ダ・ヴィンチ【2014年 05月号】

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佐藤:『コナン』はラブコメも見所ですよね。

青山:ラブコメシーンは結構大変です。いいセリフを描こうと思ったりして、時間がかかる。

佐藤:僕、灰原が好きなんです。マジで相当好き。科学者でかっこいいし。

青山:灰原かー!灰原、人気あるんですよ。

佐藤:最初は敵か味方かわからない存在でしたよね。でも、ついに心を開いたなっていう瞬間があるんです。蘭が作ったおかゆを食べて、「あち・・・」って言う(41巻トイレに隠した秘密)。そこでグッと心をつかまれました。灰原は、絶対にコナンのこと好きだと思うんです。でも、複雑な事情を知っているから彼女からはアクションを起こせない。そんなところがほっとけないです。アニメの灰原役の林原めぐみさんも好きで。素敵な声ですよね。

この会話、何気に重要だと思います。光彦の恋とかは組織編には直接関係ないと思いますが、灰原が探偵団や蘭に打ち解けたり、コナンへの気持ちが徐々に変化して行ったり、組織から逃げずに戦おうと決意し始めたりとかは、MOを持ち帰って解毒薬の研究を始めたところとか関係してくることなので。

青山:キャラを作っていると、こう描けばこれくらい人気が出るだろうなって、だいたい予想できるんです。でも、灰原だけは予想をはるかに上回る人気ぶり。林原さんの声は大きいと思います。灰原哀の哀はね、実は「アイリーン・アドラー」から取ってるんです。シャーロック・ホームズを唯一負かした”あの女”。

佐藤:あれ、それ、重大情報じゃありませんか!?

青山:そう、今初めて明かしました。物語では、「女探偵のV・I・ウォーショースキーの”I”」と言ってんだけど、本当はアイリーンなの。佐藤さんへのスペシャルプレゼントです。

声優効果は大きそうですね。無名声優だったらここまでの人気にはならなかったかと。

それと、バーボン編の組織キャラはたぶん人気取り狙ってる(笑)キール編を始めるときはその辺の修得はまだだったのか、キール編の反省か… 人気があることは良いことですが、人気が出すぎてもキャラを動かし難くなると思うんですよねぇ。

個人的には、キール編のキャラは人気はなくても個性はあるし、何よりストーリーが大好きです。どんなにキャラが立ってても、大事なのはやはりあくまで中身。

アイリーンについては、かなり昔に「灰原哀の名前は、女探偵二人の名からですが、ホームズの愛した女性アイリーンからも?」「なるほど!(笑)」と答えています。(SDB30)「なるほど!」なので、正解を明かしてはいませんが。

宮野エレーナの「エレーナ」がドイツ語読みだと「アイリーン」になるため、エレーナが名探偵コナンでのアイリーンなのでは?という噂が有名ですが、本当は灰原がアイリーン役ということでいい?それとも、アイリーン役は二人いる?

「本当はアイリーン」ということは、灰原については二重の意味ではなくて、アイリーンが正解ということか。それに、スペシャルプレゼントということは、後々重要になる可能性も?

…青山:あの毒薬・APTX4869はね、医者の弟と細かく設定を考えたので、デタラメじゃないんですよ。あの作用を持つ薬があれば、本当に小さくなるんです。

これについては、「コナンドリル」等のインタビューでも語っています。

本当に小さくなれるかはわかりませんが、APTX4869の効果がデタラメではないという考察は既に書いています↓

謎の少女=世良の母=幼児化説だった場合の補足

青山剛昌先生 インタビュー

…青山:「絶対に人がとどかない高い天井の梁から首を吊るされる不可能殺人が起きるんですが、その謎解きは長男のアドバイスで描けました。」

何とも頼もしい理系の才に恵まれた兄弟であることか。

…青山:「そうそう。俺も確実に理系のアタマです。国語の成績悪かったですもん。数学が得意で、パズルを解くのが大好き。それがトリック作りには役立っていますよね。」

あの事件は怖かったので記憶に残っています(笑)理系云々は前述した通り。

…青山:「実は俺自身、少年探偵団だったんですよ。友達のお父さんが探偵手帳を作ってくれてね。手帳の見返しに、探偵ナンバーとか書いた探偵証を貼り付けてあるの。すごく嬉しくてずっと大事にしてました。懐かしいなあ。

…青山:絵を描くのも、いつの間にか好きになっていた。「兄弟ではなぜか俺だけ。三男はわりと上手でしたが、それ以外は全然ダメ。夏休みの図画工作の宿題は、俺が替わりにやってましたもん(笑)。

…青山:「いやあ、楽しかったですよ。アニメを自主制作したりね。女の子が異世界に飛ばされて、龍や魔王を倒してもとの世界に戻るというファンタジーもの。透明シートのセルは高くて使えないから、紙に描いて。背景は重ねられないから切り抜くの」

─ さらに意外なアルバイトも。

青山:「東京ディズニーランドができるとき、カリブの海賊の背景を描いたんです。海賊が町を襲っている場面のレンガ。今はリニューアルされてなくなりましたけど」

ちなみにファンの間では周知だが、『コナン』に登場するアイドル・沖野ヨーコの名前は、少女マンガ家として活躍する漫研の先輩・沖野ヨーコに由来する。「以前、ヨーコさんのマンガに感動してね。電話でお願いして、セリフをほとんどそのまま使わせてもらったことがあります。

探偵手帳、ちょっと見てみたい。コナンの探偵手帳を子供向けに出したら売れそう。(もうあるか)

その他、作者の少年時期。迷いの森事件や光彦タイプであったこと、ニャロメの絵を描いていたことや、小学校の卒業文集での有言実行、漫画化を目指していたことを親に怒られたこと。

日大の芸術学部での出来事。阿部ゆたかさんとの出会い、松苗あけみさんの影響を受けたこと、デビューのきっかけ。

それに、コナンの幼児化設定や最初の設定以外は大人向けで本格的な推理ものにしていることなど語られていますが、ほとんど以前のインタビューで出ていた内容です。

…青山:「トリック以外はほぼできていましたね。でも、黒ずくめの組織だけはもう少しあと。実は、三ヵ月で打ち切りになると思ってたんです。ところが1話目がすごい人気で、これは長くなるぞと。そこで初めて組織の設定を考えた。どうせなら、コナンを小さくした男たちのキャラを生かそうと。ジンの名前は、確かアシスタントが考えてくれたんじゃないかな」

…青山:「APTX4869はデタラメじゃない。プログラム細胞死を誘導し、テロメアーゼ活性によって細胞の増殖能力を高めると説明していますが、その作用が働けば幼児化し得るんですよ。医者の弟と細かく話し合いました

…青山:小学生時代の新一が蘭に、<もう名前で呼ぶな。工藤って呼べ>っていうエピソード(55巻【工藤新一少年の冒険】。あれ、俺が従姉の女の子に本当に言われたの。ショックでねえ。

「3カ月くらい~」はもう何度も出ているのでいいでしょう。ジンとウオッカは最初の事件のことは参考外ということで… ジェットコースターとか、挙動不審なところとか… APTX4869を飲んだ最初の人間が新一であるという設定は生きていると思いますが。

すぐ終わると考えていたのは連載前のことのようです。1話目の反響が大きく、その時点で組織編の構想を練ったとのこと。宮野明美と灰原のシルエットが2巻ですが、やはり何だかんだで、ほぼ最初からある程度の長編を意識していたと考えて良さそう。

ジンの名前やAPTX関連は、「ラブ・コナン」や「コナンドリル」など過去のインタで既出です。

「もう名前で呼ぶな」はありがちだけどショックですね。大抵は男の子のほうから言うと思いますが。というか、空気呼んで自然にそうなってくる。

…原作と映画が深くリンクするのは、この作品が初めてなのだ。

青山:「”あのネタ”をやるなら、リンクさせたほうがいいと思ったんです。そのネタは秘密なんですけど。いや・・・・・・、”あの人”の正体がわかるというね。

青山:「今、描いていて楽しいのは、世良かな」

世良は赤井の妹ではないかと疑われており、コナンとも過去に関係があったらしい不可解な人物だ。彼女も今後の展開を大きく左右する存在であろう。一方ファンの問では、80巻に登場し名推理を披露した将棋棋士・羽田秀吉も、キーパーソンなのではと話題になっている。

青山:「彼はねえ、なかなか複雑ですよ。これからも出てきます。今度、名人戦の取材に行きますしね。羽田の”羽”は、羽生善治さんから取ったんですよ。原作では、”あの人”の正体以上のことが次々明らかになっていきますよ。まずね、安室透の本名が判明する。彼の回想になぜか灰原の母・エレーナも出てきてね。とある二人の母同士が姉妹だとわかったり・・・・・・。いろいろなことがつながりますね。まずいなあ、しゃべりすぎです。まあ、連載を楽しみにしてください」

映画は「あの人の正体」とリンクするそうです。

羽田秀吉はどちらかというとスルーされていて、一般ファンの間ではキーパーソンってあまり言われていないと思いますが…

世良真純の出生も「複雑」と他のインタビューでも答えている(話そうDAY「2014」、SDB50など)。

秀吉はどういう意味で「複雑」なのか。ただのラブコメ要因なら「複雑」という表現でここであえて言及しないと思います。

名人戦は世良が出てきそうですね、なんとなく。組織編のちょっと後にやるような気がします。組織編は安室関連のようなので、その後で世良関連をやるような気がします。

姉妹関連は長くなりそうなので別に整理します。「”あの人”の正体以上のことが次々明らかになっていきます」「本名が判明したり~」「いろいろなことがつながり」とあるので、そのまま解釈すればその姉妹は組織編にかかわってくることでしょう。

⇒85巻 名人戦は緋色シリーズの直後の話で収録。

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