緋色シリーズ|来葉峠の計画について

sponsored link

来葉峠までの一連の計画が、コナンと同等(以上ですらある)の人との共同作戦かと思いきや、コナンの一人相撲であったことが判明。

緋色シリーズで回収された伏線の中である意味一番読者を驚かせた箇所。意外に感じるというのは、裏を返せばそれだけ伏線が薄かったということでもあるのだが、どこを見ればこれが予測できたのか、また、客観的に見て必然と言えるような根拠があったのか。

来葉峠の計画を企てたコナンへの賞賛

赤井:「フン・・・」「まさかここまでとはな・・・」

キール:「私も驚いたわ・・・」「こんなにうまく行くなんて・・・」 File:609

kir_akai_trick_f609

ベルモット:「あの男・・・撃たれる前にこう呟いたのよ・・・」

回想 赤井:(まさか・・・)(ここまでとはな・・・)

回想 キール:(ええ・・・)(私も驚いたわ・・・)

ベルモット:「一応、女優の立場から言わせてもらうけど・・・」「あれは示し合わせた台詞じゃなく・・・」「心の底から出た言葉・・・演技じゃないわ・・・」「でもガッカリよ・・・」「こんな茶番に付き合わされていたなんて・・・」

安室:「・・・・・・」「まさか・・・」「ここまでとはな・・・」(なるほど・・・)(そういう事か・・・) File:894

安室:「だがこの計画を企てたのは別の人物・・・」「その証拠にその男は撃たれた刹那にこう呟いている・・・」「まさかここまでとはな・・・」「ってね・・・」

・・・

沖矢:「「まさかここまでとはな・・・」ですか・・・」「私には自分の不運を嘆いているようにしか聞えませんが・・・」

安室:「ええ・・・当たり前にとらえるとね・・・」「だが、これにある言葉を加えると・・・」「その意味は一変する・・・」「まさかここまで・・・」「読んでいたとはな・・・」「そう・・・この計画を企てたある少年を・・・」「賞賛する言葉だったというわけですよ・・・」 File:895

「影の計画師」(叶才三じゃありません(笑))であったのが実はコナンであるということが回収されたのが、来葉峠での赤井のセリフである「まさか・・・」「ここまでとはな・・・」のシーンの説明。

安室は赤井のセリフの意味が「まさかここまで(コナンが)”読んでいた” とはな・・・」と解釈することで、首謀者がコナンであったと推理している。

ただ、これは読者視点から言えば結果論にすぎない。「ここまでとはな」のセリフの意味が文字通りに赤井のあきらめを意味したものでないことは、赤井の死が偽装であることがわかれば見抜くのは簡単。

だが、「まさかここまでとはな」のセリフの間には「(コナンが)読んでいたとはな」が入るのではないか?⇒この計画は全てコナンが考えたのではないか?という順番に推理することはできない。このセリフに当てはめて違和感がないからといって、それがコナンが一人で考えたという根拠にはならないからである。

例えば、「まさかここまで「ジンが馬鹿」とはな」と入れても意味は通じる。ではジンが馬鹿になるのかというと、確かに馬鹿なところはあるが、それなら「ジンが馬鹿」が正解でいいじゃないかとなってしまう。

「先を読んでいたのはコナン(赤井は読めなかった)」ということがわかっている上で、初めてこのセリフにそのキーワードが入るのではないかと考えることができる。

しかし、優作が言った「自分の不運を嘆いている」という趣旨のものであれば間違いであるのだが、セリフの意図がコナンへの賞賛である必然はない。

「「まさかここまでとはな」の意味として考えられるものはどれでしょう?」

1.まさかここまで(これで死んでしまう)とはな・・・
2.まさかここまで(計画が上手くいくと)とはな・・・
3.まさかここまで(コナンが読んでいた)とはな・・・

とあった時に、1は間違いであるが、2でも3でもおかしくはない。「最も適切な」であれば、じっくり考えれば3になるかもしれない。(何をもって最も適切とするかも難しいが)だが、2でもおかしくないとなってしまえば、「真実はいつも一つ!」とならなくなってしまう。

また、選択ならまだしも「当てはまる言葉を考えよ」であるのだから、複数の可能性が出てきそうなものである。

フフフ、ヒミツがあるんですよ。『まさかここまでとはな・・・』ってなんか諦めみたいじゃないですか。でも違う。本当は誰に向けたセリフなのかは、この先明らかになるでしょう。まあもうすぐバラしますけど。このやり取りは重要ですよ! SDB60

一応、このセリフで作者がインタビューでヒントを出している。

当てはまるのは「誰かに向けたセリフ」であるということなので、「まさかここまで(ジンが馬鹿)とはな」なんてのも考えられるが、計画がコナンのものであることを前提にすれば、「コナンが読んでいた」と考えることもできるかもしれない。

ただ、この本の発売が2014年の5月のことで、緋色シリーズが連載されていた時期と同じ。(むしろ、本の発売のほうがちょっと後っぽい)なので意味はない。

まぁ、赤井のセリフについては一先ず置いておき、それよりも先に「コナンが先読みをしていた」ということを理解しなければならない。では、その根拠はどこにあったのか。

二人のスペック

沖矢昴の特長
赤井秀一の特長

推理力

赤井秀一時代、沖矢昴時代どちらにも言えるが、コナンと赤井の推理力は同等レベルである。それどころか、沖矢昴は一度コナンより先に真相を見抜き、事件解決のヒントを出すという、コナン以上のシーンもある。

まぁ、漫画的にコナン以上の人物は優作のみの設定の可能性があるが、少なくともコナンと赤井の差はない。

ただ、これはあくまで事件の推理において同じ実力であるということかもしれない。これまで、知識量だったり、発想力・注意力なんかで探偵としての差をつけることはあっても、最初から同じ推理力を持った人物に対して、探偵として必要な頭の切れをより細分化して差を付けるようなことはみられなかった。でも、もしかしたら推理力は同じでも、コナンの方が「先を見通す力」が上なのかもしれない。

先見の明

だが、先を見通す力がコナンの方が上という描写があるのかというとそういうわけでもなく、それどころか、「ブラックインパクト」では、あわやジンに殺されかけそうになったところを、先読みした赤井に助けられている。

コナンはせっかちなところがあるのだが、功を焦ったのか自らの不注意で自分やその周囲の人間を危険に晒してしまった。赤井は盗聴器がジンに見つかることを先読み(万一のリスクに備えた)。そして、見つかった場合に真っ先にターゲットにされるのは小五郎であり、その小五郎をジンが狙う場所まで予測。さらには、そのジンを迎え撃つベストなポジションまで考えて待ち構えていたのである。

これまでの作中描写から想定するスペックでは推理力、先見の明ともに赤井はコナンよりも上であるため、「コナンの方がキレ者だから、共同作戦でも細部のところはコナンの知恵である」とは考えられない。

それどころか、「赤井のほうが上であるが、それにも関わらずこの来葉峠の計画に限ってはコナンが練った」と、その根拠を探さなければならないようになっている。まぁ、基本設定からしてブレているのだが…

本来はコナンの方が上のつもりであったが、話を進めているうちに設定がずれてきてしまったので、ここで改めて定義し直した。緋色シリーズはそういう意味で重要な位置づけとも考えられるかもしれない。

作中の設定

コナンは物語の中で一番格上で全部を見通す人なんですよね。 SDB30

一応の名探偵コナンの作外設定として、いわば、名探偵コナンという漫画ではコナンが雲の上にいる「神」であり全てを見通している。ということになっている。

優作はともかく、赤井ですら一段下で、赤井には見えないがコナンには見える部分がある。それを前提にすれば、最後の最後はコナンがおいしいところを持っていくというか、一人勝ちのような結末になると予想は立てることができるかもしれない。邪道だが、実はこれが一番近道だったり。

ともかく、これは伏線ではない。作中の描写からするスペックではコナンが赤井より先を行くと考えられる根拠もない。では、何を元に推理するのかというところで、次に思い浮かぶのが赤と黒のクラッシュでのコナンと赤井の具体的なやり取りである。

先に説明しておくと、赤井とコナンの計画には「キールを組織に返すこと」、「赤井の死を偽装すること」、「組織の行動(ジンの命令)を読むこと」これらを別に考える必要がある。

次ページへ

sponsored link
コメントはこちら