幼児化した人間は成長するのか

sponsored link

APTX4869で幼児化した人間(コナンと灰原)は解毒剤を飲まなかった場合、そのままの成長(身長が伸びる)過程をたどり、10年経てば元の高校生2年生の姿になるのか、それとも成長しないのか。

初期の頃からの読者の疑問であるが、まだこれを確定できるほどの強い根拠は作中になく、今の段階では最終的にどちらに転んでもおかしくないよう含みを持たせている。

けれど、これは非常に重要な問題で、この設定によりAPTX4869の効果とそれを使用した組織の目的が何なのかが絞られてくることになる。逆に言えば、絞らせないためにもまだわからないようになっているとも言えるかも。

領域外の妹がコナンと同じ7歳児まで幼児化、その後、風邪やパイカルなしに経過年数分の成長をしていた場合は通常の成長ありと判断できそう。しかし、まだ幼児化なのか、いつどのくらいの年齢になったのか、病弱設定の意味や元に戻る方法に気づいているのか等一切不明である。

問題点の整理

一応ベルモットに関しては「老化していない」という前提。

1.幼児化から成長する⇒その薬を利用して組織ができそうなことは〇〇
2.幼児化から成長しない⇒その薬を利用して組織ができそうなことは〇〇

1.2.がはっきりしないので、そこから組織の目的を論理的に導くということはできない。「組織の目的は〇〇である」、と目的が判明すれば必然的に薬の効果も想像がつく。薬の効果もその目的を達成できるものと考えることができるので、成長するのかしないかという、結果によって全く別の薬になるようなところではそれほど迷いは生じない。

ただ、その目的もいくつかの推測はできてもまだ1本には絞れない。もちろん、作者は既に多くの正解を導くための伏線を用意しているだろうけれど、読者にはまだどのピースが必要で、またどのピースが不要なのかの取捨ができないため、どうにでも考えることができてしまう。

どちらかというと、薬の効果を先に明らかにし、そこからその薬を使って組織が何をしようとしているのかを推理させるほうが展開としては面白いのではと思われるが… コナンが「奴らはこの薬で一体何をするつもりなんだ?」という具合に。

現在は、日常編で言うところの「これをすればあの人のも犯行が可能だ…でも、あの人がやったという決定的な証拠がない…」「でも、こうすればあの人にも犯行ができてしまう…」といった状況であろうか。

薬の完成度について

細かく分類すれば現時点での完成度というのも関係してくる。最新の研究と数年前の研究でも違いがあるかもしれない。

3.本来は成長させたいが、今の薬では成長できない。
4.本来は成長しないようにしたいが、今の薬では成長してしまう。

現在地でどうなのかではなく、目的地が組織の目指す薬の効果。ただし、薬が未完成であったとしても、例えば幼児化の先である小人化、あるいは赤子化という効果での未完成ということもあるので、必ずしもその後の成長の有無についてとは限らない。

薬の完成度については、APTX4869の研究者である灰原自身が知っているはずであるが…

灰原:「・・・・・・」「死者を蘇らせる秘薬・・・」「・・・とでも言えば満足かしら?」「まあ安心しなさい・・・私の研究の目的はそんな夢のような薬じゃないわ・・・」「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい代物・・・」「そう・・・この小さな国の女の子にしか必要とされない・・・」「雛人形のような物だもの・・・」 File:384

灰原は薬のことや組織の目的について具体的なことはほとんど話してくれない。18巻でコナンと出会った話で、幼児化についての現象。それに、24巻「黒の組織との再会」では死を覚悟した時にAPTX4869の成分をコナンに伝えようとしたが、その後生き延びることができるとわかってからは再び真相を隠すようになっている。

ボスはともかく、薬の研究者は灰原自身であるし、それを使った目的まで灰原は知っている可能性がある。

本来なら、この謎は苦労して組織に探りをいれなくとも、真実を知っている人物がすぐそばにいるため、伏線の回収としても灰原に語らせるという手段であっさり回収することもできる。それを語らないのは漫画の都合なのだろうけれど、裏を返せば限られた情報から効果を推理してくださいという事でもあろうか。

灰原の知っている情報

5.研究者である灰原自身も本来の目的(薬の効果)に気づいていない可能性も。

ところが、灰原自身も本当の効果を知っていると断定できるわけではなかったりする。

灰原:「・・・・・・」「死者を蘇らせる秘薬・・・」「・・・とでも言えば満足かしら?」

「まあ安心しなさい・・・私の研究の目的はそんな夢のような薬じゃないわ・・・」「この地球のほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい代物・・・」「そう・・・この小さな国の女の子にしか必要とされない・・・」「雛人形のような物だもの・・・」 File:384

灰原:(ごめんお母さん・・・)(私・・・わかってなかった・・・)(こんな薬・・・)(作っちゃいけなかったって・・・)(でも・・・みんなを巻き添えにしない為でに・・・)(今はこの薬に頼るしか・・・) File:821

灰原はコナンに聞かれた灰原が両親から引き継いだ研究について、「ほとんどの人間にはその価値を見いだせない愚かしい代物」と答えているのだけれど、ミステリートレインではAPTX4869の解毒剤を握り締めて「わかってなかった」「こんな薬作っちゃいけなかった」と後悔している。

作って後悔したのはAPTX4869ではなくてその解毒剤なのだけれど、それに後から気づいたということは、灰原がまだ知らない事実もありえるということ。

灰原:「そうよ・・・試作段階のあの薬を勝手に人に投与した事も、組織に嫌気がさした理由の一つだけど・・・」「最も大きな原因は私の姉・・・」 File:179

元々、灰原は例え粛清されそうになろうとも、自分の意思で組織の命令に背く度胸と倫理観をを持ち合わせていたのだけれど、それでも当初は薬の研究を続けていた。それが、姉が殺害されたことが大きな要因とは言え、薬を殺人の道具として使用されたことがボイコットする理由の一つであったのだから、灰原が当初からAPTX4869は「ほとんどの人にはその価値を見いだせない愚かしい代物」と認識していたのは確かなようである。

APTX4869の研究について、殺人の道具として利用されるまではそれほど問題視していなかった。解毒剤は最初は元の姿に戻るために良かれと思って作ったが、後から何かに気づいて「作ってはいけないもの」と悟り後悔した。

ただし、ここは解毒剤の恐さに後から気づいたという考えだけでなく、単純に命を犠牲にして両親が作ろうとした研究を中断し、その効果を消してしまう解毒剤という、全く正反対の薬を作ろうとしたことへの後悔など様々な解釈が可能。そのため、必ずしも薬の効果や組織の目的について、知らなかった事実に気づいたとは言い切れない。

この辺は細かくなるので↓を参照
エレーナのテープの続き

灰原:「仕方ないじゃない・・・」「毒なんて・・・」「作ってるつもり・・・」「なかったもの・・・」 File:179

APTX4869の「証拠が出ない毒薬」としての効果は偶然できたものであるので、毒薬を作らされるのであれば、最初から研究は拒否していた。

エレーナ:(実はお母さんね・・・)(今、とても怖ろしい薬を作ってるの・・・)(ラボの仲間は夢のような薬って浮かれてるけど・・・)(父さんと母さんは願いを込めてこう呼んでるわ・・・)(シルバーブレット・・・)(銀の弾丸ってね!) File:821

エレーナのセリフからすれば、灰原の言い分とは食い違いがある。宮野夫婦は研究中の薬を「とても恐ろしい薬」と考えている。しかし、それでも宮野夫婦はある意図を持って薬の研究をしていた。

こうなると、APXT4869についても灰原自身がその効果・目的の全容をきちんと把握していたと必ずしも言い切れないところはある。

灰原自身が、効果の安定こそないものの実験は成功したと考えたとしても、まだその続きがあるという可能性も。ここが非常にもどかしいことではあるが…

考察のポイント

前述したように、重要なのは薬の現時点での完成度ではなく、最終段階でどうしたいか。そして、灰原がそれを知っているか(知ってたか)は定かではない。

ただ、研究者である灰原はAPTX4869に使われている成分と、それを使った薬の想定される効果というのはわかっているはず。マウスの実験で幼児化を見ているし、それにより新一の幼児化も想定。ピスコと対面した時の薬についても聞いている。

知らない事実があるとすれば、それを使って何をしたいかと、さらなる改良が加えられた場合のこと。例えば、APTX4869だけでは大した使い道はないが、解毒剤や板倉のソフトと合わせると非常に有用な使い道が出来るとか。

次ページへ

sponsored link
更新日:2016-9-12
コメントはこちら