ベルモット不老の秘密

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ベルモットの飲んだ薬

ベルモットが不老であると考えた場合、それは組織の研究による影響であると考えられる。

そして、その場合はベルモットはいつどの薬を飲んだのか?というのがポイントになる。

最新のAPTX4869

最新のAPTXは灰原が両親から受け継いだ試作段階の薬であり、人間に使うのは新一が初めてだった。

ジョディ:「秀一の彼女・・・殺されたのよ・・・」「数ヶ月前彼らに・・・」 File:599

宮野明美が殺されたのが数ヶ月前、これは新一が幼児化して間もないころだと推測できるが、現在の時の流れは「数ヶ月」くらいである。この情報がなくても、進級のないコナンの世界での時間経過は1年未満であることはわかる。

シャロンと出会ったのは1年前の話であり、その時既に老けメイクの変装であったとするのなら時期が合わない。

また、最新のAPTXの効果はほとんどが証拠のでない毒薬として作用し、そうでなかったとしてもアポトーシス誘導による幼児化効果が表れる。

大人の姿のまま不老状態であるベルモットはその状態から最新のAPTXを飲んだわけではないことがわかる。

若返りがここ数年であった場合、後述する「一人二役」を行う動機もない。

旧作のAPTX

ベルモットが歳を取っていない、それは薬の影響であるが最新のAPTXではないとするのなら、最新のAPTX以前の旧作を飲んだと考えるしかない。

そうなると、ベルモットはいつどんな効果の薬を飲んだのか?という疑問が生じる。

ここでポイントになるのがベルモットはなぜわざわざ「一人二役」を行っていたのかである。

美国島の伏線

有希子:「でも残念だわ・・・年を食っても輝き続けるメイクの仕方をいつか教わろうと思ってたのに、それがあなたの素顔?」「大女優シャロン・ヴィンヤードはただの老けメイクだったなんて・・・」

ベルモット:「あら・・・結構辛いのよ?顔だけじゃなく普段から老けたフリをするのって・・・」 File:823

普段から老けたフリをするのは容易ではないと本人も言っている。そこまでしてシャロンを演じてきた理由のヒントになるのが、28巻「そして人魚はいなくなった」の伏線。

作者が二元ミステリーと同じように組織編にとって重要な位置づけとなるとも言っている話。ジンとウオッカ、灰原が何らかの目的でやって来たことも重要であると思われるが、それだけではない。

一人二役の意味

禄朗:「まぁこの映画は、沙織の特撮と君恵の特殊メイクで金賞を取ったようなもんだから・・・」

「だが、この一年後に本物の嵐にあって、海に出ていたオレの父親やお袋や君恵の父親が海で行方知れずになるとは思わなかったよ・・・」「まさかその船に君恵や沙織のお袋まで乗ってたいともな・・・」 File:282

禄朗:「でも、おまえのお袋は五年前、漁で死んだはずじゃ・・・」

君恵:「私が母さんにしてあげてたメイクも様になっていたし、一人二役より普段から命様に徹した方がやりやすいって母さんが言うから、漁で死んだ事にしたってわけ・・・」 File:283

事件当時130歳とされていた命様であったが、本人は既に亡くなっていた。また、君恵は学生時代に映画コンクールで金賞を取れたことに大きく貢献したと言われるほど高い特殊メイクの技術を持っていた。

命様は君恵がその特殊メイクで母親を変装させたものであり、母は命様と自分自身の一人二役で演じていた。しかし、母は「一人二役より普段から命様に徹した方がやりやすい」と考え、5年前に海で起きた嵐で自分自身を事故で死んだことにして命様として生きていた。

その母も3年前に殺害され、それから現在まで君恵が母親のように自分自身と命様の一人二役を行っていた。そしてまた同じように君恵は事件を利用して本当の自分は死んだことにし、命様としていくていくつもりのようであった。

導かれる答えは ─

変装で一人二役を演じるが、それを続けのは困難なので一人に徹する。素顔を残すか変装を残すかでは逆になるが、理論はベルモットと全く同じである。

ベルモットはある時期に旧作のAPTXにより不老(若返り)状態になった。不老状態とした場合、そのまま歳を取らなくなれば数年後は周囲からおかしいことに気づかれる。若返りだった場合はその時点ですぐにバレる。

そのため、本来の年齢に見せるための老けメイクで元々存在していたシャロン・ヴィンヤードをしばらく演じ、一方で歳を取らなくなった後の素顔である自分をクリス・ヴィンヤードとして世間に認知させる。

そして、そのまま一人二役を続けるのは大変なので、ある程度の時間の経過とともに老けメイクのシャロンの死を偽装。現在の素顔である新しく作り上げたクリスとして生きていくという方法である。

これがベルモットがわざわざ一人二役を行ってきた、というより、行わざるを得なかった理由と考えられる。

ちなみに ─

君恵:「みんな映画が好きで、大学の映研に入って「比丘尼物語」なんてのも作った事もあるのよ!」 File:281

君恵は学生時代に特殊メイク技術を活かした自作映画「比丘尼物語」で金賞を取った。これはシャロンが「ゴールデンアップル」でオスカーを取ったのと同じ。

結局、不老不死で有名な美国島で特殊メイク技術を持った女性が一人二役を演じて一人に徹するために事故死を偽装する話というのは、そのままベルモットの秘密を暗示したもの。

賞を取ったこと、その映画のタイトルがどちらも「不老不死」を意味するというところも重なっている。

服部:「そうや・・・もっと早よ目ェ覚ますべきやったんや・・・」「不老不死なんちゅう悪い夢から・・・」

「命には限りがあるから大事なんや・・・限りがあるから頑張れるんやで・・・」 File:283

仮にベルモットが歳を取らない身体であるのなら、同じ話で服部が言ったこのセリフが後でまた出て来るかもしれない。

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