シンフォニー号連続殺人事件【影の計画師】

sponsored link

2回目のコナンと博士の電話

電話の内容について

蘭:「あ、すいません・・・」「関西弁の男の子を捜しているんですけど・・・」

コナン:(おっ博士だな・・・)「悪い博士・・・」「今ちょっとマズイんだ、後でこっちから掛け直・・・」「え・・・?」

船員:「そのボウヤにいわれた、我々も捜しているんですがどこにも・・・」

蘭:「そうですか・・・」「ホントどこ行っちゃったんだろーね?」

コナン:「へ?」

蘭:「服部君よ!」

コナン:「ああ平次兄ちゃんの事?」「どっかでお魚さんと一緒に泳いでるんじゃないの?」

蘭:「?」 File:229

コナンは博士と電話をしている。電話の相手については後述するとして、この話の内容は服部についてである。その理由は以下の通り。

コナン:「ねえ・・・今、変な水の音しなかった?」

小五郎:「ん?」「カツオでも跳ねたんじゃねーのか?」 File:227

・・・

コナン:「絶対したよ!変な水の音!」「何かが水に落ちるような・・・」

小五郎:「だから魚が跳ねた音だっていってんだろ?」「この辺りはカツオやトビウオの漁が盛んさっていうしよ・・・」

コナン:「ねえ、関西弁の兄ちゃん見なかった?」

船員:「ああ・・・あの少年ならさっき操舵室から懐中電灯を借りて・・・」

コナン:(懐中電灯!?)(だとするとあいつ、外のデッキに出て何かを捜してた可能性が高い!!)(じゃああの水音はまさか・・・)(まさか!!)

蘭:「あっちょっと・・・」

コナン:(バカな!!あいつにかぎって・・・)(そんなはずは!!)「おーい服部!!」「いるのか!ー!」「いたら返事しろ!!」「おーい!!」「服・・・」「部・・・」「ハハ・・・ウソだろ?」「ウソだよな・・・?」「服部!!」「おい!!」「服部!!」「服・・・」

・・・

蘭:「も──何やってんのよ?」

コナン:「だって平次兄ちゃんが・・・」

小五郎:「フン!あいつのこった・・・どーせどっかで犯人の手掛かりを捜してたんだよ!」

蘭:「そうそう!」「心配しないで、その内ひょっこり顔見せるわよ・・・」 File:228

まず、最初に服部がいなくなったことに気がついたのはコナンであり、海に落ちたのではないかと想定して死ぬほど心配している。一方で、蘭や小五郎は手掛かりを探し回っていると考えてそんなに焦ってはいない。

コナン:「ボクちょっとトイレに行って来るから待っててね!」(くそ!服部がいりゃー、事件の事おっちゃん達に自然に聞けるのに・・・)(どこ行っちまったんだアイツ・・・)<パピポ・・・>

博士:「おお!20年前の4億円強盗殺人事件か!」「丁度 今、その事件の特番の録画を見ておったところじゃ!!」 File:228

コナン:(どーした服部?)(なぜ出て来ない!?)(いつものおまえならこの音聞いて飛んで来るはずじゃねーか!!)(いったいどーしちまったっていうんだよ!?) File:229

その後も、コナンは服部が今どこで何をしているのかに気付いたわけではない。

小五郎:「星が・・・」「きれいですなぁ・・・」

鮫崎:「なに!?」

小五郎:「おや?なんですか?」「左舷から近づいて来るあの妙な星は・・・」

蘭:「あ、あれは・・・」「服部君!?」

小五郎:「彼は舳先にくくりつけられた蟹江さんを発見し、あなたに殴り倒された生き証人!」

鯨井:「あ、あ・・・」

小五郎:「もう申し開きはできませんな・・・」「鯨井さん?」 File:230

earing_phone_f229

しかし、眠りの小五郎の推理ショーの時には服部が貴重な証言者であり、犯人である鯨井さんに殴り倒されて海に転落したこと、その後救助されて船に向っていることを知っていた。

コナンが電話を受けた時に、「関西弁の男の子を捜しているんですけど~」「そのボウヤにいわれた、我々も捜しているんですがどこにも~」と蘭と船員が話しているのに、コナンは直後に「へ?」と、とぼける。

「どっかでお魚さんと一緒に泳いでるんじゃないの?」といつの間にか服部のことを心配しなくなり、それどころか服部のことにあまり触れて欲しくないようにふざけている。つまり、その時の電話で服部の状況を聞いたのである。

コナンが服部の状況を知ることが出来た伏線は他にないし、この電話の内容も具体的に明らかにされたわけではないので、シンプルにこの解釈で問題なし。

では、その電話の相手は阿笠博士なのか。コナンは博士と言っているのだが、問題もある。

電話の相手

コナン:(おっ博士だな・・・)「悪い博士・・・」「今ちょっとマズイんだ、後でこっちから掛け直・・・」「え・・・?」 File:229

コナンは電話を受けた時に、最初に「おっ博士だな~」と、相手が阿笠博士だという思って話しを進めている。

博士:<なんじゃ今の音!?>

コナン:「とりあえずいったん切る!何か気付いた事があったら電話してくれ!」

博士:<お、おい・・・> File:228

なぜ博士だと思ったのかと言うと、それより前に一度博士に電話して20年前の事件のことについて聞いているからである。そして、その時に銃声がなり、「何か気付いた事があったら電話してくれ!」と頼んで急いで電話を切っているのである。

その流れから、コナンとしては再びかかって来た電話が阿笠博士だと考えたのは当然のこと。

だが、電話は服部が犯人に海に落とされたが無事であり、船に向っているという類の内容であるはずで、その話をなぜ博士経由で聞くことになるのかという疑問が生じる。

考えられるパターンとしては以下の2通りである。

1.コナンは博士だと思って電話に出る。しかし、「今ちょっとマズイんだ~」というセリフからわかるように、急いでいたために思わず話を進めてしまうが、それは勘違いで相手は服部であった。

2.服部が阿笠博士に電話で自分の状況を伝え、博士からコナンへ事情を説明してもらった。

コナンは思わず相手を間違えたという演出のようにも思えるので1のパターンのようにも思える。2のパターンだと、やはり服部がわざわざ博士に電話する理由がなく、コナンに直接電話すれば済む話だからである。

だが、1には大きな矛盾点がある。海に落ちた服部が自分の携帯でコナンに電話したのであれば、服部の状況を心配してるコナンはまず携帯に電話して確かめればいいのである。しかし、コナンはそうした行動を取ることも、考えることも全くしていない。(電話をかけたが繋がらなかったわけではない。)

服部の居場所を散々捜し、心配していたところを服部から事情を説明する電話がかかってきて、安心したなんてことならコナンは間抜けすぎである。まぁ、彼は焦ると我を忘れてしまう性格ではあるが、この話ではそうしたオチはない。

ということは、この時点で二人はまだ普段から携帯でお互いやり取りをしていないということである。

イヤリング型携帯電話の設定

heiji_phone_f230

実は、このイヤリング型携帯電話というのは、現実世界で携帯が一般に普及する前にコナンに与えられた秘密道具であり、登場初期は一般の人はなかなか持つことができない優れものであったが、携帯の普及とともにコナンも携帯を所持、その後は使われなくなっている。(41巻「4台のポルシェ」が最後)

コナンはこの道具を基本的に事件のデータを調べてもらう時など、阿笠博士との家電話との連絡用に使用している。

コナンと服部が相互に連絡を取って状況を確認するという発想がなかった理由を含めて再考すると─

1.服部はまだこの時マイ携帯を持っていないが、救助隊に借りた。その電話で博士、もしくはコナンに直接電話をかけた。

2.服部はマイ携帯を持っていたが、コナンは博士以外に番号を教えていなかった。(イヤリング型携帯はまだ秘密道具扱い)服部は博士の番号は知っていたので、博士を経由してコナンに伝えてもらった。

この話以前に服部が携帯を持っているかは不明だが、持っていれば2のパターン。ただ、服部が携帯を持っているのならコナンには番号を教えるはずであり、それだとやはりコナンは服部の携帯にかけて安否を確かめるのがもっとも手っ取り早い。恐らく、服部はまだ自分の携帯は持っていないのではないだろうか。

服部:「捨てへんかったんはこのパンツと・・・」「いつの間にか・・・ポケットに入っとった・・・」「この御守りだけや・・・」 File:230

1のパターンなら、まだ電話の相手が服部ということもありえる。どちらにしろ、携帯は海に落ちたら完全にアウトだし、服部はパンツと御守り以外の所持品は全て海に捨てているので、コナンに電話した携帯は借り物確定である。

そもそも、服部が手にしているものが携帯なのかというところだが… 海上無線とか?まぁ、見た目は携帯だし、携帯でなければコナンに直接という可能性は最初から消える。

だが、携帯を持っていない服部にコナンはイヤリング型携帯の番号を服部に教えていた、服部はその番号を暗記していたので、携帯を借りてコナンに電話した…

という解釈はちょっと怪しいかもしれない。まあ、番号の暗唱は服部なら無問題であろうが、服部がいつの間にかコナンのイヤリング型携帯の番号だけ知っているという都合の良い設定になってしまう。

服部:「実は昨日の晩・・・阿笠っちゅうジイさんから電話があってなァ───・・・」

コナン:「え?」

服部:「おまえの相談に乗ったってくれっちゅうんや・・・」

コナン:「相談?」

服部:「なんや知らんけど工藤・・・」「おまえ・・・」「あの姉ちゃんの正体バレかけてるそうやないか!!!」 File:254

服部が阿笠博士の電話番号を知っていたのかというところも同様に問題だが、後にコナンを経由することなく博士から服部へ電話をかけている。服部と博士の二人は以外に親しいのである。

服部がコナンの助手的な存在である博士の番号を聞いているというということは想定できるし、携帯が借り物であったとしても、イヤリング型携帯同様に探偵である服部なら重要人物の電話番号くらい暗記できるであろう。

結局、前述したようにイヤリング型携帯の使用設定である。

この「影の計画師」が描かれたのは1999年春のことであり、まさに高校生が携帯電話を持つほんのちょっと前の話。(一部は所持していたPHS⇒ほとんどが所持する携帯までの過渡期)

携帯がまだ一般ではない時代だからこそのイヤリング型であったわけで、どこにいても阿笠邸にいる博士に電話をかけたり受けたり出来るという、当時としてはちょっとズルい特殊アイテム。

服部─博士間で番号を交換して連絡を取り合っていることは後に描かれるが、単純にこの時期まだコナン─服部の二人は携帯機で連絡を取り合うという設定にしていなかった(服部はイヤリング型携帯の存在は知っていたが、番号を教えてもらってはいない。)だけのようにも思える。

現代の視点ではわかり難いが、服部が博士に電話をし、博士からコナンに電話で伝えてもらったという、一見意味のなさそうな遠まわしの行為もこの時代なら辻褄が合う。

何となく、深読みさせて博士がかけて来たのはコナンの勘違いと推理させたいような流れではあるが、真実はまたその裏というのはこの話っぽいところではある。

次ページへ

sponsored link
更新日:2015-10-24
コメントはこちら