エンタミクス 2014年5月号 「『名探偵コナン』真実がいっぱいspecial」

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─ 先程キャラクターなりきリメールの話しもありましたが、収録現場はどんな雰囲気なのでしょうか?

高山:いつも誰かがムードメーカーになって笑いが絶えません。人の真似したり、テストの時はアドリブも飛び交う。第667~668話『ウェディングイブ』で安室の「自分、探偵ですから」というセリフは、何度も真似してみて、安室役の古谷徹さんに笑われちゃいました(笑)。

諏訪:コナンは「江戸川コナン、探偵さ」としか言わないですからね。

高山:そう。いつか使っちゃおうかなあなんて(笑)。古谷さん、めちゃくちゃカッコよかった。カッコいいと言えば、第553話『ザ・取調室』は、小山力也さんの小五郎デビューの回。勉強熱心な力也さんなので、現場に入ってすでに小五郎のおっちゃんになっていました。

諏訪:このエピソードは、カメラを固定してずっと取調室だけで話を進行させようとチャレンジした回で、僕も印象深いです。また、個人的なこだわりですが、数年に一回はオリジナル回で必ずワインをネタにした作品を入れています。最近では第695話『葡萄畑に薔薇の花』。

─ 子供向けにワインとは意外です。

諏訪中学生のころ刑事コロンボの『別れのワイン』というTV番組に出会ったんです。ワインをポイントにコロンボが事件を解いたのを観て、飲めもしないのに面白いなあって思ってね。それを今の子供たちにも伝えたいなって。・・・まあ単純に僕がワイン好きっていうのもあるけど(笑)。

なりきりメールはちょっと見てみたい。ワインネタ、気になる人は要チェック!めんどうなので他力本願…

─(笑)。高山さんにとって、コナンはどんな存在ですか?

高山:コナンはもう切り離せない自分の一部分ですね。もともとドラマや小説も推理モノが大好きで、子供の頃の夢は「警察官になりたい」だったんです。コナンスイッチはすぐオンになるので、日常生活でも不意に推理モードに入っちゃいますね(笑)

諏訪:高山さんはよくコナンと同じポーズや表情をして考え込んでいたり、「おいおい」とか「悪りい」とか言ってるよね。

高山:完全に違うところは年齢と性別くらいかな。性格はわりと似てるかもしれない。あ、でもデリカシーの無さは別ですよ(笑)。

昔、元旦那さんの作者も家にコナンがいるって言ってましたねぇ… このネタはもしかしたら触れないほうがいいのかもしれない(笑)

キャラクターそれぞれの見せ場、意外な一面が見られるのが劇場版

─ TVアニメに続いて、劇場版のお話も聞かせて下さい!

高山:劇場版だったら、第5作『天国へのカウントダウン』が好きです。キャラクターそれぞれが自分の役割をきっちり果たしている。蘭の勇気ある行動や大人たちとの連携、そして少年探偵団の大活躍。特にこの作品は、灰原がようやくみんなと馴染んできたあたり。黒ずくめの組織たちが見え隠れする中、孤独感の強まる灰原の心を解きほぐしたのは、少年探偵団だったんじゃないかな。人間関係が完成された印象深い作品ですね

諏訪:僕は第1作『時計じかけの摩天楼』がやっぱり一番かなあ。この時点では翌年も映画を作れるなんて思っていなかったから、とにかく今できることをすべて詰め込もうと。石田太郎さん、つまりコロンボ刑事の声優さんを犯人役にしたんです。この発想は、現在まで通じるコナン映画の原点の一つですね。劇場版は、常に第1作をベンチマークにして作っているところがありますから、毎回フレッシュで大胆な映画を作れるのはやはり、この『時計じかけの摩天楼』のおかげです。

二つとも爆破系で被ってるんですけど、個人的にも「時計じかけの摩天楼」と「天国へのカウントダウン」の2つがベストです。他の作品も同じくらい好きですけど。

─ 劇場版では、より危険な事件で、コナンもピンチに陥りますよね。

高山:そうそう、ここのところは特に大ピンチ(笑)。映画の台本を渡される前から、スタッフに「今回も大変だよ~」って言われます。第15作『沈黙の15分』で雪崩に巻き込まれたときは心底ヤバいと思いました。あれだけ名前を呼びかけられて心配されたのは、初めてですよね。収録中は目頭が熱くなっちゃいました。

諏訪:昔は、ピンチになるのは決まって蘭の役割だったんですけどね。

高山:最近の蘭はアクションが見せ場になってますよね。TVシリーズとはやはリスケール感も違うし、キャラクターの意外な一面も見られます。第16作『11人目のストライカー』はコナンには珍しいほど熱くなった。犯人に向かって本気で怒鳴る。頭から湯気が立ちそうなほど熱くなっていました。

諏訪:実際、コナンってそこまでクールな性格じゃないんだよね

高山:そうなんです。けっこう失敗もするし、感情的だし。普段はそれを表情や言葉に出さないだけで。この作品は、いきものがかりの主題歌『ハルウタ』の”伝えたくて届けたくて”という歌詞もクライマックスシーンの気持ちとリンクして、最後の最後まで楽しめましたね。

今作ピンチになるのはどっちだろう??(微妙~に両方にピンチがありました。)

コナンはせっかちで、熱くなりやすい(特に蘭のことになると)性格だったりする。初期に阿笠博士にも、「まあ、そうせかすな!あせってもよい結果はでんぞ!!」」「君は昔からそうじゃのー・・・・・・」「いくら頭がきれても、落ち着いて行動せんと一人前の探偵とはいえんぞ!!」と指摘される。

蘭を守るために救急隊員や警官に怒鳴り散らして、後から「状況説明はわかりやすく簡潔に!」「焦っているのはわかるけど、ただ怒鳴り散らすだけじゃ要領を得ないってね・・・」と、蘭経由で注意されたことも。

板倉のフロッピー事件の時も、焦って深追いしたところをロッカーで見つかりそうになるが、間一髪のところで助かったりしている。

諏訪:僕ももう1本挙げてもいいですか?第6作『ベイカー街の亡霊』なんですが、プロデューサー史上最高に大変で、同時に楽しかった作品。脚本の野沢尚さんが、どうしてもコナンに”根を上げさせたい”と(笑)。この作品くらいですよ。コナンが「もうダメだ」ってなったの

映画の終盤、列車上でコナン父子が対面し、父から子へのメッセージによって諦めていた心がもう一度奮い立つという展開は、原作のテイストを壊すことなくうまく物語化できたと思います。シナリオ自体もゲームの世界に入って100年前のロンドン市街を探索するという、かなり斬新な内容。それをエンターテイメントとして成立できたことで僕たちの自信にも繋がった。第1作が劇場版の原点だとすれば、こちらはひとつの到達点。スタッフとキャストの全員が力を合わせると、ここまでのものができるんだなと感動しました。

高山:映画もTVアニメも、とにかくスタッフとキャストの垣根がなく仲良しなのが『名探偵コナン』の特徴ですよね。収録後は必ず食事に行きますし、毎年恒例の旅行やバーベキューまで、予定がみっちり(笑)

ベイカーはホームズのいた時代のロンドンという、舞台はまさにこれしかないというほどの王道。けれど、本来の名探偵コナンは推理ミステリーだけあって世界は現実である一方で、ベイカーは例外とも言えるゲームの中という、ファンタジーの世界を中心に物語が進行する。

また、誰かが殺害され、その犯人を突き止めるシナリオを進むのとはちょっと違ったり(一応推理もありますが)、上で説明されているようにコナンの性格が原作と違うところがあったり、名探偵コナンとしては異色なのですが、なかなか評判の高い作品です。どちらかというと、一般層の支持が強いかも。わかりやすい面白さというところがポイントかもしれません。もちろん、名言だとか、しっかりとしたオチもあり、完成度も高いです。

─ みなさん、プライベートでも息が合ってるんですね…

諏訪:そうですね。その中でも、僕と高山さんは皆勤賞(笑)。

高山:はい。チームワークの良さや現場の雰囲気は、画面を通して皆さんにも伝わると思います。真実はいつもひとつ、18年間続けてこられたコナンチームの心もいつもひとつ!です。

諏訪:さすが「たったひとつの真実を見抜く」高山さんですね。

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