ベルモットの真意・目的

sponsored link

余談だが・・・

メールの文面

boss_mail_anime_345

ボス:(どうやら私はお前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元へ帰って来ておくれベルモット。) 24巻

筆跡だけでなく、容疑者の文体から犯人を想定するということは現実の世界でよく行われていることである。

ジェイムズ:「なるほど・・・」「その方法が我々の目の届く公衆電話やネットカフェだったなら誰にどんな言葉や文体で連絡していたかがわかり、彼を捕らえた後も彼を装って連絡し続ける事はできたというわけか・・・」
File:599

ジェイムズのセリフからも、「誰にどんな言葉や文体で連絡していたか」というのは個性があることがわかる。

あの方がベルモットに送ったメールは、その文体からボスのプロファイルを予測する上のヒントと考えることは悪くないかもしれない。

ポイントになりそうなのは「私の元へ帰って来ておくれ」の部分だろうか。ここからわかるのは、ボスのベルモットに対する態度と特徴的な文体。

ボスがベルモットを「お気に入り」としている理由は「実験の成功者だから」「変装術の使い手だから」「愛しているから」などが挙げられるが、「私の元へ帰って来ておくれ」という文章から、単純に使い勝手がいいからと言った理由だけではなくて、少なくとも人としてもお気に入りであるとわかる。

そして、「おくれ」の文体。これは状況により”あえて”使うことはあっても、通常若い人が使う言葉ではない。

半世紀前から始まったとされる組織のプロジェクト、高齢のピスコが「長く仕えた」という発言からそれなりの年齢ではないかと疑われているが、依然ボスの求心力が失われていないことも考えれば、最近若い優秀な二代目に変わったなどということはなさそうである。

もちろん、二代目論を説くのであればその伏線が必要であるし、それが出てくればまた再考察の必要があるが。

メールの言語

ベルモットに送ってきたメールが日本語であったため、ボスは日本人では?という考えもある。ただし、これは漫画の都合上というのも多少あるかもしれない。

例えばボスの第一言語が英語であったとして、このメールを英語で送っていたら、ボスは英語圏の出身か、もしくは英語が堪能である人物とバレてしまう。名探偵コナンの登場人物で該当するキャラはそれほど多くないため、この時点でかなり絞り込める。

(わざわざ日本語のメールの文章を伏線として見せたということは、後からなぜ英語ではないの?と突っ込まれる心配する必要のない人物(日本人だから)という解釈もできるが。)

それに、英語を母国語とする人が英語を使うようにしたら、FBIの会話を英語で書かなければならないことになり、少年漫画として進行上都合が悪い。

本来なら、英語のネィティヴであれば、わざわざ不得手な日本語ではなくて母国語を使うのが普通。それは場所が日本であってでもである。(双方、例えば10年以上日本に住んで、第二言語が母国語と同じレベルにあれとかであれば、そうとは限らないが。)

ご丁寧なことに、本来英語のネイティブ同士が話すとどうなるか、ということを同じ二元ミステリーで作者は説明してくれているのである。

ベルモット:「ここは日本・・・郷に従って日本語で話しましょ?」「FBIの・・・」「ジョディ・スターリング捜査官?」 File:432

最初にベルモットとジョディが会話した時は日本語であったが、話が進むに連れていつの間にか二人は英語での会話になっている。ネイティヴ同士の会話はこれが普通なのである。

ただ、「郷に従って日本語で話しましょ?」と言い出したのはベルモットであり、ベルモットが普段ボスとそのような約束事をしていたために、ここでも同じようにした─ と考えればそれまでなのだが… その根拠もないけれど。

一応、FBIは日本語ができる人が選ばれたとかどこかで見た記憶も。(うろ覚え)ニューヨーク編とロンドン編では英語の下に日本語で訳を書くという方法を取っているので、漫画だから全て日本語で書いてしまえとしているわけではなく、その辺の区別はつけているようである。

名探偵コナンの世界では日本語ができる外国人が日本にいる時は、仲間内では普通に日本語で話している。()これは漫画だからであろうが)ただし、あまり話したことのない人同士の場合は母国語で話す。まぁこれは普通のこと。

「英語のネイティヴ同士は英語で話す」という説明の演出は意図的に入れたような気はするけれど… FBIのメンバーが日本語で普通に話してしまっている時点で、もはやこの伏線は当てにならないかもしれない。

それより、ボスがもし英語のネイティヴだった場合、「~おくれ」とこなれた古風な表現を使用しているのも違和感は感じる。

それと、ベルモットが日本語堪能な件。変装術を習うために来日、黒羽盗一との接点があるが、それだけでは日本語は堪能にはならないし、堪能になる必要もない。その時出会った有希子と友達になったために日本語ができるようになったという設定なのだろうが、(どこかに書いてあったかうろ覚え)本当にそれだけだろうか?という疑問。

ボスもベルモットも、たまたま別のきっかけで日本語が堪能になった─ ではなくて、ボスの第一言語が日本語だから、お気に入りのベルモットもペラペラになったのでは?という考えもありかもしれない。

コードネーム「ベルモット」 ─

コナン:「ヴァームースは、ウオッカやジンと同じ酒の名前だからな・・・」

灰原:「さあ・・・聞いた事ないわね・・・私、お酒に詳しくないし・・・」

コナン:「イタリアで生まれた酒さ、ヴァームースは英語読み・・・」「日本じゃこう呼ばれてるよ・・・」「ベルモット・・・」 File:429

クリス(シャロン)・ヴィンヤードのコードネームはベルモットであるが、これは「Vermouth」の日本語読みである。いわゆる外来語のようなもの。

「コードネームはボスが考えている」という話を以前のインタビューで語っている。
青山剛昌先生と話そうDAY!! 【2013】

つまり、ボスは「日本語」のコードネームを部下につけているのである。日本人であれば、ベルモットという単語があるので基本的にそれを使うことになるが、日本固有の単語を英語圏の人が使うのは不自然である。

例えば、アメリカ人がコードネーム「personal computer」を意図して「パソコン」とつけるようなもの。あるいは、「Vitamin-A,B,C」などをつけようとした時に、「ビタミン-A,B,C」とつけるようなもの。漫画なのでどうしても日本語で表現する必要があるとしても、ネイティヴが思い浮かべるのは「ビタミン」ではなくて「ヴァイタミン-A,B,C」である。

「ウオッカ」の場合は「ウォトカ」とか「ヴォドカ」とか適当な発音がないので仕方ないのだが、「ベルモット」よりも本来の発音に近い「ヴァームース」は決して日本語表記が難しい音というわけでもなく、「ヴァームース」でも通じる。

英語を母国語とするボスが「コードネームを酒にしよう!」と考えた場合、思い浮かべるのは「Gin」「Vodka」「Vermouth」…であって、「ベルモット」ではない。

まぁ、これもボスが日本語堪能なのは確かなので、「あえて日本語読みのコードネームにした」という可能性もあるのだが。それに、「漫画だから」という言い訳で済んでしまうところもある。しかし、もしボスの母国語が英語であるのなら、特別な作中の設定がない限りは「ヴァームース」とつけるべきではないかと。

次ページへ

sponsored link
コメントはこちら