コナンの探偵としての在り方を変えた出来事

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コナンが唯一 推理で犯人を追い詰めて死なせてしまった事件

ピアノソナタ『月光』殺人事件

蘭:「ま、まさか成実先生・・・最初から死ぬ気で・・・」

成実:「終わったよ・・・」「お父さん・・・」「なにもかも・・・」

コナン:「まだ終わっちゃいないよ・・・」

成実:「!?」

コナン:「ダメだよ死んじゃ・・・」「ホラ、お父さんが残したこの楽譜にも書いてあるじゃない!!」「「成実、おまえだけはまっとうに生きてくれ」ってね・・・」「さあ、早くここから出よ!今ならまだ間に合うよ!」

成実:「・・・・・・」「そんな告白文があったんなら、オレがあんな事をする必要はなかったかもな・・・」

コナン:「ええっ、これ読んでなかったの?」

成実:「自分で調べたんだ・・・・・・」

コナン:「さあ早く出るんだ成実さん・・・」

成実:「もう遅いよ・・・」

コナン:「え?」

成実:「オレの手はあの四人といっしょ・・・」「もう血みどろなんだよ・・・」

蘭:「でもどーして成実先生、お父さんに殺人予告なんて出したんだろ?」「やっぱりお父さんに対する挑戦状だったのかな───・・・」

コナン:「きっととめてほしかったんだよ・・・」「自分が人殺しするのを・・・」

蘭:「ねぇ、成実先生が弾いてた暗号って何だったの?」

コナン:「え?」「忘れちゃったよそんなもん・・・」

蘭:「あ──その顔は知ってる顔ね!」「コラ、教えなさいこのマセガキ!」

ARIGATONA、CHIISANA TANTEISAN。 File:67

conan_narumi_f67

麻生成実が小五郎に反抗予告を出したのは自分が人殺しをするのを止めて欲しかったという気持ちがあったのだが、コナンは犯行を防ぐことができなかった。

それだけでなく、推理で事件を解くことに夢中になり、それが犯人を追い詰め結果死なせてしまうことになる。成実は目的を達成した後は、自分の手も汚れもう生きている価値はないと考え、最初から命を絶つつもりでいた。

名家連続変死事件 ─

コナン:「なあ服部・・・」

服部:「なんや?」

コナン:「お前さー・・・」「人・・・殺しちまった事あるか?」

服部:「あん?」 File:152

服部:「あのまんま死なせてやった方がよかったんやろか・・・」

コナン:「バーロ・・・」「犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は・・・」「殺人者とかわんねーよ・・・」

服部:「おーおー耳が痛うてかなわんわ!」「完璧なお前しかいえんセリフやのォー」

コナン:「ハ・・・完璧な人間なんてこの世にいやしねーよ・・・」「オレだってたった一人・・・」「たった一人だけ・・・」 File:153

conan_narumi_f153

コナンは服部に「「人・・・殺しちまった事あるか?」と、唐突に聞く。この事件でもコナンは犯人が最後は自殺を図るのではないかと予測していた。

服部は「あのまんま死なせてやった方がよかったんやろか」と考えるが、「犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は殺人者とかわんねーよ」と言う。

そして、「オレだってたった一人 たった一人だけ」と麻生成実のことを回想する。

コナンは自分が成実を自殺に追い込んでしまったのではないかと、あの時のことををずっと後悔していた。

以降、「ピアノソナタ『月光』殺人事件」は物語で唯一犯人を死なせて(自殺させて)しまった話となり、コナンはずっとそのことを心に刻み続けている。

探偵たちの夜想曲

コナン:「でもお姉さんには教えられないけどね・・・」

浦川:「な!?」「何代それ!?」「話が違うじゃない!!」

コナン:「だってボク、死なせたくないもん・・・」「お姉さんを・・・」 File:799

・・・

コナン:「それってこの世に未練は何も無いって事でしょ?」「だからボク・・・お姉さんについて来たんだよ・・・」「お姉さんをこの世に繋ぎ止める為にね!」 File:800

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「ピアノソナタ(月光)殺人事件」の教訓、というわけではないかもしれないけれど、「探偵たちの夜想曲」での出来事。コナンは予め犯人が誰か推理できていたが、場当たり的に推理ショーを行い犯人を追い詰めてしまうことなく、犯人が復讐による殺人とその後自決を考えていることを先読み、それを食いとめるために犯人に着いて行き、的確な方法で遂行した。

この事件が月光の話と繋げやすいのは、コナンと同じレベルの切れ者である安室との行動が対比できることにもある。犯人を救うため、これ以上殺人を繰り返させないために着いて行ったコナン。それに対し、マンションに留まり小五郎の観察を優先した安室。

「裏切りの真相」シリーズでわかった伏線を基に判断すると、安室はこの時はまだただの小学生と思っていたコナンを放置し、その結果見かねたベルモットが「コナンや蘭に危害を加えない」(危険が無いよう計らう)約束を守るように釘を刺しにきた── というわけではなく、切れ者の安室はコナンと同じ推理段階に達し犯人の行動を先読みしていたために、犯人は自殺する可能性はあるが、人質のコナンには害は与えないだろうという判断したために放置していたと推測することができる。これは安室初登場の話ともリンク。

後に説明する、「人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しねー」という言葉に胸を貫かれたベルモットだけれども、裏を返せば「この世に神様なんていない」と人生に悲観していたベルモットは、それまで「理由が無ければ人が人を助ける必要はない」と思っていたことになる。そのため、殺人の計画を知りながらも放置した。絶望は無関心を呼ぶ。

安室が赤井を恨んでいる理由は、赤井の実力なら助けられるはずだったスコッチの命を救わずに自殺を見過ごしたこと。そして、その自殺を利用した(自分が殺したと見せかけて組織の信頼を得た)と安室が勘違いしたことにあると考えられる。

本来ならその怒りに対して「どんな理由があろうと人は絶対に自殺させない」「自分の目的に人の死を利用しない」という逆の行動パターンになるのだけれど、この漫画では悲観による感覚の麻痺か、赤井ようなことをして生きている奴の方が得をするなら自分も、あるいは憎しみには憎しみを、という心理か同じ行動を取ることがある。少なくとも、1話目を見ても人の死を踏み台にして目的を達成することに罪悪感を感じている様子はなく、事件を推理ショーに利用することで小五郎に弟子入りするという目的を達成した。

現状はNY編前のベルモットと似た様な状況で、自ら死にゆく人を止める理由や義理はないという行動基準。これは、コナンの「自殺も殺人と変わらない」(殺人はさせてはいけない)というポリシーとは大きく異なっている。

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更新日:2016-9-10
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