そして人魚はいなくなった

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人魚の噂

寿美:「彼女はマジ本物!本当に人魚の肉を食べちゃったのよ──・・・」「──っていうか─三年前にマジで人魚の死体出て来たし──・・・」

コナン 服部:「に、」「人魚の死体やとォ!?」

蘭:「あ、それってもしかして三年前にTVでやってた・・・」

小五郎:「そういえば聞いた事があるな・・・」「どこかの倉が焼けて奇妙な焼死体が出てきたって・・・」

君恵:「あれはTVが大げさに言ってるだけで・・・」

寿美:「な──に言ってるの?あなたも見たでしょー?」「骨が異様な形に砕けている・・・」「あのグロテスクな・・・」 File:279

冒頭で蘭と和葉が話していた、三年前のTV番組は倉が焼けて人魚の死体が出てきた時のもの。

人魚のお墓

服部:「おいちょー待て!」「人魚人魚ゆうけど、ホンマそれ人魚の骨やったんか?」

君恵:「さあ・・・島の人はそう言ってるけど、本土から来た警察の方は中年女性の焼死体だって・・・」

奈緒子:「中年の女?よくいうわよ・・・それは腰から下の骨がちゃんとあったらの話でしょ?」

小五郎:「こ、腰から下・・・?」

禄朗:「燃え落ちた倉の太い柱が二、三本その焼死体の腰のあたりに落ちて、骨が粉々に砕けていたんだよ・・・」

服部:「それやったらどっこもおかしいトコないやないか・・・」

禄朗:「問題はその柱をどけた後だ・・・」「ほぼ全焼したその倉に鎮火後、足を踏み入れたオレ達 島の消防団は目を疑ったよ・・・」「本来 足があるべき所に、その骨がなかったんだからな・・・」

服部:「な、」「なんやとォ!?」

禄朗:「フン・・・おかげで人魚の死体が出たって大騒ぎだ・・・」奈緒子:「我らが命様も一気に有名人!」

警察は焼死体を「中年女性」と判断しているが、島の消防団が発見した時に腰から下がなかったために、人魚の死体が出てきたと大騒ぎ。それが要因で長寿の命様も一気に有名になった。

奈緒子:「人魚の墓でも捜してたんじゃないの?」

服部:「なに?」

奈緒子:「この森のどこかに人魚の墓があるのよ・・・」「三年前の祭りがあった夜神社の倉が焼けて出て来た人魚の骨が埋葬されている墓がね・・・」「そうよね君恵?」

君恵:「え、ええ・・・そういえば寿美、いつもその墓の事気にしてたから・・・」

森の中には、三年前に倉で見つかった焼死体のお墓がある。寿美はそのお墓のことを気にしていた。

コナン:「でも、警察の人は女の死体って言ってたんでしょ?」

君恵:「ええ・・・きっと祭りで儒良の矢に外れた観光客が、倉に予備の矢が残っているんじゃないかと忍び込み、倉のロウソクをつけたのが出火原因じゃないかって言ってたわ・・・」「結局、一年たっても身元不明でその骨はウチで埋葬する事になったんだけど、その後問題が・・・」

小五郎:「問題?」

禄朗:「墓荒らしだよ・・・」「その墓を掘り返して、骨を盗もうとするバカな観光客が出始めたんだ・・・」

奈緒子:「人魚の骨は江戸時代からその肉と同じく不老長寿の薬と言われてたみたいだからねぇ・・・」

君恵:「その墓荒らしを避けるために、大おばーちゃんが去年 人に頼んでこっそり墓をこの森の中に移したんです・・・」

小五郎:「その頼んだ人って・・・?」

君恵:「さあ、信用の置ける者と大おばーちゃんは言ってましたけど・・・」

服部:「ほんなら墓の場所はあのバアさんとそいつしか知らんわけやな・・・」 File:280

結局、火事は儒良の矢に外れた観光客が倉に忍び込み、ロウソクをつけたのが出火原因だということで一旦は片付けられた。

そして、倉の焼死体は結局1年経っても身元不明。その後、人魚の骨は不老長寿の薬と言われていたため、墓を掘り返して、骨を盗もうとする観光客が増え始めた。

そのため、お墓は命様が「信用できる者」に頼んでお墓を森の中へと移動している。(最終的には君恵の自作自演)

人魚の正体

禄朗:「でもなぜだ 君恵?あの三人は仲のいい幼馴染だったじゃないか!!」

君恵:「母さんの敵討ちに幼馴染なんか関係ないわ・・・」

福井県警:「じゃあひょっとして三年前、倉に火をつけたのは・・・」

君恵:「ええ・・・三年前の祭りで矢が外れた腹いせにあの三人が酔っ払って放火したのよ・・・」「命様に扮した母さんが倉に入るのを見て・・・」「本当の不死の体かどうか試してやるってね!!」「一週間前、矢を失くしてパニクってた沙織に聞くまでそんな事 夢にも思わなかったけどね・・・」

禄朗:「でも、おまえのお袋は五年前、漁で死んだはずじゃ・・・」

君恵:「私が母さんにしてあげてたメイクも様になっていたし、一人二役よりも普段から命様に徹した方がやりやすいって母さんが言うから、漁で死んだ事にしたってわけ・・・」

三年前の火事の原因は、今回の事件で殺害された三人が祭りで矢が外れた腹いせに酔っ払って、命様が本当に不死の体か確かめるためにふざけて放火したことが理由。

君恵さんの母が5年前の事故で死んだというのは嘘。実際は君恵の変装により、一人二役で母が命様を演じて生きていたが、普段から一人に徹するために死んだことにしただけであった。

そして、母の死後は同じように君恵が命様と一人二役を演じ続けていた。

福井県警:「じゃあこの事件は君恵さんとこの老婆の共犯という事か・・・」

小五郎:「いや、これは君恵さんの単独犯です・・・」

福井県警:「はあ?」

小五郎:「禄朗さんは知ってますよね?」「君恵さんの特殊メイク技術は金賞を取るほどの腕前だったという事を・・・」

禄朗:(ま、まさか・・・)

小五郎:「誰かそっくりに変装するのは難しいが・・・」「命様が祭りの時のあの厚化粧の顔しか知られていなかったのなら、その難易度は格段に下がる!」

福井県警:「し、しかしいくら何でも背丈までは・・・」

小五郎:「思い出してください・・・三年前、倉が焼けて発見された腰から下の骨が砕けた寸足らずの奇妙な焼死体を・・・」「あれは恐らく足を折り曲げ、ヒモか何かで固定したまま柱に押し潰されて死んだ女性の焼死体・・・」

倉で見つかった焼死体の足がなかったのは、命様に扮していた君恵の母が、足をヒモか何かで固定したまま柱に押し潰されて焼かれたため。それが人魚と勘違いされただけであった。

服部:「二人きりやない・・・」

コナン:(は、服部・・・)

服部:「この命様のカラクリを知っとった奴は、他にもおったんとちゃうか?」「そやろ?君恵さんが死んだら祭りは今年限りやとぬかしよったジイさん・・・」

島人:「すまん君恵ちゃん・・・島の若い者以外はほとんど知っていたんじゃ・・・」

君恵:「うそ・・・」

島人:「もちろん 三年前、倉で焼け死んだのが、君恵ちゃんの母さんだったという事もわかっておった・・・」

島人:「あの火事の後、話し合って祭りは終わりにしようと言いに行ったんじゃが・・・」「命様に扮してワシらを出迎えた君恵ちゃんを見たら、何も言えんようになってしまって・・・」

島人:「この島は人魚の島じゃし・・・君恵ちゃんが命様を続けるのならワシらは黙って手助けしようという事になったんじゃ・・・」

島人:「島のためとはいえ今まですまんかった・・・」

島人:「勘弁してくれ君恵ちゃん・・・」

君恵:「そ、そんな・・・」「それならどうしてもっと早く・・・」

実は、島の若い者以外は三年前に死んだ君恵の母のことも含め、この一人二役のカラクリに気付いていた。

若い人以外が気付いたのは、小五郎が「命様が祭りの時のあの厚化粧の顔しか知られていなかったのなら~」と言っているように、最初の命様や母が演じる命様、君恵が演じる命様、君恵の母や君恵本人のことを若い人よりも知る機会があったかもしれない。

禄朗:「だったらなぜあの火事の後言わなかったんだ!?焼け死んだのはお袋だって!」

君恵:「あの炎の中、母さんが携帯電話で私にかけて来たのよ・・・」「「君恵・・・後は頼んだよ・・・母さんこの島が好きだから・・・命様を・・・命様を殺さないで」って・・・」「なのに・・・それなのに・・・」「矢を失くした沙織は私にこう言ったのよ・・・」

沙織:(替わりの矢をくれないんなら、人魚の墓の場所を教えてよ?)

君恵:(え?)

沙織:(命様が倉に隠してた人魚の骨を埋めた墓よ!)(私もなりたいのよ命様のように・・・)(炎に包まれても平然と生きてる不死の体にね!!)

君恵:「だから殺したのよ・・・寿美も奈緒子も・・・」「呼び出すのは簡単だったわ・・・祭りで矢が当たったら墓の場所を教えるって言ったら二人共目の色変えてたから・・・」「あれは母さんの・・・」「私と二人きりでがんばってた母さんのお墓なのに・・・」

殺害された三人も島の若い人間同様に、君恵の母と君恵が命様に変装していることに気付いていなかった。そのため、命様が現在130歳(世間的には年齢不詳)の「不老」(年を取っているので不老ではないが)であり、倉で焼かれても死ななかった「不死」を信じていた。

儒良の矢の祟りを恐れたのも、伝説そのものを信じていたため。

そして、倉に火をつけたことを反省するどころか、自分もそんな不老不死の体になりたいと儒良の矢を欲しがるだけでなく、不老不死の源と語られる、人魚の骨が埋葬されている墓の場所を知りたがっていた。寿美がお墓を気にしていたのも、墓荒らしと同じ思考。(墓を荒らそうとしたのは観光客ではなくて、三人の仕業?)

服部:「そうや・・・もっと早よ目ェ覚ますべきやったんや・・・」「不老不死なんちゅう悪い夢から・・・」 File:283

服部が言うように、島人は人魚ブームにあやかっていた。事実を知らなかった三人は不老不死の欲望に取り憑かれていたという悲劇。

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更新日:2018-3-27
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