的なところもあり、また、組織のメンバーはストーリーの進行上コナン絡みの秘密を組織に持って帰らせたり、逮捕で組織の情報を警察に漏らしたりということができない。

そのため、カルバドスだったり宮野明美だったり、劇場版のアイリッシュだとかは、ジンに殺されたりコナンのいないところで自害したりなど、漫画の都合で上手くフェードアウェイさせる形となっている。何の情報も持たないような沼淵己一郎クラスであれば、逮捕で終えることができる。

ただ、じっくり考えると麻生成実の件と楠田陸道の件は事情が異なる。コナンの言っている「推理で犯人を追い詰める」というのは、自分の推理力をひけらかすかのように、ドヤ顔で推理ショーを押っ始めて、空気を読まずに犯人を追い込んで逃げ場を亡くしてしまうこと。

推理はいくらでも制御できるので、犯人の心理や行動の先読みをして状況を判断しながら犯人を改心させていくこともできる。コナンが言いたいのは、推理は自己満足の手段ではないということ。これが「推理で犯人を追い詰めて~」の趣旨であるはず。車で逃走した楠田の自殺を止めることができたのか、その責任がコナンにあったのかとなるとそうでもない。

「言葉は刃物・・・」「使い方を誤ると質の悪い凶器に変化する・・・」「相手の心を察して慎重に使わねばなりません・・・」「たとえそれがどんな相手であろうとね・・・」という名言の通り。

推理は使い方を誤れば凶器になり、それで人を自殺に追い込むこともできる。でも、それをすれば相手が事件の犯人であろうと殺人と変わらない。言葉のいじめで人を自殺に追い込んでしまうことが殺人と変わらないように、推理で犯人を追い込むんで自殺させてしまうのも言葉を使った殺人。

楠田自害の状況

実は、あの時の状況はコナンと赤井の連携不足にも問題がある。二人の協力関係は楠田が死んで組織がやって来ることがわかったことによるものなので、まだ話し合いをしていないので仕方はないけれど。

コナン:「あの人が病室を出てる隙に、あの人の携帯電話を探して水に沈めて壊しておいたから・・・」

・・・

赤井:「フン・・・FBIを信じてたんじゃなかったのか?」

コナン:「念には念を入れただけさ・・・」「でも派手に見張りを付けて焦って捕まえようとすれば、こうなる可能性がある事ぐらい・・・」「赤井さんなら読めてたはずだよね?」

赤井:「さあ・・・どうだかな・・・」 File:598

元々、楠田を追い込んだのはFBI。コナンはFBIを信じて様子を見るしかなかった。まぁ、予測はしていたので念を入れて楠田の携帯を水に沈めて壊していたけれど。

赤井も楠田を追い詰めれば楠田が逃走することを読んでいた。では、赤井はあえて楠田を追い込んで自殺させたのかというと、そうではなくてあえて連絡を取らせるために逃走させた。

ジェイムス:<頼んだぞ赤井君!><組織に連絡される前になんとしても彼を確保するんだ!!>

赤井:「了解・・・もっとも、奴が携帯を今も所持していたら止められませんがね・・・」 File:598

そのため、楠田が逃げることを予測しながらも、コナンのように携帯を壊さなかった。なので、「奴が携帯を今も所持していたら止められません」と言い訳をしている。

コナン⇒楠田の連絡手段を絶つことで、楠田が誰にどんな手段で連絡を取るか探ろうとした。
赤井⇒楠田に連絡を取らせることで、キールの居場所をあえて教えることによって、もう一度組織にスパイとして戻ってもらおうとした。

楠田の自殺後にこれに気づいたコナンは、後々赤井に来葉峠の作戦を持ち込むという展開になっていく。

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逃走した楠田はまず携帯で仲間に連絡を取ろうとするが、携帯が壊されていたためにあきらめる。そして、次なる手段として、ダッシュボードから拳銃を取り出し応戦⇒自害という手順。

携帯が動けば応援を頼む⇒赤井は仲間が来たので撤収という流れになった可能性もあるので、携帯を壊したコナンに原因があるとも言える(笑)ただ、これは意図したわけではない。

拳銃を取り出した楠田はそれで追跡するFBIの車と止めて逃走しようと試みるが…

楠田:(あ、赤井・・・)(秀一だと!?) File:598

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追いかけているFBIが赤井だということに気づくと、楠田の顔は恐怖で引きつる。自殺したのはその直後。楠田は赤井と勝負をしても100%負けるという判断。なので、赤井が悪いとも言える(笑)ただ、これでは名探偵の工藤新一が殺害現場にやってきたことで、犯人が逃げ切れないと自殺したら新一が悪いということになってしまうので、さすがにそこまでは責任は負えない。

赤井とコナンの追跡が結果的に楠田を自殺に追い込んでしまったように思えてしまうのだけれど、赤井がコナンから携帯を壊したことを聞いたのは楠田がダッシュボードから拳銃を取り出す直前。

瞬時に連絡手段を絶たれた楠田が暴挙に出ることを予測できなくはないかもしれないけれど、逃げる楠田を追いかけずに撤収すれば「何か裏がある」と感づかれてしまう。赤井の作戦に楠田を捕まえるメリットはないので、恐らく適当に追跡した上で意図的に逃がす作戦だったのかもしれないけれど、そんなことを考える間もなく楠田は自害してしまうというオチ。

赤井はわざと楠田を追い込み自殺させたと考えられなくもないけれど(笑)そこまでしなくても、楠田を逃がせば同じ結果なので、やはり無理はしないのではと。

車で逃走する犯人を追うこと自体は悪い行為ではないし、そうしなければ犯人をミスミス逃がしてしまうことになる。街に隠れられれば市民に危害が加わる可能性がある。コナンは何もそんなことまで否定しているわけではない。

仮に、日常事件で佐藤刑事パトカーで犯人を追跡し、犯人が思わぬ形で自殺してしまった場合、コナンは佐藤刑事を咎めるかというと、余程危険な追跡をしていない限りはそんなことはしないのではと。まぁ、漫画なのでそうなる前にコナンが警告することになるとは思うけれど。

警察による過剰追跡はしばしば現実でも問題になるのだけれど、過剰でなければ正当でありむしろ市民を守る行為でもある。正直多少無理ををしてでも犯人を捕まえて欲しいという民意はあるけれど… 加減の問題だし、コナンと赤井の追跡が過剰であり、二人が楠田の自殺を予測・止めることができたのをしなかった、というほどではない。

推理で犯人を~と、過剰追跡については状況は異なるので、コナンが自分で戒めた行動を簡単に破ってしまったというわけではないのではと。あとは、漫画なので楠田は死ぬ運命⇒自殺か殺害されるかの二択⇒組織の基には帰れないので殺させる展開にはできないため、自殺しかない。という漫画の都合が大きいのではと。

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更新日:2018-3-25
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