エレーナの残したテープの続き【こんな薬作っちゃいけなかった】

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灰原の後悔(認識の変化)の理由と内容

前述したように、灰原がAPTX4869の効果(本来の効果、最終的な効果)を知っていたのか、または、組織が薬を何に使うのかを知っていたのか。(それに気付いたことで後悔)

また、気付いたのがエレーナの残したメッセージがきっかけなのか(ラボの仲間は夢のような薬、父さんと母さんは願いを込めている)、現状を振り返ってなのか。

テープの内容がきっかけだった場合

灰原がテープを聞いたことで気付いたのであれば、重要なのは「とても怖ろしい薬を作ってる。ラボの仲間は夢のような薬って浮かれてる。」「父さんと母さんは願いを込めてシルバーブレットと呼んでいる。完成させるためにあなた達とお別れしなきゃいけない。」の二つ。

ただし、最初に18歳のメッセージの続きを聞いたのは42巻のことであるので、その時すぐにというよりは、メッセージの内容を脳内再生しているうちに「やっぱり~」ということになるであろうか。

願いを込めている ─

両親がAPTX4869を「願いを込めて作っている」というのを聞いたことで、それを元に戻す解毒剤は逆の効果であり、さらに両親が命をかけた努力を無駄にしてしまうと考えた─ あるいは、APTX4869の幼児化がまだ「過程」であった場合、解毒剤で戻すのではなく、両親の意思を継いで最後までAPTX4869の方を完成させようと考えたとか。

元々、灰原は両親は事故死と聞かされているので、宮野夫婦が「薬を完成させるためにお別れしなければならない」ことは初めて知ったことになる。

灰原が両親の言う「シルバーブレット」の意図を読み取れたのであれば、灰原が解毒剤で元に戻るのではなくて、この「銀の弾丸」に期待したことになる。これだけで両親の意図がわかった可能性は低いような気はするが…

エレーナ:(でもその薬を完成させるには、父さんと母さんはあなた達とお別れしなきゃいけないの・・・わかってちょうだいね・・・志保・・・)

灰原:(ごめんお母さん・・・)(私わかってなかった・・・)

このセリフは上記のように「わかってちょうだいね」の後に「わかっていなかった」と繋げて読むこともできる。エレーナが理解して欲しいのは、薬の完成のために幼い子供達を捨ててお別れしなければならないこと。灰原がわかっていなかったのは、そこまでして薬を完成させようとした両親の断固たる決意とも考えられる。

完成品のAPTX4869の正しい使い道がわかっていない。意味もわからずに両親がせっかく命をかけて作ったものだから大事にしようと考えたのであれば、もちろん灰原にとって両親は大切な存在であったが、ちょっと自分勝手というか、子供っぽすぎるところではある。

ただ、詳しい意図はわからないが、両親がそこまでして作ろうとしたものであるのなら、自分もその意思を継いで命をかけてAPTX4869を完成させようとした。エレーナの言う「銀の弾丸」にかけてみようと考えたのであれば、格好はつくかもしれない。

まとめると、両親から引き継いだAPTX4869の研究を放棄して解毒剤を作って元の姿に戻り、解決してしまうことは両親の意思に反するものであったということ。このシーンで灰原は涙を流して解毒剤を握り締めている。「ごめん」は死んだ両親に申し訳なく思っている。

灰原が「わかっていなかった」と後悔しているシーンはテープの回想をしながらであるので、そのきっかけがテープにあると考えるのが一番シンプル。しかし、テープに「解毒剤は悪である」と解釈できる箇所はない。

一方で、灰原はAPTX4869に関しては悪用されて作ったことを後悔している可能性が高い。解毒剤が悪というよりは、もう作るべきではないと考えていたAPTX4869に作る意味があるということに気付いた。そのため、それを無にしてしまう解毒剤を作るべきじゃなかったという意味。

いずれにしろ、この場合解毒剤自体が危険だとか、解毒剤がAPTX4869を補完するものではなくて、あくまで両親が「願いを込めて作っている」「命をかけて作ろうとした」ということを聞いて、それを尊重したことになる。

伏線が薬の秘密に迫るものではなくなってしまうので拍子抜けしそうだが、どちらかというと、今後の山場へ繋げるための布石という役割になるのかもしれない。

また、もしAPTX4869が幼児化の先がある未完成であるのなら、解毒剤ではなくてAPTX4869の完成品を作ろうと動く可能性も考えられる。というより、上記の考えであればそうするであろうか。

怖ろしい薬 ─

一方で、「とても怖ろしい薬を作ってる」「ラボの仲間は夢のような薬って浮かれてる」と聞いたことで気付いたという場合。これだと、自分は「雛人形のような物」と考えていたが、今になって恐ろしいものだと知って後悔したことになる。

元々、灰原の意見とラボの認識を比較すると話が食い違っている。灰原は薬の完成形を知らないか、本来の組織の目的を知らない。あるいは悪用方法があることに気付いていなかったか。

灰原はAPTX4869が幼児化を引き起こすことを知りながら「夢のような薬ではない」と答えている。(夢のような”薬ではない”なので、夢ではないのは目的ではなくて薬のほうか。)

だが、普通に考えれば幼児化だけで夢のような薬であり、「安心しなさい」と言える薬ではない。人を生き返らせる薬ではなくとも、世の中を混乱させる危険な薬になる。

この発言に関して灰原の意図は不明だが、「時の流れに人は逆らえないもの…それを無理矢理ねじ曲げようとすれば…人は罰を受ける。」と言っているように、幼児化したところでペナルティを受け自滅してしまう運命だから心配ないと考えたのか。

ただし、これは成長を伴うものや、不老になるものであれば決して「雛人形のようなもの」ではない。「幼児化して成長できない上に寿命もある」あるいは、「幼児化したまま成長せずに死ぬことも出来ない」などであれば求める人は一部であろうが。

ベルモットに寿命があった場合、若返りはむしろラッキーなものとなってしまうので、寿命では死ねない状態と考えるほうが正しそうだが、これについては話が大きく外れるのでここでは深くは掘り下げない。

あるいは、人を生き返らせる薬であれば両親を生き返らせることができ、灰原にとって夢のような薬であるが、生きていても仕方がない自分が無力な子供の姿で不老状態になっても苦しみが続くだけと考えたのか。自分の価値観だけで考えるのも浅はかではあるが。

もしくは、巨人化だったら破壊的な行為も行えるが、子供に戻ったところで弱体化するだけなので脅威にはならないとでも考えたか(笑)

エレーナ:(今、とても怖ろしい薬を作ってるの・・・)(ラボの仲間は夢のような薬って浮かれてるけど・・・)

灰原:(ごめんお母さん・・・)(私わかってなかった・・・)

灰原の言う「わかっていなかった」は、上記のように「怖ろしい薬を作ってる」「ラボの仲間は夢のような薬って浮かれてる」と繋げて解釈もできる。

母に「ごめん」と謝ったのは、両親が作っていた薬ということで安易に引き継いだが、現在は組織にも悪用され、自分が追われるだけでなく、その後出会う人達も巻き込んでしまっていることへの後悔。

「雛人形のよう」と考えていたが、テープで「恐ろしい」と聞いて考えを改めたのなら、やはりこれまでの認識が甘すぎたわけだが。

まぁ、それはさておき、これらはあくまでAPTX4869の話であり、本来は「作ってはいけない」のはAPTX4869になる。だが、今回の話では解毒剤が作ってはいけない薬と解釈できる。

そのため、解毒剤がその恐ろしい薬を完成させる(大人⇒子供を行き来するか、成長期を終えて幼児化した大人を再び成長させる。)、もしくは、解毒剤を利用することでさらに悪用することができる(本来は幼児化のみであるが、解毒剤を使えば自由に行き来できる。)などとなるか。

それに、テープでAPTX4869が「恐ろしい」と聞いて、APTX4869が恐ろしいと気付くのはともかく、解毒剤が恐ろしいものとはならない。

灰原は解毒剤をただ元の姿に戻す薬として開発していたのではなくて、「あなたはすでに我々組織が半世紀前から進めた極秘プロジェクトに深く関わってしまっているなんて」と発言しているように、それすらもAPTX4869の研究の一部であったとも考えられる。しかし、やはりこれでは「雛人形のようなもの」にはならなくなってしまうところがネック。

灰原はAPTX4869を単純な幼児化する薬と考えていたが、「夢のような薬」と聞いて、それにプラスαの効果を加える本来の完成形、または目的が何なのかに気付いたとかであろうか。

テープ以外がきっかけだった場合

両親の真意や努力を知ったことは灰原の意思決定に関係していないことになるので、解毒剤(またはAPTX4869+解毒剤)を作ったことを後悔したのは、何らかのきっかけで、解毒剤自体が危険なもの、または、危険を誘発するものであったと理解したからということになる。

結局、良かれと思って作った解毒剤が作ってはいけないものであったのだから、その悪い部分に後から気付いたというだけ。

これは、薬や組織の本当の目的に後から気付いた、テープがきっかけで「恐ろしい薬」を理解したパターンと同じ。

もしくは、ベルモットが自分を狙う理由は解毒剤で元の姿に戻れる理論を完成させたからとか、ちょっとひねったパターンもあるかもしれない。

また、APTX4869を作ったことに後悔するのはともかく、幼児化を戻す解毒剤がダメなものであると考えているので、幼児化(またはその先)に合わせ、幼児化を戻す、または成長させる要素を加えた薬が組織の目的を関係してくることになる。

テープの回想を引用したのは、灰原が「とんでもないことをしてしまった」と両親に謝り、後悔しているシーンを入れるためということになるであろうか。

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更新日:2018-3-29
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