来葉峠の真相(安室とジョディの推理ロジックとトリック解説)

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安室の推理フロー

TV:(炎上したのは黒いシボレー・・・)(中に乗っていたのは20代から30代の男性で・・・)(発見したのは、偶然 別の事故現場にパトカーで向っていた警察官2名!)(その警察官の話によると、突然目の前で車が爆発したらしく・・・)(遺体に拳銃で撃たれた跡が残っている事から・・・)(警察では殺人事件と見て捜査を続け・・・)(車のナンバーや、かろうじて焼け残った遺体の右手から身元の割り出しを・・・) File:609

ジェイムズ:「その様子だと・・・」「やはり遺体は赤井君だったか・・・」「かといって、水無怜奈を責めるわけにもいくまい・・・そうしなければ彼女の方が殺されていただろうし・・・」「赤井君にそう話していたそうじゃないか・・・」「「いかなる場合でもCIAの任務を優先させるから・・・FBIに不都合な事があっても悪く思わないでね・・・」───とな・・・」 File:609

赤井の死亡偽装トリックを見破るにあたって問題となるのは二点。一つは来葉峠の車内で何者かの遺体(かろうじて右手が焼け残る)が発見されたこと。もう一つはFBIが警察に指紋を調べさせ、赤井(と勘違いした)と遺体の指紋が一致したこと。

上記二つの問題を解決するためのピースが、神社で得た情報と杯戸中央病院で得た情報の二つ。

1.赤井が缶コーヒーを落としたことと、携帯を触らせた順番が「汗かき男→楠田→ピースメーカー→赤井」であることから、赤井が指紋をつかない細工(指にコーティング)をして、楠田の指紋だけが携帯に付くトリックを考えることができる。

2.楠田が拳銃で自害しているのに遺体が見つかっていないことから、楠田と赤井の遺体をすり替えて身代わりにするトリックを考えることができる。

これだけならそれほど難しいところはない。あらかじめ赤井が生きているという前提で考えれば、来葉峠の事件には何かトリックがあることになる。そして、トリックがあるという前提で考えれば、それが何なのかに気付くのは安室なら容易であろう。

安室:「まあ、単純な死体すり替えトリックですけどね・・・」

沖矢(優作):「ホォー・・・ミステリーの定番ですね・・・」 File:895

死体すり替えトリック自体は単純でありミステリーの定番とされる。

なぜ赤井が生きていると思ったのか

前述したように、トリック自体は難しいものではなく、あらかじめ「何かある」と踏んでかかればあっという間に真相にたどり着ける。組織で「探り屋」とされている安室なら推理だけでなく、そのために必要な情報さえもいとも簡単に手に入れることができるであろう。

では、何が問題なのかというと、最初から赤井は生きている(偽装トリックがある)という考えで調査を進めていかないと、携帯を触った順番などは何の意味も持たないということ。

「赤井は生きているのだろうか、死んでいるのだろうか」⇒「赤井がコーヒーの缶を落とした」⇒「缶コーヒーを落とした…それは怪しい」⇒「もしかしてコーティングをしていたのか!?」⇒「赤井はやっぱり生きている!!」という発想をしたわけではない。これでは、街で缶を落とす人を見る度にその行動を疑わなければならなくなる。

最初から偽装に関係するトリックがあるという前提で考えるため、その仕掛けが「缶コーヒーを落とした」という話をヒントに、そこに何か秘密がある。コーティングではないかという発想に至ることができる。

ここまでの過程

ミステリートレインまで ─

ジン:「奴は、赤井が死んだことを信じようとはしなかった、赤井を殺れるのは自分だけだと息巻いていたから、無理はねぇが」 File:703

コナン:「本当に赤井さんが死んだかどうか確かめるために・・・あの姿で赤井さんの知り合いの周りをうろついていたんだ!」「FBIが彼の死を偽装してるなら反応でわかるから・・・」「まぁ、ベルツリー急行の時は彼を赤井さんに変装させてたベルモット本人が赤井さんに成り済ましていたみたいだけど・・・」 File:850

元々、バーボンは赤井が死んだことは信じていなかった。そのため、本当に生きているかどうかを確かめるために火傷赤井に変装、関係者に近づき様子を探ることで真相を確かめようとした。

しかし、コナンサイドの作戦は「敵を騙すには味方から」という考えでジョディ達ですら騙していたために、バーボンは逆にその死を納得させられることになった。

ミステリートレイン後 ─

安室:「ええ、確証を得たらすぐに・・・」「でもこれだけは言っておきましょう・・・」「恐ろしい男ですよ・・・」「あの少年は・・・」 File:852

先述したように、神社の話の終わりには「確証を得たらすぐに」と、赤井が死亡を偽装したその具体的な方法についてまで大まかな想定が出来ている。

安室:「じゃあ楠田陸道って男の事とか知りませんよね?」 File:890

そのため、次のピースを手に入れるための杯戸中央病院には「楠田陸道って男~」と最初から楠田が目当てでやって来ている。

遺体すり替えトリックを頭に描いてからでないと、遺体のダミーとして使われる楠田についての情報を得るという発想には至らない。

赤井が生きていると判断した時期

安室が偽装トリックに関する最初のピースを手に入れたのは神社の回であり、その話の終わりには指紋偽装や死体すり替えのイメージが出来上がっている。

ということは、その話の途中、もしくは神社に来る時点で既に赤井は生きているとほぼ確信、死亡を偽装するトリックが何かあると考えていることになる。

また、ミステリートレインから神社のお花見までに起きた出来事は、安室が眠りの小五郎のトリックに気付いたこと(コナンが頭の切れる少年であること)。

ジョディの追憶とお花見の罠 ─

先に後者から説明すれば、この場合はお花見に来た時はまだ赤井が生きているかどうかの調査。ミステリートレイン前で行っていた振出しの段階であった。

ジョディの話も、もしかしたらボロを出して生きていることを漏らすかもしれない程度の気持ちで聞いており、コーヒーの話はその時点で重要なキーになるとは思ってもいなかったということになる。

弁崎が火傷赤井について聞いた時に、必死になってコナンが「どこで見かけたの~」と問いただした時と、灰原が赤井について聞いて「気のせいなんじゃないか~」と返答したところは、赤井が死んでいると考えている場合でもジョディが同じ反応であるようにおかしな点はない。

では何かきっかけで赤井は生きているとほぼ確信したのかというと、ジョディが携帯の触った順番を回想した時にコナンが焦ってはぐらかしたところであろうか。ジョディが緋色シリーズで来葉峠の真相に気付いた理由の一つは、この時のコナンの様子がおかしかったこと。(決定的なのは安室が最後のピースを手に入れた後であるが。)

しかし、あくまで盗聴であるので、ジョディと違いコナンが動揺する様子まではそれほど詳しくはわからないし、ちょっと話を反らしただけのことでしかない。

コーヒーの話を聞いた時点ではどうでもいい些細な話と受け止めていたが、その後のコナンの不自然な様子から赤井が生きていると疑い、その直後にはもう携帯の指紋偽装と遺体すり替えトリックまで描いてしまっているというのはさすがに要領が良すぎる。

わざわざ弁崎と素江に変装して盗聴器を仕掛けてるという手の込んだ作戦で来ているところからも、最初からもっと疑いをもって近づいてきたのではと考えられる。

ミステリートレイン ─

安室:「ベルモットか・・・」「悪いが彼女は僕が連れて・・・」「手榴弾!!」「だ、」「誰だ!?」「誰だお前!?」

安室:(まさか・・・)(さっきのあの人影は・・・) File:824

ミステリートレインでは、安室は煙越しに対面しただけなので、赤井の顔ははっきりと見えてはいない。そのため、「誰だ!」と言っている。

その後、安室は一度は死んだと考えた赤井の再調査をまた一から始めることになる。なぜかというと、「まさか」と考えているように、人影が赤井だと思ったから。

ちょっと前に赤井は死んだと確信したばかりなのに、そのすぐ後に赤井は生きていると考え直した。これは、キレ者である安室があっという間に手のひらを返したわけだから、その人影が赤井であるという、かなり強い疑いを持っていたと考えられる。

密室にいるコナン・謎解きするバーボン、甘く冷たい宅配便 ─

この期間に安室が得た情報は、コナンがキレ者であるということ。元々、安室はキールとの一件でシェリーと繋がる何かを小五郎が持っていると疑い近づいてきたのだが、眠りの小五郎のトリックに気付いた後になってみれば、それはどうやら小五郎ではなくてコナンであったと考えたはず。

先述したように、神社で言った「恐ろしい男ですよ あの少年は」の意味は、幼児化に気づいたわけではなくて、偽装トリックを裏で操っていたのはコナンだったということ。なぜそう考えたのかと言うと、キールやジンに盗聴器を仕掛けたのは恐らくコナンで、FBIのジョディともかかわりがあるから。

もし赤井が生きているとしたら、コナンが何らかの秘密を握っている。最初から偽装の疑いを持った上で、神社にジョディとコナンの話を盗聴しに来た。そうしたら、コナンの慌てように、コーヒーや携帯の件について、指紋の認証トリックを覆すことができそうな情報も聞くことが出来た。それでピンと来て、「確信が持てたら~」「恐ろしい男~」と頭の中でシナリオを描いたのではと思われる。

ミステリートレイン前は「赤井が生きているかどうか」の半信半疑の調査であったが、ミステリートレイン後は「赤井が生きている」という意識を強く持っている。

「生きているかどうか疑う」状況から、いきなり具体的な偽装トリックまで描くのでは、間に「生きていると考えられる」という段階をもう一枚挟まないと飛躍しすぎてしまう。

同じ赤井生存調査でも初期とは認識が違う。そのため、ミストレ以降は生死の確認をする行動はしておらず、もっと具体的な情報集めに入っている。

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更新日:2018-3-28
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