月刊BLT 6月号 2012

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斉藤…「青山先生も、サッカーファンだと聞いています。いつ頃から、どういうきっかけでサッカーが婦きになったんですか?」。

青山剛昌先生(以下、青山先生)「サッカーが好きになったのは”ドーハの悲劇(93年に開催された日本代表とイラク代表のサッカーの国際試合の頃からだね。あの試合は93年だから、コナンが始まる前だね。日本中が、がっかりした試合だったけど・・・頑張れって気持ちにもなった、あの頃からサッカーは好きですね」。

斉藤「ロベルト・バッジョ選手(イタリアの至宝と呼ばれた選手)が好きだと聞いたのですが、他に好きな選手は?」。

青山先生「確かにバッジョ選手は好き。他にはCSKAモスクワで活躍している本田圭佑選手もいい。カッコいいよね、喋りが。面白いし、ああいう選手が好き。あと昔だと、ヒデかな。コナンにもヒデっているけど、コナンの方のヒデ”赤木英雄”の方が先ですから(笑)」。

内山「そんなサッカーファンの先生だからこそ、今回、劇場版シリーズとして”サッカー”を題材にするにいたって、先生のこだわりが込められたと思いますが、いかがですか?」。

青山先生「やっぱり前回のワールドカップ南アフリカ大会での遠藤選手のプリーキック、凄かったよね。遠藤選手の、あのときのフリーキックは凄いカーブで、弧を描きゴールネットに・・・これを、コナンに蹴らせたい!!そう思ったんだよね。その思い入れは、込められたかな(笑)。本田の無回転シュートもいいんだけど・・・今回の作品的に無回転だと無理かなと思って(何で無理かは劇場で確認して下さいね)」。

ドーハの悲劇は、1993年FIFAワールドカップ予選「日本×イラク」で、日本の初出場が確定するまでわずかな時間を残す状況で、試合終了間際のロスタイムにイラク代表の同点ゴールが入り、予選敗退が決まった試合の日本側の通称。三浦知良選手、中山雅史選手、 ラモス瑠偉選手などが試合に出場していた。バッジョ選手は熱心な仏教徒で親日家でもあり、日本での引退試合も計画されていたらしい。

”ヒデ”は中田のオマージュかと思っていたけど、コナンの方が先。

斉藤「劇中でコナン君、リフティングがすごく上手でしたね」。

青山先生「えっ~とね、1巻ぐらいにしか出てこないんだけど・・・コナンが推理をするときに、リフティングをしていたら面白いなあ~と思ったんだけど、リフティングのシーンを描くと意外とコマをくっちゃうんだよね(笑)。だから1回しか、やってないんだよ。だから今回は、せっかくだし・・・コナンにリフティングを思う存分、やらせてみました(笑)」。

内山「現役の選手の方々に声優を実際にして戴きましたが、どうでしたか?」。

青山先生「みなさん、頑張って戴いてよかった。カズさん(三浦知良選手)は、とても自然な感じだったし」

松田「今回の作品の構想期間はどれぐらいでしたか?」

青山先生「う~ん、だいたい2年前から始めたね。それぐらいから始めないと、間に合わないから」。

蛇川「作品中に出てくる東京スピリッツ、ビッグ大阪のユニフォームデザインは、どこかのチームのユニフォームからインスピレーションはありました?」。

青山先生「そうですね、東京スピリッツはイタリア、セリエA”ユベントス”。昔(ロベルト・バッジョがいた、あのチーム。ビッグ大阪は、特にないんだけど・・・あえて言うなら、昔の浦和レッズ、鹿島アントラーズの襟部分など参考にしたかな」。

リフティングのシーンはコミック1巻で出ています。他にもあったような気がしないでもない。

58巻でコナンがリフティングをしながら話を聞いて、灰原に「本当にわかってるの?」と言われたシーンが印象的で、真っ先に思い浮かびました。

映画は構想に大体2年くらいかかるらしい。これは毎回同じようなスケジュールでやっいるようです。なので、その年に作られた映画は2年前から構想されたもの。

東京スピリッツは「ユベントス」。ビッグ大阪はあえて言うなら「昔の浦和レッズ」「鹿島アントラーズの襟部分」など。

小林「私は試験勉強など集中したいときは朝起きて、自分の世界に入り込むようにするのですが、先生は作品を描かれるときどうされていますか?」。

青山先生「音楽がかかっていると集中できないかな、だから無音ですね。たまに気分転換したいときに、音楽をかけたり気晴らしに映画を見たりします。集中して考えるときは、絶対に音はない。逆に絵を描くときは、音楽をかけますね。昔は大滝詠一さんとか、ブルーハーツ(後のハイロウズ)。ブルーハーツは”100のバイオリン”という曲が大好き。がっかりすることがあると、この曲を聴くんです。だいたい、オレの頭の中って、この曲の歌詞みたいですよ。ちなみにブルーハーツって、コナンの最初の主題歌寿ル(”胸がドキドキ”という曲)。あとはアニメを流したり・・・もしますね。例えば”ちはやふる”は超面白くて、あれはいいですね。”ちはやふる”を流しながら、コナンの殺人シーンを描いたりしましたよ(笑)」。

実際、集中したいときは音はないほうがいい。気分転換には有用。

ブルーハーツは若い人でも一度は聞いたことことがあるであろう、「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」「情熱の薔薇」「人にやさしく」などで有名。

内山「今回のようにサッカーという要素の中に、事件、推理、爆破などの要素を入れて、一つの作品として完成させるのは大変だったと思いますが、どうでしたか?」。

青山先生「もう大変でしたよ(笑)。たぶん知っていると思うけど、漫画の原作でサッカースタジアムで犯人が狙撃して、コナンが阻止するというのをやってしまったので、狙撃はもうできないし(笑)。狙撃できないなら爆発しかないよね(笑)」。

内山「打ち合わせは何度も重ねるんですよね?」。

青山先生「打ち合わせは、だいたい僕の家でするんだけど、暗号をどうしようとみんなで悩んでいたとき、仕事場でトリックの一部を完成させて。これにしよう”と言って決めたり・・・。トリックは思い浮かんで決まるときは早いんですよ。作品を完成させるときは、まず。トリックを完成させる、トリックが決まらないと全然、語しにならないので。今回の場合だと、サッカーに全体が引っ張られ過ぎると、よくないし。トリックをしっかり決め、そしてサッカーの要素などを加えて、完成させました」。

児玉「今回の作品は、今までの作品と比べて実在する人が登場人物として出演していましたが、実在する方が登場する上での、先生のご苦労を教えて下さい」。

青山先生「オレの苦労はなくて、出演交渉する人が大変だったと思う(笑)。オレは”こんな選手がいいよね”とか言っていただけだから。脚本家の古内さんが遠藤選手や実在する選手に合わせた台詞を考えたりするのも大変だったと思う」。

映画は漫画と同じにならないように考えているらしい。サッカー場での狙撃は「競技場無差別脅迫事件」(19-20巻)かな。

「11人目のストライカー」は、実在数する人物が登場するという新しい挑戦をしており、それも映画の見所の一つ。

児玉「これまでの作品で、実在する人がモデルになっているキャラクターはいますか?」。

青山先生「う~ん、あったかな?そうそう、高木刑事だけ実在ではないけど、漫画家”よしまさこ”さんの作品で、です・ます調のキャラクターがいて、そのキャラの見た目でなく、中身を参考にさせてもらった」。

藤田「先生が今回の作品を実際に観て特に印象に残ったシーンや”細かいところだけど、ここにも気づいて欲しい”というシーンがあれば、教えて下さい」。

青山先生「お~っと思ったのは、スタジアムの電光掲示板が爆発して・・・あることがおきるじゃない!?あとコナンのサスペンダーが(あとは劇場で)。それとカズのシーンが良かった、全体的にアップテンポな進行の中で、ゆったりとしていて」。

「です・ます調のキャラクター」云々は以前のインタビューでも言っていました。

「あること」「コナンのサスペンダー」は映画を見てのお楽しみ。

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