二元ミステリー|飛行機の演出について

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*二元ミステリーでのベルモットとジョディの会話中、「どうして年をとらないの?」というジョディの衝撃的な発言とともに飛行機が通過する。この演出の意味は?という疑問。

*サンデー:File 433 コミック42巻:「仮面の下の真実」アニメ:「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」

飛行機の演出の意味

まぁ、結論は非常にシンプルなものと考えられるが、これは気分で描かれたわけではない。1ページ丸々使ったカットで、単なる飾りとして爆音をあげた飛行機をドアップで描いたら台無しである。通常重要な伏線のシーンでそんな余計なことはしない。この飛行機にもきちんと意味があるということ。

では何なのかと言うと、この会話中に飛行機がやってくることは計算に入れることができないし、ジョディ&ベルモット双方にもそんなことをする必要がない。そのため、通過のタイミングは偶然、というか漫画上の都合である。

ここはあの時飛行機が通過したという結果に意味がある。ポイントはジョディのセリフと「ゴォォォォ」という爆音が重なったこと。つまり、あの発言は状況的に飛行機の音で掻き消されているのである。

なぜそのような展開にする必要があったのか。それは近くにコナンと蘭がいたから。この時、コナンはまだ灰原に変装して車の助手席に座って様子を見ているし、蘭は車のトランクに隠れている。

ジョディ:「その前にどうしてもあなたに聞いておきたい事があるのよ!」

ベルモット:「あら・・・」「何かしら?」

ジョディ:「貴方・・・」「どうして・・・」

「どうして年をとらないの?」

「私が貴方に目を付けたのは、貴方が母親の棺の前で言ったあのセリフ・・・」

(A secret makes a women women)

「胸を高鳴らせて調べたら、見事に一致したわ・・・」「貴方が私の父を自殺に見せかけて殺した時に・・・」「不自然な落ち方をしているのを直そうとしてつかんだ父の眼鏡・・・」「そのレンズに付着した指紋と貴方の指紋がね!」「でも疑問が残ったわ・・・」「20年も前の事件の被疑者にしては貴方は若すぎる・・・」「まさかとは思ったけど、ある人物の指紋と照合してみたら、背筋が凍り付くような事実が判明したのよ・・・」「貴方が母親のシャロン・ビンヤードと同一人物だって事がね!!」

「そしてやっと見つけたってわけ・・・」「貴方の逮捕を妨げていたその謎を説明してくれそうな証人を・・・・・・」 File:433

太字が飛行機の音で聞えていない部分。その後は聞えてしまっているが、内容は20年前にジョディの両親を殺害したベルモットと、現在のベルモットの指紋が一致したということ。

これだけでは「年をとらない」とはわからない。ベルモットが変装の達人であることを知っている人物であれば、シャロン・ヴィンヤードが若いクリス・ヴィンヤードに変装していると考られるからである。普通は「不老」などという現実にありえないことは想定しない。

コナン:(ベルモットって奴が、灰原を殺すためにオレを遠ざける理由で考えられるのは・・・)(奴の正体が女優のクリス・ビンヤードでしかもシャロンと同一人物だった場合だ!多分変装で二役をやってるんだろうけど・・・)(母さんの知り合いなら、ガキの頃のオレをアルバムとかで見てるだろうから、オレの正体を見抜くのはわけないし、事件に巻き込みたくないのもわからなくはねーからな・・・) File:433

実際に、コナンはシャロンとクリスが同一人物であることを事前に見抜いていたのだが、それはシャロンが変装で二役をやっていると考えていた。この有希子の回想は「どうして年をとらないの?」の後に説明されたもので、コナンがまだ必要な情報が足りずにこの段階のまま思考が止っていることも意味すると思われる。

赤井:「それより見ろ!散弾で裂けた奴の顔を・・・」「やはり、あれがあの女の変装なしの素顔ってわけだ・・・」 File:433

「どうして年をとらないの?」では「変装しているだけ」とも考えられるのだが、後の赤井のセリフにより、現在のベルモットが変装ではない、20年前から老けていないことを決定付けた。

コナン:「に、逃げろ灰原!!」「早くここか・・・」「ら・・・!?」

ベルモット:「Good night,baby(おやすみ ボウヤ・・・)」

・・・

ジョディ:「さっきのドンパチで撃たれたと思って二人共気絶してるわ・・・まったく・・・度胸があるんだかないんだか・・・」 File:433

だが、ベルモットの素顔が明らかになった時にコナンと蘭は気を失っている。これが最初の飛行機のシーンがジョディのセリフを他の人物に聞かせないためのものであると考えられる裏づけ。

赤井のセリフが聞かれてしまうと「不老状態」であることが疑われてしまうので、飛行機の演出の意味がなくなってしまう。逆に、赤井のセリフの時にもわざわざその会話を聞えない状況にしている。

「年をとらない」「変装なしの素顔」という、不老を想起させる二つの決定的なセリフだけを隠していることが、偶然ではなくて意図されたものであると判断できる根拠である。

この時蘭と同じく灰原も気を失っているのだが、灰原は最初の飛行機の時にはまだ現場いなかったが、後からやって来たためにジョディのセリフも聞いていない。ここまで計算されているのだから、二元ミステリーは練りに練った渾身の回であると改めて気づかされる。

灰原に聞かれていないということもかなり重要と思われる。彼女がベルモットの秘密に気づくことで新たに話が進む可能性があるからである。

ジョディ:「きっとこの蘭って子が呼んだんだわ・・・トランクの中じゃ会話は聞き取れなくても銃声ならわかるから・・・」「多分私の家の写真を見て不審に思い、私の事を探ろうとして車に忍び込んだのよ・・・」「そして銃声に釣られて外へ出て、銃口を向けられた茶髪の子を庇ったんでしょうけど・・・」 File:433

ちなみに、蘭の場合はトランクの中は会話は聞き取れなくて銃声しか聞えないという設定のようなので、最初の飛行機はコナン用の演出のようである。

いわゆる、コナンが二元ミステリー終了時点でまだベルモット不老の秘密に気づかないことにし、核心に迫る話を先伸ばしする現状維持の意味があったのだが…

有希子:「自分で買って出たのよ・・・」「相手が銀幕のスターなら、日本の伝説的女優である私をキャスティングしなさいってね!」「でも残念だわ・・・年を食っても輝き続けるメイクの仕方をいつか教わろうと思ってたのに、それがあなたの素顔?」「大女優シャロンビンヤードはただの老けメイクだったなんて・・・」 File:823

ミステリートレインの時点では現在のベルモットの顔が素顔で、1年前のシャロンが老けメイクで作られた顔であったことに気づいている。有希子のセリフであるが、有希子が単独でこれを推理することはできないので、コナンに聞いたと考えられる。

二元終了時点でコナンがまだベルモットの不老に気づかないまま進み、後にコナンが新たな推理をするということもありえなくもなかったのだが、結局はいつの間にかではあるが同じ結論(老けシャロンが若メイクしているわけではない。)に至っている。

コナンがベルモットの秘密に気づくまでの過程やきっかけは作中で説明されていない。仮に二元ミステリーで飛行機のシーンの会話が聞えていたとし、コナン自身が幼児化していることもあり、「不老状態」というファンタジーな発想を考慮に入れることはできても、それを確信する根拠はない。赤井のセリフの時は気を失っているからである。あれがないと、ベルモットの素顔が今の若いクリスであることはわからない。

あえて言えば、「そしてやっと見つけたってわけ・・・」「貴方の逮捕を妨げていたその謎を説明してくれそうな証人を・・・・・・」というセリフから、20年前のベルモットと指紋が一致したにもかかわらず逮捕できずに、証言に灰原が必要であるということから、ただの変装ではなくて組織が開発する薬の影響であると想定はできるかもしれない。

あるいは、ベルモットが幼児化を秘密にする理由が自身の不老状態も関係しているとコナンが気づいた場合であるが、それでも、やはりこれらはただの想像にすぎない。

いつ何をきっかけに真相に気づいたのか。 沖矢(赤井)がミステリートレインの作戦会議で教えたと考えるくらいしか手段はないのだが…

コナンの推理について

コナンは20年前ベル≠NYシャロン=現ベル(クリス)という推理をしているとも考えられなくもないのだが、その具体的な話(何の意味があるのか)を書くと丸々1ページ必要になるのでここでは省略。現時点でコナンがそう考えているという根拠やその結論に至るであろうきっかけは作中にない。

ちなみに、最初の飛行機でのシーン。コナンや蘭だけでなく、ベルモットにも聞えていないのではとも考えられるが、秘密を握っている自分自身に聞えなかったところで意味がない。

「なぜ年をとらないの?」が聞えなかったため否定はしなかったが、ジョディが一人で勝手に話を進めていたのでとりあえず聞いていた… なんてことも同様に20年前ベル≠現在ベルモット説で書いたが、こじつけにすぎないというか、やはりそれを裏付ける根拠もない。まぁこの辺は別記事で。

そもそも、あのシーン。事実がどうであれ、またベルモットが会話を聞えていようがいまいが、ジョディは間髪を容れず話し続けていたのでベルモットが何か返答をする隙はなかったようにも思えるが。

その他の解釈

飛行機にあの方が乗っていて、来日したところだったり。「私の元へ帰って来ておくれ」と言いながら自分で来ちゃってる(笑)

これだとあえてあのシーンで飛行機を描く理由になっていないのですが、一つの伏線に二つの意味があることも増えてきているので、案外ありえるかもしれない?

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二元ミステリー|飛行機の演出について」への2件のフィードバック

  1. 管理人 投稿作成者

    >> 安室零さん

    あの飛行機で映画の宣伝しても誰も気付かないのではないかと(笑)

    実は銀翼というか、原作でベルモット編をやってた時期の天国~迷宮までの映画には、原作と関係するかもしれないと思われる箇所もあるんですよ。

    ベルモット編は組織編の根幹ともなるべき重要な伏線が多く、最近こそ原作とリンクする伏線なんてのを劇場版に仕込ませていますが、あの頃にも作者の考えてるアイデアみたいのを劇場版のシナリオにこっそり入れていたという可能性というのも無きにしも非ずです。

    ただ、銀翼でテーマが飛行機だからというのは抽象的で、それが二元の飛行機と関係するというのも強引すぎますし、何を意味するのかというのもわかりません。

    むしろ、キッドがマスクなしで新一に変装できるというほうが重要だったり(笑)(裏設定があるけど、深い意味はないとインタビューで言及されています。)

  2. 安室零

    アニメの2元ミステリーが放送されたのが2004年の1月で、その年の劇場版が飛行機を舞台にした銀翼の奇術師というのは偶然でしょうか?
    ただの映画の宣伝だった可能性はありますか?笑

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