教えて青山先生 ─ 1
先生の好みのキャラは?
─ 女の子向けの本ということで、いきなりですが、先生の好みの夕イブからうかがってもよろしいですか?
ああ~!?(大爆笑)いいですよ。
─ 登場人物でいうと、どのキャラクターが好みなんでしょうか?
女の子で言ったら蘭ですね。あとはコナンのお母さんの有希子。有希子のモデルは、峰不二子です。実は髪形もパクリなんですよ。
─ だからあんなに胸が大きいんですか。
みんなが好きそうな人がけっこう好きなんですよね。
─ 先生の作品に出てくる女の子って、みんなスタイルいいですよね。
そうですね。怪盗キッドが出てくる「まじっく快斗」のヒロイン(中森青子)が、胸ない設定なんですけどね、唯一。あれも「桃子」じゃなくて「青子」なんですね。
─ ああ、色でちょうど桃子ちゃんのファンだったころに描かれた作品なんですね。
そうそう、そのころ。で、中森明菜も好きだったから「中森」に。
ハハハ。胸も大きいし、変装もできるし。ハーレーに乗って革ジャンも着ちゃいます。変装の技術なんかもルパン三世から来てますね。
─ 具体的に女優さんでは誰か、いらっしゃいますか?
そうですね。昔は菊池桃子。今は・・・ちょっと前までだと広末(笑)。あと優香とかね。
─ ちょっと癒し系っぽい優しい感じの人がお好きなんですね。
中森明菜はどっちかっていうときつめですよね。松田聖子より中森明菜が好きだったんですよ。
─ 聖子ちゃん派、明菜ちゃん派ってありましたもんねえ。
中森青子って、菊地桃子+中森明菜なんですね。ちょうどファンだった頃の作品って時代を感じます。
そして、有希子(ベルモットも 「少年サンデー33号付録」で詳しく解説)はルパンの峰不二子のオマージュ。髪型にハーレーや革ジャン、そして変装術までも。まさかそこまでとは。
作者は自分の好きなタイプの女性とか趣味をオマージュすることが多いようなのですが、あがった人達をイメージしたキャラはいるのだろうか。、
広末は一応僕っ子として売り出していたようなので、越水七槻的なイメージかな。あんま似ていないけど。中森明菜は目暮警部の奥さん的な・・・
⇒スタイルは… 後に色々なキャラが出てきます。
幼なじみとの恋愛について
─ 物語では幼なじみ同士の恋愛が同時進行していますが、先生は幼なじみの女の子を好きになったことはないですか?
う~ん。ないですね。(即答)
─ そうなんですか?子どものころよく探偵ごっこをされていたとうかがっています。その中に女の子がいたりしなかったんですか?
ああ、う~ん。そこにはいなかったんだけど、小学校のとき山にキャンプに行く授業があって、入っちゃいけない奥に行って迷っちゃって・・・。オレたち男の子グループのほかに女の子グループも来てて。そこで会っていっしょに出ることになったんだけど、その中に好きな女の子はいました(笑)。
─ なんだか楽しそうですね。おいくつぐらいのときですか?
小学生ですね。だから木の切り株を見て方角を判断して・・・。かなり迷っちゃったもんだから、女の子とか泣き出しちゃったりして。「やべえなあ」ってことになって。なんとか大回りして出たんだけど、ただ帰ったら怒られると思ったから、みんな着く直前に泣きまね。みんなに「泣きまねだぞって言ってね(笑)。
─ ずるい(笑)。そしたら怒られないですみました?
怒られませんでしたねえ。「怖かったよ~」とか言って。まったく怖くなかったのにね。すっげえ楽しかったんだけどね。
「木の切り株を見て方角を判断して・・・」子供の頃から光彦のように色々な知識持っていそう。(「オトナファミ(2011/6月号)」などのインタビューで、自分は光彦タイプとのこと。)でも、小学生で迷子になると男子でも不安になるものですけど、なかなか度胸もあったようで。
応援してあげたいカップルは?
─ 先生が応援したい作中のカップルは誰と誰ですか?
それはやっぱり新一と蘭だね。新一がちっちゃくなっちゃってうまくいかないし。
─ 読者も新一だけじゃなく蘭のことも好きで、ふたりを応援したいという感じですよね。
ああ、出だしがそうでしたからね。最初から好きあってる、両思いだってわかってるからじゃないでしょうかね?たとえば話の途中まで嫌いなフリしてて、コミックスで言うなら8巻くらいで急に「ああ、好きだったのかな?」っていうんじゃなくて、最初からだったからかな。それでいてちっちゃいからうまくいかないじゃないですか。
─ そこがまた切なくて、みんな応援したくなるのかもしれないですよね。登場人物はみんな、基本的ににぶいですよね。
あ、そうそうそう。声優の林原めぐみさんにも言われましたよ。「なんかにぶすぎ」って(笑)。たぶん「自分のことじゃないだろうな」と思ってるからだろうね。
─ そのじれったい感がまた、読んででみんなおもしろいんでしょうね。
よし、じゃあもっとじれったくしよう(笑)。
– (笑)けっこう「哀ちゃんとコナン君をなんとかしてあげてほしい」っていう声もあるんですよ。
はいはい。ああ~。無理無理(笑)。
– やっぱり無理なんですか?哀ちゃんは、工藤くんと江戸川くん、どっちのことが好きなんですか?
ちっちゃいほうが好きなんでしょうかね?コナンのほう。林原さんに「でっかいヤツはいいから、ちっちゃいほうちょうだいよ」って言われてますからね(笑)。
最初からお約束ってのはコナンのラブコメには合ってるかもしれません。「誰とくっつくんだろう?」というのは推理するところではないので。いや、それはそれで面白いのかも?
相手が決まっていないと、ファンの中でもああしろ、こうしろと色々な意見や不満が出てしまうこともあるんですが、最初から「ツバ付けとけ」(笑)的な考えなら気にせず予定通り進められるし。ハラハラドキドキ感はありませんが、安心して見ていられるってのも悪くないかと。
ただ、灰原はちょっと片思い的な。灰原にとって思いが深いの工藤新一ではなくて江戸川コナンなんですよね。頭脳は大人のまま幼児化という特殊な環境に置かれた境遇。それに、そんな自分を助けてくれる存在であったことが大きいわけで、組織とは無縁の平和な世界で、宮野志保 工藤新一と全く別々の生活を送っていたら出会ってもそこまで惹かれることはなかったかもしれない。
警視庁組みの一部は大人なのに鈍い人もいますけど、切れ者の服部や新一は大抵気づいてはいるけどテレているというか、そういう年頃ってのもあると思います。
まぁ、新一は鈍いところありますね。一応、名探偵コナンにおいては、恋愛には疎かったホームズの役割というのもありそうですが。
じれったい感は、それをしないと引き伸ばせないし。基本鈍いのはそういう理由が一番大きいのかと(笑)
描いていて楽しいキャラ
─ 年齢的にいうとやっぱり佐藤刑事と高木刑事が先かな?っていう感じもして。そう思っているファンがたくさんいるんですよ。「頼むから結婚させて!」という。
ハハハ。やっぱり結婚してほしいんだ。どうかなあ・・・。
─ そのうちって感じですか?うけっこういいところまで進展してますね。
そうそうそう(大爆笑)。あれはけっこう描いていて楽しいですよ。新一たちとくらべると、高木と佐藤はなんの障害もないしね。
─ 白鳥警部さえいなければ。
ああ、白鳥かあ(笑)。そうそう。
─ もう、あのトロピカルマリンランドの尾行の話がもんのすごくおもしろかったです。あんな聞き間違いってあり?って。
「ヘロイン」と「披露宴」、血の「血痕」と「結婚」とかね。あれはもう本当にノリノリで描いてましたね。
─ それにしても佐藤刑事のあのモテっぷりはなんなんでしょうかね?他の県警の人たちまで。目暮警部と干葉刑事以外のみんなが好き!っていう感じですよね。
ねえ。すごいねえ(笑)。男ばっかりの仕事場で女の人がいたら、モテモテなんですよ。
─ 捜査一課では、佐藤さんだけなんですか?
そうですね。描いてないけど、いるかも?でもいたらかわいそうだよね。ハハハ。
─ 本当ですよ~。でもあのぐらいモテてると、読んでるほうも気持ちがいいですよ。
高木刑事と佐藤刑事は後の発言で結婚式まで描く予定になったようです。(「オトナファミ 2011/6月号」など)白鳥刑事にも新しいお相手が現れました。
確かに佐藤刑事モテすぎですね。ああいうタイプが好きな人もいますけど。でも、由美警部補も合コンとかで引っ張りだこのようなので、やっぱり基本は男の職場だけっあって、女性ならスペック以上にちやほやされてるのもあるようです。
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