二元ミステリー:コナンが灰原に変装していた伏線の小ネタ

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作戦の内容

ハートのメール

相手は、コナンの代わりに幽霊船に乗って新一役を演じるという作戦の相談に乗ってくれた人物。このメールの内容をそれにしないと、コナンが事前に身代わりを用意したという伏線がなくなってしまう。

博士を除いてその協力者となってくれる人物は両親の工藤夫婦と服部しかいない。

ハートの「OK」から返信相手として優作は消せるとして、服部に幽霊船に乗ってくるように頼んだのか、それとも有希子に変装を頼んだかになるのだが、じっくり考えると有希子の可能性を事前に消せる。

ベルモット編:ハートのメールの送信者は誰なのか?

消去法では服部しか残らないのだが、やはりハートがネックで、こんなところでも相手を女性に見せかけるようにわざとミスリードしたのかはわからないが、難易度は高い。

工藤邸にいる人物

コナン:(おかしい・・・)(やっぱりおかしい・・・)(昼間、郵便受けをのぞいた時と比べると・・・)(わずかだが水道もガスも電気もメーターが動いてやがる・・・)(誰かいる・・・)(この中に・・・)(フン・・・オレと灰原を監視するには絶好の場所だったってわけか・・・)(二人までなら倒せるが・・・)(三人いたらどうする?)(落ち祐・・・)(メーターの動きの量からすると、いるのは一人かせいぜい二人・・・)(それに・・・)(わずかだがもう一つの可能性も・・・)(な!?) File:429

コナンは最初、工藤邸にいるのは組織の人間(あるいは、可能性は低いが両親が帰って来ている)と考えた。これは、ハートのメールを受信して協力を頼んだ後の話。

その後、コナンは何者かに見つかってしまうが、それが組織の人間で万事休す・・・のわけがなく、その後の展開を見れば何事もなく作戦を遂行できていると考えられるので、そこにいたのは両親(有希子)だと推測できる。

有希子参戦が後付けであるのだから、メールの送信者は服部しかいない。しかし、有希子を登場させて何もしないわけがないので、じゃあ何をさせるかというと、変装の手伝いしかない。これで役者は揃ったことになる。

まあ、最初にコナンが有希子に変装の手伝い、優作に新一の代わりを務めてくれるようお願い。その際、家には組織の人間がいる可能性があり、危険なので阿笠邸に帰ってくるようにした。

その後、コナンは工藤邸にいる組織の人間を退治しに向うが、もしかしたら両親は最初から帰宅していて、自分を驚かせるために帰国していたことをずっと黙っていたのでは?とわずかながらにも考えた… とすれば一応の辻褄は合いそうではある。

コナンが工藤邸に組織の人間がいると考えていることで、有希子参戦が後付けであると論理的に導かせているのであるが、読者が妄想を重ねれば他にもありえなくはないという展開はいくつか出てくる。それが推理と言えるのかはともかく、ここは「真実はいつも一つ」とはならないかもしれない。

有希子の変装術

幽霊船にいる新一が偽者であるのなら、その変装を施せるのはコナンサイドには有希子しかいない。工藤邸の伏線、それに幽霊船にいるメデューサが有希子っぽいところから、彼女の協力を得ていると考えればその予測も立てられる。

服部:(けどビビったで・・・)(工藤の家行ったら、アイツのオカンがいてたんには・・・)(工藤の事が心配でずっと隠れて様子見てたみたいやけど・・・)(まさか人を変装させる特技持ってたとはアルセーヌ・ルパンもびっくりや・・・)(おかげで包帯男のまんま、推理せんで済んだけどな・・・) File:434

結果論で言えば、コナンは有希子が帰って来ていたことは後から知ったのであって、当初は包帯男のまま推理するつもりであったようである。

それでも、ベルモットは幽霊船の様子を盗聴機で聞いていただけであるので騙せたであろう。作戦としては、新一が幽霊船の乗っていると思わせる(灰原がコナンの変装だとバレなければいい)だけで成功。

また、有希子の変装術は「変装ってよりは仮想」(34巻)と言われているくらいであるので、今でこそ当たり前のように使われているが、あんなそっくりに変装させられるとあの時点で推理するのは容易とは言えない。(一応、シャロンと同じ黒羽盗一の弟子ではあるが。)

二元ミステリーでコナンを灰原に変装させたのは有希子であるが、(変装マスクを使用しているため)学園祭の時に灰原をコナンに変装させたのは有希子(変装マスク)だとは明らかにされていない。

学園祭の灰原はカツラとマスク型変声機、それに眼鏡をしているので、それで簡易の変装が可能であったのではないかと。変装マスク使用の場合はそっくりコピーになるのだが、灰原のコナンは眼鏡だけなので目つきが悪い。そのため、眼鏡とマスクを外した顔は女の子のようになっている。

コナン:「あぁ・・・身内の変装は得意だからな・・・」(あ・・・オレにしてくれた灰原の変装もなかなかだったな・・・) File:897

コナンの灰原は有希子の変装であること、有希子が身内の変装が得意であることは85巻の緋色シリーズで言及されるのだが、有希子が服部を新一そっくりに変装させることができるというのは二元ミステリーで初めてわかったこと。(実は、それまで実在する人物の変装マスクを作成したことは一度もなかった。)

そんなところで、「幽霊船の新一は有希子が変装させた」というのは、トリックとしてそれがありであるという前提のものとなる。(ベルモットの場合は完全変装可能な伏線がある)ここは推理と言うか、名探偵コナンの変装ルールをが敷かれた重要な話という役割の方が後々を考えれば大きい。

とは言え、学園祭で服部が自力で行った変装も、白のパウダーと髪型を変えただけであったものの一見騙されそうなくらいそっくり。(周囲には即見破られたが)そのため、「変装させた」という発想が突拍子もないこととは言い切れない。むしろ、初期の頃であるからこそ、「そっくりに変装させたんじゃない?」と安易な推理も可能であると言えるのかもしれない。

包帯男の特長

コナンの代わりに新一役を引き受けてくれる人物でありながら、且つ探偵のような行動と推理ができる人物は服部と優作の二人しか居ない。推理ショーまで声を出さなかったのも、変装である(声真似はできないから)根拠となっている。

まあこの事件、こんなに完璧に他人を変装させられるんなら、平次の役、自分でやっても出来ただろう、有希子・・・って思いますけどね。 SDB50

有希子:「声は似てるもなにも、」「指に付けたマイクに小声で話す平次君の推理を受信して、新一がマスクのマイクで喋り、その声を平次君のネクタイのスピーカーから出してたんだから・・・・・」 File:433

作者は有希子が新一に変装しても良かったと言っているが、服部の推理を聞いたコナンが話すという仕組みなので、どちらにしろ推理役の服部は船内にいなければならない。

推理役としては服部ではなくて優作でも良さそうだが、その場合はハートのメールの送信者が有希子である必要がある。これは前述したとおり、妄想を重ねればありえなくはないか。有希子が帰国していたのだから、優作もセットにすることは可能であろう。

というよりも、最初にハートのメールが有希子だと推理した場合は、突然伏線のない服部を登場させるよりも有希子と一緒の優作と推理するのが自然ではある。

一応、服部と新一の身長が同じくらいなので服部が適任と言うのがあるのだろうが(緋色シリーズで優作が沖矢に変装した理由に身長が同じくらいというのがある。ただし、シークレットブーツを履けない室内であったため。小⇒大なら靴を履けば可能。)、新一の顔を晒すシーンで多少背丈が違っても問題ではない。

包帯男が服部であると推理するにはメールの送信者を理解する必要があるが、伏線回収後ですら問題にされることが多いくらいなので、根拠つきで服部と推理するのはやはり難しいと言える。

声のトリック

「有希子が服部を新一に変装させた」というところはまぁわかるとして、最大のネックはどうやって新一の声を出したかというところなのだけれど、正解は「指に付けたマイクに小声で話す平次君の推理を受信して、新一がマスクのマイクで喋り、その声を平次君のネクタイのスピーカーから出して~」というトリック(笑)新一がゴホゴホ咳をしていたのも、それはコナンの咳であったというオチ。

コナンと新一の声は同一人物でありながらも年齢差もあり微妙に違うので(声優が別なので全然違うが)、新一の声はマスク型変声機で出していたようである。

新一の声を遠方の服部に送り、それをスピーカーで拡声というのはわかるが、コナンは灰原としてジョディと車に乗っている。よく読むと、ジョディと一緒の時からも新一が話しているのだが、非常に器用ではある(笑)その後の様子を見ると、ジョディには灰原がコナンだという事に気づかれていない。

マスク型変声機を通さずに、「マスク下でボソボソと話した内容が~」というのならわからないでもないが… この仕掛けを推理するのも簡単ではない。しかし、これがわからないと、新一の声を出している人物が本当は服部であるということを完全に説明することができない。

名探偵コナンの場合、長編なので先に進むほど過去のケースからこれはできる・できないという線引きがされるので、それを推理の根拠にすることはできる。

スポーツで例えれば、ファールの基準が曖昧で、その試合の中で審判がどこから笛を吹くか、見逃すのかを見極めることも重要になってくる。「これはセーフ」と思われる行為が吹かれた場合、直後に同じことをすれば再び吹かれることが多いが(そうでなければ基準がなくなってしまう)、それは1発目が吹かれて初めてわかること。

同じように「どこまでが許容範囲なのか」というのがわからない状況で考えなければならない部分もあるので、それが読者を悩ませる要因ともなっている。

しかし、二元ミステリーにおける変装合戦は一見変装マスクによる完全変装という安易なトリックのようにも思えるが、単に細かい画系の伏線に気づかせて変装を見破らせるというものではなく、話の趣旨を理解させた上で論理的に推理させる見事なもの。ただ、具体的なトリックはというと、やはりちょっと強引な感じも否めない。

それと、先述したようにありうる可能性は一つとは限らず、伏線を探した上で作者の意図を汲んで答えを出すというか、揚げ足を取ると突っ込みどころは出てくるので、ある程度割り切りは必要かもしれない。

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更新日:2018-3-24

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