安室透の人間分析【探偵たちの夜想曲】

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その他の人物の行動

沖矢の反応

沖矢:「では、私の車で追いますか?」「申し訳ない・・・立ち聞きするつもりはなかったんですが・・・」「クリームシチューのお裾分けに来て見たら、戸口で何やら不穏な会話が耳に入って・・・」「さぁ、追うなら早く・・・」

沖矢は通常灰原の身を守るよう行動しているが、緊急事態と悟って駆けつける。「追うなら早く!」という言葉からも、コナンが連れ去られたことはやはり危険な状況だと判断しているようである。

一方で安室は ─

小五郎:「こいつはこの前の銀行強盗の計画書じゃねーか!!」

安室:「大胆にも3人揃って拳銃を持ってる写真まで載せてますね・・・」

蘭:「ウソ・・・真ん中の男の人、探偵事務所で自殺した人じゃない?」「右端の男はスーツケースに入ってた男だ!」

安室:「じゃあ左端の女性がもう1人の強盗犯でしょうか・・・」

蘭:「その女の人とメールで連絡し合ってたみたい・・・」

小五郎:「ああ!「拳銃は用意できた?」って堂々とメールの題名に付けてやがる・・・」「ん?女からの引越しメール・・・」

蘭:「住所載ってるよ!」

安室:「行ってみましょう!」

小五郎一行は追跡眼鏡を持っていないので、そのままではコナン達を追うことはできない。安室は焦ることもなく部屋の調査をしていたことは、それ自体は正解。

やはり、コナンが勝手について行ったのはある想定外だったとは言え、人質として連れ去る危険はあったわけで、圭さんが逃走できる隙を作り危うい賭けに出たところが問題である。

アニメの追加 ─

この話はアニメではセリフが追加されている。

安室:「気休め程度にしかならないかもしれませんが、今すぐコナン君に危害が加えられる恐れは少ないと思いますよ・・・」

「我々が、先程の警告メールを無視して、警察に連絡する恐れもあるわけですから。検問に止められた時のために、人質には生きていてもらわなくてはなりません・・・」

小五郎:「しかしなぁ、彼女の目的が残りの強盗犯を殺害することだとしたら、そのまきぞいをくらってってことも・・・」

安室:「ええ、ですから、彼が危険な状況にあることは変わりません・・・急ぎましょう・・・」

安室はコナンがすぐに危害を加えられるわけではないと考えていたようである。しかし、強盗犯を殺害すること、その後彼女が自殺を考えていたことは考慮に入っていないようである。

また、強盗犯のまきぞいをくらう可能性もあり、コナンが危険な状況であることに変わりはないこともわかっている。

実際、もし安室も沖矢もコナンを助けに行かなかったとしたら、あの状況でコナンはまきぞいにあってしまった可能性も高い。

沖矢:「コナン君がどういう状況かわかりません・・・」「まさかとは思いますが、ぬか喜びに終わってしまう可能性もないわけではありませんから・・・」

「彼、もしくは彼の車を発見しても、無茶な行動にはでないように・・・」「彼の命を危険に晒すことにもなりかねませんから・・・」

沖矢はコナンが頭の切れる少年であることを知っているが、情報量が少ないためもあるが、状況がわからない。そのため、最悪のケースまで想定している。

しかし、沖矢は盗聴で蘭との電話を聞いていたようなので、コナンが人質として連れされたことくらいは知っているはず。安室と同じように、しばらくは危害を加えられないだろうということは想定できるはずである。

それでも、やはりコナンが危険な状態であることは変わりないと考えている。

安室と沖矢、コナンの頭は同じレベルであり、コナンは圭さんを止めるためについて行った。沖矢はコナンが危険と考えて急いで救出に向う。二人の行動を見れば、安室が「何事も起こらない」と予想して放置したとは考え難い。

ベルモット

ベルモット:「どうやら、一応の信頼は得られたようだけど・・・」「私との約束は守ってくれるわよね?」「バーボン?」 File:800

「信頼は得られたようだけど」と、うまく小五郎に弟子入りして潜り込むことができたのを確認。そして、バーボンにきちんと約束を守るように念を押す。

なぜかこのタイミングで現れたベルモットであるが、安室が無謀な調査をしていたからでは?とも考えられる。

約束の内容が、一般市民には被害は出さないようにするとか、コナンや蘭、小五郎の安全は確保するとかであった場合だが、今回の安室の作戦はそれを破る危険性があった。

ベルモットは安室の行動を監視しているだろうし、だから、見かねてここで釘を刺したと…まぁ、ここの真実は不明だが。

結局のところ

安室:「さっきの拳銃自殺も僕が偉そうに推理を披露したが為に起きてしまった悲劇・・・先生ならもっとうまく対処したはずです!」 File:798

これは安室が調査している小五郎を立てて謙遜して言っているだけだが、本当の安室は、赤井を殺れるのは自分だけと息巻くほどの自信家。赤井は組織を倒せるほどの実力を持つシルバーブレットである。

米花百貨店での火傷赤井も、なかなか事件を解決しない小五郎に自分の推理を送りつけている。つまり、このセリフは本音とは正反対である。

本音は、「自分にすらどうにもできない状況なので誰にでも不可能」もしくは、「小五郎を試すつもりだったが、自分が最初から本気を出していれば何とかなったかもしれない」などである。

この時の状況はコナンですらどうにもならなかったため、安室が偉そうに推理したことがまずかったとは言い切れないが、「僕が偉そうに推理を披露したが為に起きてしまった悲劇」「もっとうまく対処したはず」これがDNA事件のフラグにもなりえる。

ホテル火災の事実を告げ、その時に相手は顔を曇らせたにもかかわらず何の心配もせずに放置。しかも、「後は自分で調べる」と言ったことを真に受けてしまっている。(その後の調査はしなかったことになっている。)

これが赤井秀一を殺れるほどの男の実力だろうか。対処が難しく、事故の範疇だったと思われる拳銃の件ですら「僕が偉そうに推理を披露したが為に起きてしまった」と原因が自分にあったと自覚。「先生ならもっとうまく対処したはず」と回避可能だったようにも語っている。

コナンは今回の事件では自殺を考えていた犯人を見抜いて見事に説得することができた。安室の実力であれば、それこそDNA事件はもっとうまく対処できたはずである。

緋色の序章

バーボン編の終わりである緋色シーリーズの序章に当たる話で、安室は来葉峠のトリックを見破る情報を得るために、一般人を「それを手に入れるのを手助けしてくれる人物」として、事故に遭わせようとしていたことがわかる。

詳細は↓
安室透の人間分析【最後のピース】

結果的には偶然事件に巻き込まれたことでそれを利用することになったが、安室が上記のような計画を持っていたことは確かであり、また、安室が本気で被害者を守ろうと思えば守れた事件であった。

このことから、安室は目的を達成するためであれば一般人を利用することもある人間であることがわかり、この「探偵たちの夜想曲」での行動も、小五郎の調査が目的であったために、現在起きている事件をそのまま利用したと言える。(安全性や事件の早期解決ではなくて、自らの調査を最優先に行動した。)

裏切りの真実

コミックス90巻「裏切りの真実(タイトル未定)」により、安室がどういう基準で行動しているのかがわかるようになっている。

まずここまでの状況を整理しておくと、安室の推理力がコナンと同じレベルであることはもはや説明するまでもないので、先に説明した部分は全部カットしても、シンプルに情報量が同じなら同じ事を考えているとしてしまって問題ない。

コナンと安室はマンションに着くまでは一緒の行動だったので、差異があるのはコナンがスーツケースの遺体を先に見つけた点だけ。ただ、安室も死臭には気づいたのではとも考えられ、そうでなくとも、それ自体は圭さんの今後の行動とは関係ない。

つまり、コナンと安室はともに同じ次元に達してたが、コナンは圭さんの復讐と自殺を食い止めるためについて行き、安室はマンションに留まるという、行動に差が出たと考えられる。

そこで、安室はコナンを無視したのか、それとも圭さんを無視したのかということになるのだけれど、ここは後者のほう。

安室は圭さんの復讐と自殺を読んでいたため、コナンはあくまで人質に過ぎず、恐らく危害は加えないだろうと言う判断で放置したと考えられる。

その根拠が「裏切りの真実」の内容。二つあるのだけれど、まず一つ目は安室の現在の価値観。

安室が赤井を恨んでいる理由は、スコッチの自殺を止めらる状況であった(と安室は思い込んでいる)赤井が、止めるどころか自殺を利用して組織内の地位を上げようとしたことにあったことがわかる。

その報復として、今度は赤井を組織に差し出して自分が組織内の地位を上げようとしたのだけれど、それだけでなく、赤井が自分の手を汚さずに要領良く出世したように、「自殺を止める必要はない」という不の感情が安室の中に残ってしまったと考えられる。

本来なら、赤井を恨んでいるのだから、その逆の考えであるはず。「人の死を踏み台にするような卑劣な行為は自分は絶対にしない。人の命は尊いものだ。どんな命であろうとも身を挺して守ってみせる!」となるのだけれど、安室は情熱的な性格ではないので、少なくともこの二回(二回目はコナンがとめる)の話で、そうしたヒーローのような感情は見られない。だから、自分も赤井を踏み台に出世するという「報復」をしようとした。

それどころか、「赤井なら止められたはず」と考えた安室もまた、赤井を殺れるのは自分だけと息巻くほどのスペックの持ち主であり、また十分な予測ができるだけの情報を持ちながらも、ウエディングイブの話では自殺を防ぐことが出来なかった。「人の死を踏み台にするのは失礼だ、これじゃあ赤井と変わらない、小五郎さんへの弟子入りはまた今度にしよう」とはならなかった。

「赤井なら止められずはず=同じスペックの安室にも止められずはず」なのに、自分が止められなかったことは棚に置いて赤井だけ責めているのではなくて、止める意思がなかったと考えられる。

これは、「神様なんていない」と殺人事件を予測しながら放置したシャロンと同じ。「人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しねー」と新一と蘭に命を助けられ、ハートを貫かれることでようやく目が覚め、以後は新一と蘭を宝のように大切にすることになる。

それまで、自分が不幸であったがゆえに、他人にも冷たく放置したように、どうせ自分に神様はいなかったのだから、自分が他人の不幸をどうこうしようとする義理はないという無関心。

もう一つの根拠は、ベルモットとバーボンの約束が、「何があってもあの2人には危害は加えない」ということが確定。これには、バーボン自身がというだけでなく、二人の安全を計らうという意味も含まれていると考えられる。

仮にバーボンが純組織の人間であったとしても、コナンと蘭は常に監視して身の安全を図らなければならないのだけれど、安室はそうした姿勢は一切みせなかった。つまり、コナンは大丈夫だと言う根拠があったからであって、それはコナンと同じように、犯人の行動を予測できていたからということ。

つまり、前述したように、犯人は復讐とその達成後に自害することが目的で、コナンはあくまで人質にすぎないので大丈夫だろうという判断したために、一見はベルモットの約束を破ったかのような行動に出た。しかし、安室にとっては計算のうち。

「ウエディングイブ」と「探偵たちの夜想曲」の二つの話は、結局両方とも安室が自ら死を選ぶ人に干渉する必要はないという価値観の持ち主であることを明確にしている。

ウエディングイブの話だけでは伏線がありながらも決定的な証拠を出すことは難しかったが、一本だった線が二本になっているので、これは意図的であることがわかる。

また、ウエディングイブで事件を見越した計画がされていた件については、緋色の序章でも同じような事件を前提にした計画を立てていたということで、これはもう読者にもわかるように描かれているが、二本の線で繋がるようになっている。

ウエディングイブ:自殺しようとする人への不干渉(1)事件を前提にした計画(1)
探偵たちの夜想曲:自殺しようとする人への不干渉(2)
緋色の序章:事件を前提にした計画(2)
裏切りの裏切りの真実:赤井への報復理由と自殺無視の動機

それぞれのキャラの頭の中

コナン:圭さんが復讐と自殺をすると予測したので、それを止めるために着いて行った。

安室:圭さんが復讐と自殺をすると予測。この時はコナンのこともただの小学生としか思っていなかった。ベルモットとはコナンを守るよう約束していたが、圭さんの行動を読んでいたためコナンを放置。小五郎の調査を優先した。安室にとって恨むべき人への報復と自殺は、自分が受けた悲劇と同じであり、他人のそうした行為について干渉はしない。

ベルモット:バーボンが純組織の人間だと思っているため、「危害を加えない」という約束をしていた。しかし、コナンが犯人に連れ去られて危ういことを知り、見かねたベルモットはバーボンが約束を守ってくれるのか不安になったため、「約束は守ってくれるわね」と釘を刺しに来た。

沖矢:コナンが頭の切れる少年であることを知っていて、実力も認めている。それにもかかわらず焦ったのは、コナンと安室とは違って犯人の情報がないため、どんな人物か予測出きなかったから。

一見行き当たりばったりで動いているように思えてしまうキャラの行動であったが、実はすべて意味があった。この力の入れようはベルモット編並み。

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更新日:2017-1-12

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