ベルモットの真意・目的

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幼児化を知らない

有希子:「大ありよだって新ちゃん、シャロンの弱みつかんじゃったもの・・・」

ベルモット:「もしかして貴方が私の友人だから手が出せないとでも?」

有希子:「シャロンの仲間知らないんじゃない?新ちゃんやあの子が薬で幼児化してるって事・・・捜索対象を小学生に絞れば見つけるのは時間の問題なのに・・・」「新ちゃん、言ってたわよ・・・」「薬で幼児化してる事を隠す理由があなたに何かあるんじゃないかってね・・・」

ベルモット:「・・・・・・」 File:823

先述したように、ベルモットが幼児化を組織に報告していないことは読者には推測可能なことだったが、ミステリートレインではコナンサイドもそれに気づき、その理由がベルモットに何かあるのではと考えていることが明かされる。

有希子の言うとおり、組織が灰原や新一がAPTX4869で幼児化していることを想定しているのなら、捜索対象を小学生まで広げれば探し出すことは可能。

新一の幼児期の顔は知らないかもしれないが、もし工藤新一が幼児化していると具体的に見当をつけて捜すことになれば、昔の写真を手に入れたりすることは組織なら容易となる。

灰原:「あなた知ってた?組織はあなたの家に二度ほど調査員を派遣してたのよ・・・」「あの薬を飲んだ人間の中であなたの死亡だけが確認されてなかったからね・・・」「当然その調査に、薬の考案者である私も同行したわ・・・」「でも、家の中にはホコリだらけで、誰も住んでいる形跡はなく、一度目はそれでお開きになった・・・」「二度目の調査はその一ヶ月後・・・」「相変わらずホコリだだらけで、どこも変わった様子はなく・・・」「私もあなたが死亡したものだと思い始めたその時よ・・・」「洋服ダンスの奥の奇妙な変化に気づいて・・・」「鳥肌が立ったのは・・・」「なくなってたのよ・・・」「一ヶ月前にはあったはずの、あなたの子供の頃の服だけがごっそり・・・」「動物実験の段階で、一匹だけ死なずに幼児化したマウスがいたから、この仮説は容易にたてられたわ・・・」「工藤新一はAPTX4869を投与され・・・」「幼児化した可能性があるってね・・・」 File:180

組織は新一の死亡が確認されていなかったことを不審に思い、2度新一の家に侵入して調査しているが、新一が生きていることがわかるようなものは発見できなかった。しかし、動物実験の段階で幼児化したマウスがいたことを知っている灰原は、子供の頃の服がなくなっていることから幼児化を想定することができた。そして、データを「死亡」に書き換えたことで新一は組織の調査ターゲットから外れることになった。

組織にとって灰原の考案したAPTX4869は、あくまで「毒薬」として効果を発揮したと考えていて、まだ幼児化に成功していたことを知らない。そのため、組織が血眼になって捜している灰原が「幼児化して隠れている」という可能性を視野に入れた捜索をしていない。

ベルモットの行動

ベルモットはベルモット編(24巻~42巻)で新一(コナン)と志保(灰原)の幼児化に気づき、コナンを別の場所におびき出した上で灰原を殺そうとした。(コナンはその作戦を見破ったが。)

一度は「シェリーはあきらめてあげる・・・」と約束したベルモットであるが、バーボン編で「彼女だけはこの世にいてはならない」と約束を破る。ベルモットは例えシルバーブレットであるコナンを裏切ることになっても、「是が非でも彼女の命を絶ちたい」と考えており、虎視眈々とその命を狙っていた。

本来であれば、ベルモットは灰原の幼児化も居場所も知っているので、その気になればいつでも殺ることは可能。わざわざ自分で殺る必要もなく、刺客を何人も送り込めばいい。しかし、ベルモットには「幼児化の事実を組織に知られたくない」という考えがあるために、それができない。

そして、ベルモットはベルツリーに乗り込む予定の灰原を追い詰めることで、その機会をうかがった。

ベルモット:「彼女が列車内で組織の存在に気づけば、彼女の取る行動はたった一つ・・・」「あの薬の解毒薬を飲んで元の姿に戻る事・・・」「もしも幼児化したままの姿で殺され、遺体が車内から発見されたら・・・」「彼女の友達のあの子供達が泣いて騒ぎ立て、仮に私が黙っていても組織の目に止まり、否が応でも巻き込んでしまう・・・」「すでに列車内で殺人が起きた上に行方不明者も出たとなると・・・」「下車する際に乗客の荷物は入念なチェックを受けるのは必至・・・」「いくら組織でも遺体を持ち去れず放置せざる得ないから・・・」「その点、元の姿に戻れば殺されたとしても・・・」「子供達にとっては一度会っただけの女性の遺体・・・」「姿を消した彼女の方が心配でそれどころじゃなくなり、組織の視界から外れる可能性もある・・・」 File:823

ベルモットは灰原の性格を熟知していたので、それを利用することで灰原を元の姿に戻し、組織の仲間に幼児化の事実を知られないまま灰原の抹殺する方法を考えた。結局、キッドが18歳の志保に変装するというコナン達の作戦に出し抜かれてしまったが。

ベルモットとあの方の関係

ベルモットは薬の研究を良く思っていない。そのため、研究が進んでいることを知りつつも、灰原を生かして組織に連れ戻し組織に貢献させようとするのではなくて、是が非でもその命を絶ちたいと考えている。

では、組織の研究を主導するボスもベルモットにとって憎き存在なのか?というと、どうやらそうではない様子。

ベルモット:「や、やっぱり、相撃ち覚悟であの時殺っておけばよかったわ・・・」「ボ、ボスが・・・あの方が・・・」「我々の銀の弾丸(シルバーブレット)になるかもしれないとお、恐れているあの男を・・・」 File:434

「ボ、ボスが・・・あの方が・・・」「我々の銀の弾丸(シルバーブレット)になるかもしれないとお、恐れているあの男を・・・」このセリフから読み取れるのはボスに対する敬意。

vermouth_shot_f434

ベルモットはコナンとの駆け引きの時、自分の足を撃つことによって眠気を覚ましている。24巻ではコナンがジンに麻酔針を差すが、同じ方法で眠りに落ちるのを回避している。

コナン:(変だな・・・なんであいつ麻酔銃で撃たれて動けるんだ?)(あんな大男、眠っちまったら警察から逃がれられねーと踏んでたのに・・・) File:242

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コナンはジンが麻酔銃で撃たれたのに動けたことを、疑問に思っている。ジンが自分の腕を撃ち抜くところを見ていないから。

この手の行動はボス・組織への忠誠心の強さ表している。組織の実態を詳しく知らないコナンにとって想定外の行動だったということ。

黒の組織の主要メンバーは、ある意味宗教組織やテロ組織のメンバーと同じような集団と言える。やっていることもテロ組織や過激派の宗教団体と変わらないが。

そこまで組織に尽くす心理は、一つは組織の主義・主張に深く同調している場合。もう一つは組織のボス、教祖を深く崇拝している場合。ボスの恐怖政治に怯えながら仕方なくというパターンもあるが、ジン、ベルモットどちらにも当てはまりそうにない。

逆に言えば、組織が内部から崩れることがあるのは、ボスの求心力が失われた場合。もしくは、組織の目的に共感できなくなった場合。そして、ベルモットが現在中間的な立場にいるのは、その目的の部分に疑問を感じているから。ボスや組織のメンバーに対する敵対心はない。

メールの文面

ボス:(どうやら私はお前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元へ帰って来ておくれベルモット。) File:434

ジェイムズ:「なるほど・・・」「その方法が我々の目の届く公衆電話やネットカフェだったなら誰にどんな言葉や文体で連絡していたかがわかり、彼を捕らえた後も彼を装って連絡し続ける事はできたというわけか・・・」
File:599

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筆跡だけでなく、容疑者の文体から犯人を想定するということは現実の世界でよく行われていること。ジェイムズのセリフからも「誰にどんな言葉や文体で連絡していたか」は、個性があることがわかる。

あの方がベルモットに送ったメールは、その文体からボスのプロファイルを予測する上のヒントと考えることは悪くないかもしれない。

ポイントになりそうなのは「私の元へ帰って来ておくれ」の部分だろうか。ここからわかるのは、ボスのベルモットに対する態度と特徴的な文体。

ボスがベルモットを「お気に入り」としている理由は「実験の成功者だから」「変装術の使い手だから」「愛しているから」などが挙げられるが、「私の元へ帰って来ておくれ」という文章から、単純に使い勝手がいいからと言った理由だけではなくて、少なくとも人としてもお気に入りであるとわかる。

そして、「おくれ」の文体。これは状況により”あえて”使うことはあっても、通常若い人が使う言葉ではない。

半世紀前から始まったとされる組織のプロジェクト、高齢のピスコが「長く仕えた」という発言からそれなりの年齢ではないかと疑われているが、依然ボスの求心力が失われていないことも考えれば、最近若い優秀な二代目に変わったなどということはなさそうである。

もちろん、二代目論を説くのであればその伏線が必要であるし、それが出てくればまた再考察の必要があるが。

ベルモット:「ええ・・・」「ボスは慎重居士・・・」「石橋を叩き過ぎて壊しちゃうタイプだから・・・」 File:704

そもそも、多くの優秀なスパイに潜入されながらも組織が半世紀に渡りその活動を維持できているのは、あの方が石橋を叩きすぎて壊しちゃうほど慎重な性格だからであるが、そんなあの方がベルモットだけは自由に行動させているのは、何らかの理由でベルモットに信頼を置いているから。

組織の研究を愚かと考え、自分の胸を貫いたシルバーブレットである工藤新一にその解決を期待するベルモットのとって、ボスは憎しみの対象ではないことがわかるし、あの方とベルモットはただのボスと部下の関係ではないということ。

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更新日:2018-5-6
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