阿笠博士=あの方(ボス)説が否定された具体的な根拠

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ここでね、博士が聴いてるじゃないですか?銃声を。で焦ってコナンを迎えに行くじゃないですか。これでね、阿笠博士は確実に、みんなの中からボス候補から外れたなと思ったんですけどね。でもなおかつ疑っている人がいて、なんで~?って思いますね(笑) SDB50

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二元ミステリーのラスト(ラットゥンアップル)のシーンが阿笠=ボスを否定する「確実」な根拠になるとのことですが、この説明では作者がどういう考えをしていたのか、はっきりとわかりませんでした。

阿笠=ボス説の否定根拠としてここを挙げる人も見た事がなかったので、たぶん一般読者がそうした発想に至るのは難しいのではないかと(笑)

一連の流れ

1:ボスがベルモットに「帰って来ておくれ~」とメール
2:それを見たベルモットが返信
3:コナンの仕掛けで打ったアドレスが録音される

(一連の会話を博士も遠くから盗聴器で聞いている)

4:気づいたベルモットが睡眠煙で賭けに出る
5:状況を察知した博士が慌てて向おうとするが、ベルモットは銃で自分の足を撃ち逃走
6:博士が銃声コナンが撃たれたと思い、急いで駆けつける

この中に博士がボスであったら、”ありえない”決定的なシーンがあるはず…

発言からすると、「博士が銃声を聴いた。で、焦ってコナンを迎えに行く。これでね~(確実に外れる)」なので、「銃声を聞き」「焦った博士がコナンを迎えに行く」【6】のところがポイントのよう。

1~3

コナンと博士は仲間なので、博士はコナンの仕掛けを知っていた。ということは、ベルモットにメールを送り返信させれば七つの子のプッシュ音からアドレスがバレてしまうことも想定できるはずで、それにも関わらずメールを送るというのはとんでもない凡ミス。これでも決定的な気が…

博士が自分のところにたどり着くようにわざとコナンにメアドを知るように仕向けたとか考えたら切りがないし、結局、コナンはアドレスを突き止めるも灰原の警告で警察に調べてもらうことも思いとどまるというオチ。最初からそれを読んでいた、なんてことだと今度はわざと教える意味がなくなってしまう。

ベルモットは既に撤退前であったので、この状況を知りつつ「帰って来ておくれ」ならば自分のそばへ戻って来てくれという意味にしかならないのだけれど、そんなメールを博士があえてここでする必要もない。それに、ベルモットは博士のところに戻って来ていない。本当に阿笠邸に来たらまずいし(笑)

4~6

博士は拳銃の「パァン」という音を聞いて驚いている。それが想定外の出来事であったということ。博士は盗聴で会話をは聞いているものの、実際の状況を目で確認できるわけではないので、銃声が聞えた時にコナンが撃たれたと思い込んだ。まぁ、博士がボスであればベルモットが自決したと思い焦ったとも考えられるのだけれど、結果論だが博士はボスではないのでそのパターンはない。

コナンを生かすよう命令を出していない ─

博士=ボスであれば、ベルモットに「帰って来ておくれ」とメールを送ったばかりであるので、「コナンは殺すな」とでもメールすればいいものを、それをしなかったために撃たれて殺されてしまったのではないかという心配をするはめになった・・・なんてアホなミスはしはないだろうということだろうか。

誰かが見ているわけではないので、博士がコナンの心配をしていたことは演技ではない。そのため、あの状況下で命令を出さなかったことがボスではない根拠となる。

後述するが、ベルモットはボスの正体を知っていると考えられ、博士がこれまでコナンを生かしたままにし、ベルモットにも抹殺命令を出していないところからすれば、殺害をやめさせるメールを躊躇する理由はない。

ベルモットが自分を撃った ─

阿笠ボス(仮)が「帰ってきて来ておくれ」とメールしているということは、ベルモットはボスの正体を知っているということになるのだが、「離れた場所でオレの仲間が着信を待ってるぜ・・・」とコナンから聞いたベルモットは阿笠ボス(仮)が車で待機していることを知ることができたはず。(この時点で協力できる仲間は博士くらいしかいない。まぁ優作もありえなくはないか。)

二人で眠った後に拳銃で撃つようなことをしなくとも、後から阿笠ボス(仮)がベルモットを起しに来て先に逃がし、後で博士は何事もなかったかのようにコナンに再会するということもできたとも考えられる。それができなかったのは博士はボスではないから。

阿笠博士が焦っている ─

そもそも、博士がボスであれば江戸川コナンが殺されようが構わないはずで、それなのに殺されるかもしれないと焦って迎えに行ったのだからボスではないとも言える。

ただ、それならコナンが組織を追いかけている時点で邪魔なので野放しにせずさっさと抹殺してしまえばいいわけだし、薬の実験台としてあえて泳がせているなんて考えれば、(これはこれで、おかしなところがあるのだけれど)コナンの心配をして駆けつけたことが、確実に候補から消せると言えるほどの根拠にはならないのではないかと。

銃声に驚いた ─

もしかしたら、博士がボスであった場合、当然ベルモットはコナンのことを殺すだろうと考えていたはずで、それなのに驚いたということが問題なのであろうか。博士がボスなら銃声は想定内なので驚かない。

だが、ベルモットがコナンのことをシルバーブレットと期待していることはベルモットしか知らない一方で、コナンはベルモットが自分を殺しにこない原因は何となくわかっているようで、そのことを博士にも話している。

博士がベルモットのことを他の組織のメンバー同様に、組織の秘密を知った者や裏切り者を例外なく抹殺する人間であると認識していて、そのためにコナンのことを当然殺害するだろうと思っていたのなら、コナンを例外扱いにしている理由をベルモットに問うはずであるが…

というより、コナンと灰原の正体に気づいている阿笠ボス(仮)が二人を殺さずに、灰原とは一緒に生活をしている。また、ボスの正体を知っているベルモットが、コナンと灰原の正体に気づき、阿笠ボス(仮)が灰原と一緒に生活していることを知っている。そして、阿笠ボス(仮)もまた同じく、ベルモットがコナンと灰原の正体に気づき、自分が灰原と共同生活している事をベルモットに知られていることを認識している。

この前提で「博士=ボスがベルモットはコナンを殺すと考えていた」というのはおかしな話。むしろ、殺さない理由があり、それなのに銃声がした(ベルモットが約束を破ったと思った)ために驚いたと考えるべきであろうか。しかし、これは博士=ボスの否定ではなく肯定根拠となる。

シルバーブレットは組織を崩壊させる弾丸で、当然ボスにとってそれは都合が悪い。だから、赤井とは違いベルモットが隠し玉として、それを組織にバレないように秘密にしていることが重要であるのだが、特別扱いされて組織の手が伸びることから守られているという事実を既に阿笠ボス(仮)にバレてしまっているという時点でもう何がなんだか。

しかも、コナンが「離れた場所でオレの仲間が着信を待ってる~」なんてドヤ顔で言いながら、その相手が阿笠博士=ボスであったら、ぷっと笑って即撃ち殺されているところ。ところが、ベルモットも博士も最初からコナンを殺すことができない理由があったために助かっている。なんてことであったのならもはやギャグでしかない。

真相は?

上記の解釈はどれもちょっと複雑で、作者はこんなことを言いたかったわけではなさそう。「確実にみんなの中からボス候補から外れた」「でもなおかつ疑っている人がいて、なんで~?って思いますね(笑)」と言っている。

「”確実”にみんなの中から外れた」「”なおかつ”疑っている人がいて、”(笑)”」である。これは、深く考えなくてもわかる簡単な話ではないかと。

単純に、コナンを心配して助けに行ったので、味方だからボスではないとか、そんな程度のニュアンス。本当のボスがこれよりも難しいトリック、というかトリックなら良いのだけれど、こじつけのようなアリバイ崩しで暴かれるのだとすれば、それならこのシーンでも「確実に外れた~」なんてことは言えないはず。

この程度、と言ったら表現が悪いが、該当のシーンでも十分な否定根拠になり得ると作者は考えているので、作者としての否定根拠の基準は今回の話のレベルで線引きされているはずではある…

また、作者からすればボスを知っているわけなので、ボスにありえない「ボス像」というものがあり、読者にはそれがないので可能性としてありえるもの全てを考慮に入れざるを得ない。

この”ズレ”のせいで「なんで~?って思いますね(笑)」と言われてしまうほどギャップが生まれているのだけれど、逆に考えれば、作者視点で即切りであった該当のシーンでの根拠が何であったのかがはっきりすれば、それは他の候補にも当てはめて考えることができるかもしれない。

うぇぶり限定! 青山先生直撃インタビュー

── ちなみに、ネットでは「やはり阿笠博士では」とか「FBIのジェイムズ・ブラックでは」といろいろな説が流れていましたが・・・

青山 めっちゃ違いますね(笑)

── 阿笠は青山さんが、以前に正式に否定さてれいて、それだと物語が美しくないと・・・

青山 美しくないというか、面白くないというか・・・それだといままでの博士のいい話が全部ダメになっちゃうじゃん。でもほら、ベルモットと対決するところで「いかん新一くん!」って言ってビートルで駆けつけたじゃん(笑)あれでボスじゃないってオレとしては描いたつもりだったんだけど・・・

── たしかに。

青山 なのにみんな、まだまだ「ボスじゃね」って言ってたからね(笑)

「うぇぶり」のインタビューで再びSDB50の件について言及。まず前提としてストーリー作りにおいて、「美しさ」「面白さ」を重視していて、突然博士が「ワシがボスじゃよ・・・」としたら、今まで描いてきた博士のいい話が全部ダメになってしまうということ。

あとは、コナンとベルモットが対決するところで、博士が助けに駆けつけたところは、シンプルにその行動がアリバイになるという意味も含まれているかも。

なので、劇場版やSP版にありがちな、「実はボスが世間体の良い人物を演じながらコナンのそばにいる」ということは基本的に難しいことになる。ハッピーエンドというところも含めて、味方サイドの裏切りは可能性が低いということ。まぁ、烏丸蓮耶自身はコナンとはほど遠い存在で、コナンも話に聞いただけの知識しかない。

この条件なら、ジェイムズ・ブラックに関しても、組織臭がないことだったり、コナンや灰原の正体を知ることができる状況であること、キールがスパイなのを知っていることなどを除いても、阿笠博士同様にこれまでの行動だけで論外だったのかもしれない。もちろん、エレーナ説も話が台無しになるという意味では候補から除外できる。

他に例を挙げれば、名前だけ登場したという意味では阿笠定子も烏丸蓮耶と同じだったが、良い話がダメになるという意味では博士と同じ。叶才三は強盗団であったが、人を殺さないポリシーの持ち主。大黒連太郎は不老長寿を求めていたことから、ちょっとやましいところがあったかもしれない…

烏丸蓮耶は悪人であることが作中の描写からもわかっていた。そういう意味で、取捨選択は非常に簡単なものだったのかもしれない。

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更新日:2018-3-19

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