ベルモットが帝丹小学校を担当した時点で灰原を見つけられなかった理由

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42巻(二元ミステリー)でベルモット編は終了。新出先生に変装して灰原の命を狙おうとしていたベルモットは、埠頭で灰原を抹殺する計画を実行しようとするも失敗して撤退。

その後、45巻(帝丹高校学校怪談)でコナンは本物の新出先生と再会。新出先生はジョディから諸事情を聞いた事をコナンに説明している。

そして日常編の話に入り込んでいくのだけれど、蘭、園子、新出先生と話をしている最中にコナンはふとある疑問を抱く。

コナン:(そーいえばベルモットの新出先生は帝丹小学校も担当してたな・・・)(組織を裏切った灰原の年齢が本当に20前後で、この近辺にの学校に紛れ込んでいるのを捜すのなら、高校か大学だけでいいはず・・・)(最初から灰原がオレのように薬で幼児化しているのを予想していたのなら・・・)(何で帝丹小学校を担当していた時点で灰原を見つけられなかったんだ?)(転校生なんて真っ先に目につくはずなのに・・・)(いったいどーして?) File:458

ベルモットが変装していた新出先生は帝丹小学校も担当していた。これは、29巻「謎めいた乗客」で新出先生が小学校の内科検診にやってきたという話が出たことからもわかる。

光彦「あ!」「新出先生!」「先日は内科検診お疲れ様でした!」

新出:「いやいや・・・」 File:287

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そして、「もし新出先生(ベル)が最初から灰原が幼児化していることを予想した上で帝丹小学校へやってきたのなら、なぜその時点で灰原を見つけられなかったのか?」とコナンは不思議に思う。

この疑問に対する答えをコナンは出すことができず、読者にも問いかける形で浮いてしまっていた。ベルモット編は終了したにもかかわらず、ベルモットの行動でまだ不明な点があると、答え合わせではなくて新たな問題定義をしているのだから、これは後に明かされる伏線とも考えられる。

では、なぜベルモットは帝丹小学校を担当した時点で灰原を見つけられなかったのか。その具体的な理由は何なのか ──

「なぜ灰原を見つけられなかったのか」という理由を考える前に、「最初から灰原がオレのように薬で幼児化しているのを予想していたのなら」(どちらであろう)とあるので、「ベルモットはどの時点で灰原の幼児化に気づいたのか?」を先に考えておく必要がある。

ベルモットが灰原とコナンを見つけたタイミング

灰原哀=宮野志保の確定

見ィーつけた♪ File:422

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41巻、ベルモットは自室で酒を飲みながら、ダーツボードに貼ったシェリー(宮野志保)の写真にダーツを射し、ライターで火をつけて「見ィーつけた」と独り言を話す。

読めばわかるところではあるが一応説明しておくと、このシーン(ベルモットの部屋)で見つけたというわけではない。

これはシェリーの写真に矢を差して燃やす、「わら人形の呪い」みたいなことをしているわけなので、シェリーを見つけて殺すまでの一連の計画を自分の部屋で一人演技してるにすぎない。要は、「見つけた」のは思い出し笑い的な。ちょっと違うか(笑)

かといって、ずっと前に既に見つけていたけど、今になって「見つけました」と説明しているわけでもない。それでは話は繋がらない。

ベルモットが灰原を見つけたのがいつだったのかは、ベルモットが部屋に戻る前のシーンにある。

この前のコマ。新出先生とジョディ先生が阿笠邸で話をしていて、それを赤井が外で盗聴しているシーンがあるが、ここから時間経過があってベルモットの部屋へと切り変わっているという表現。

この時点でジョディと新出先生、(赤井)の誰かがベルモットに変装しているという流れで進んでいるけれど、結果は新出=ベルモットだったのだから、ベルモットが診察を装って風邪をひいた灰原に接触したこの時に見つけたということ。

ベルモットはコナンたちが出島事務所に行くことを話していたのを盗聴していたように、灰原を診察した際に阿笠邸に盗聴器を仕掛けたようであるが、博士やコナンの会話の内容から灰原=志保の証拠を掴んだわけではない。阿笠邸からベルモット(新出先生)の部屋に移るシーンまでにその根拠となるものはない。

描かれていないシーンで、コナンや博士が灰原が幼児化した宮野志保であると判断できる話をしていたのではないか、と考えるのは適当すぎる。

ベルモットの変装の可能性がある人物であるバスジャックで登場したジョディ、新出先生、赤井の三人のうち、ジョディと新出先生は博士の家に入ったのでそこで盗聴器を仕掛けることが可能。赤井は外で阿笠邸内の盗聴をしていて仕掛け済みなのだから、博士とコナンの会話の内容を省略する必要はない。

例えば、「灰原が幼児化した宮野志保だってことが組織に知られたら~」などの話をするシーンを描いて、その後にベルモットが「見ィーつけた」とやっても、三人のうち誰がベルモットであるかは特定できないので問題ない。「盗聴」がきっかけだった場合はこういう流れになると考えられる。

そもそも、灰原を診察したがっていた時点でベルモットはもう灰原=志保と疑いを持って近づいてきているので、どうしても証拠が欲しかったベルモットが状況判断がし難く信頼性の低い盗聴で確定させたというのは曖昧すぎる。

ではなぜ診察がきっかけなのかというと──

博士:「これは新出先生の案なんじゃよ・・・」

コナン:<新出先生?いるのかそこに?>

博士:「ああ・・・今、哀君を診てもらっておるよ・・・」「君は留守じゃと言っておったが、電話したらおられたぞ・・・」「事件があってそこから動けそうにないと伝えたら、「博士は警察の方とも面識があるし、病気の子を抱えて頼めば出してくれるはずです」と言われてな・・・」「警察もそういう事ならと出るのを許可してくれたんじゃが・・・」 File:422

新出先生=ベルモットは風邪をひいた灰原を診たいと自分から提案しているが、この行動に重要な意味がある。灰原=志保ではないかと疑い近づき、診察を行うことでそれが真であると確定させるため。

盗聴器を仕掛けるためではない。それなら必ずしも診察である必要はないし、当初博士が考えたように、灰原が直接新出医院に来たら目的は果たせない。

その後、部屋に戻ったベルモットは計画の第一段階である志保発見を果たしたことで、一人で乾杯をする。そのため、ここからはとんとん拍子。

ベルモット:「まあ、あなたの腕を借りるまでもないと思うけど・・・」「照準に捉えたら一発で仕留めて頂戴ね・・・・・・」「カルバドス・・・」 File:425

その直後の話、灰原は博士やコナンと共に、出島デザイン事務所を訪れる。一方で、ベルモットはカルバドスに灰原抹殺の手助けを依頼する。

その次の話ではジョディが過去の記憶を回想するなどの組織編に入る直前の準備となり、その次が二元ミステリー。ベルモットが灰原を埠頭におびき出して殺そうとした話になる。

ベルモットは灰原を見つけてからすぐに灰原抹殺の準備にかかっている。これが、見つけたタイミングがベルモットの部屋のセリフ(直前)であることを裏づける根拠にもなる。ベルモットの対応は迅速。

シェリー発見後にのんびりしている理由はないし、時間が経つほど逃げられてしまったり、灰原から情報が漏れたり、新出先生に変装していることがバレてしまったりと様々なリスクがある。

江戸川コナン=工藤新一の確定

最初にポイントになるのが29巻、バスジャック事件冒頭のジン、ウオッカとベルモットの会話。

ジン:「それより例の捜し物は見つかったのか?」

ベルモット:「そうね・・・本命はまだって所かしら・・・」

ウォッカ:「本命って・・・?」「そろそろ教えてくださいよどこで何やってるか・・・」 File:287

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この「捜し物」はシェリー(宮野志保)と新一のこと。そして、「本命はまだって所かしら」とベルモットは答える。本命というのはもちろんシェリーのほう。ベルモット編において、ベルモットの目的はシェリーを探して抹殺しようとしたことに尽きる。

組織が追っているのはシェリーで、コナン(工藤新一)が幼児化して生きていることには気付いていない。コナンのことをベルモットは黙っているため、ウオッカは「本命って?」とわけがわからない。

この時点で「本命はまだ」と言っているので、本命ではないコナンのことは、既に工藤新一の幼児化であると気づいている。

では、いつ気付いたのか──

ベルモットの初登場が24巻。その後、ベルモットとしての登場がこの29巻であるので、この間にベルモットがコナンに気付く描写はない。しかし、ベルモット編でのベルモットは新出先生に変装をしている。

では、新出先生の登場はいつなのかというと、蘭の回想などを除くと唯一25,26巻の学園祭(学園祭ベル=ベルモットとした場合)となるのだけれど、この学園祭でコナン=工藤新一とバレるようなボロは出していない。

あの話で新一はコナンに戻らずに済んでいるので、あそこで新一=コナンを確定させたらおかしいことになる。

効果の切れる演出があったのに幼児化しなかったり、翌日の夜に解毒剤の効果が切れるまでの時間が長かったことなどから、ベルモットは実は元の姿に戻ったのを見ていて、持っていた解毒剤を飲ませたので元に戻らなかった… とか考え出すと切りがないのだけれど、コナン=新一に気づいた伏線はちゃんと別にある。

ベルモットとウオッカ、ジンが会話するシーンの後にある、バス内での光彦の台詞がヒント。コナン=新一に気づいたタイミングはちゃんと、直後に説明されている。

光彦「あ!」「新出先生!」「先日は内科検診お疲れ様でした!」

新出:「いやいや・・・」

コナン:「新出先生がどうかしたのか?」「そーいやーオメー内科検診の日休んでたよなぁ・・・」 File:287

前述した内科検診の話。新出先生が小学校の内科検診を行ったということを、何の意味もなくここで唐突にいれたわけではない。内科検診を行ったから、コナンの正体がバレていたのである。

これを裏付ける根拠として、灰原を見つけたタイミングが灰原の風邪を診察した時であったということ。(コナンを見つけたのが内科検診だったから、灰原を見つけたのが風邪の診察を行った時とだったとも言える。)

また、灰原が学校を休んでいたために内科検診を受けなかったというわざとらしい設定も意味深で、コナンが先にみつかり灰原の発見が遅れたのもこれが理由。

ここからわかることは、実は、ベルモットはコナンと灰原の幼児化を確信するのに検査が必要であったということ。

ただ、ベルモット(新出先生)は自分が灰原の風邪を診たいと博士に勧めているように、あの時点で、灰原がシェリーではないかと見当を付けた上で近づいている。

ベルモットは幼児化する瞬間を直接みたわけではないので、まず「幼児化しているのではないか?」「あの子がその幼児化した姿ではないか?」と疑ってから、完全に同一人物であると確信するまでに時間がかかっている。

つまり、幼児化を疑うタイミングはまた別と考えられる。ベルモット的にはただのそっくりさんを間違えて殺害するわけにもいかず、万一のことを考えて確証を得たかったのかもしれない。

そして、今度はいつから疑い始めたのかというところ──

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更新日:2015-11-30
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