安室透の人間分析【探偵たちの夜想曲】

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圭さんの行動の予測

コナン:「最初に殺した男をスーツケースに隠した所まではいいとしても・・・死体と一緒に盗聴器を入れるのはマズイよ・・・」「多分、死体を発見した時の樫塚圭の恐怖する声が聞きたかったんだろうけど・・・」「あれじゃ部屋中に盗聴器を仕掛けてるって言ってるような物・・・逆に警戒されちゃうよ!」

「それに迂闊にもその男を撲殺した時に使った拳銃がグリップに血がついたまま、お姉さんの車のグローブボックスに入ってたし・・・」「もう1丁の拳銃と一緒にね・・・」「探偵事務所で樫塚圭を射殺した拳銃を含めると、あれって銀行強盗に使った3丁を樫塚圭の部屋で見つけて持って来たんだよね?」

「その樫塚圭を殺した後で彼の携帯を自分のとスリ替えたのも大失敗・・・」「自分の携帯に入ってるメールや電話帳とか消したみたいだけど、警察ならすぐに持ち主を割り出せちゃうからさ!」

「そう・・・お姉さんの行動はその場凌ぎで計画性がない・・・」「たとえ思い出のメールや、写真や親しい友人の伝播が消えようが構わない・・・」「恋人を殺した強盗犯の3人さえ殺すことができたなら、後はどうなってもいいって感じ・・・」

「それってこの世に未練は何も無いって事でしょ?」「だからボク・・・お姉さんについて来たんだよ・・・」「この世に繋ぎ止める為にね!」 File:800

ごちゃごちゃしているが、結局のところ、「だからボクお姉さんについて来たんだよ」というセリフから、コナンはマンションを出る前から圭さんの行動予測をしていた。

車のグローブは後に気づいたことで、根拠を補完するものでしかないが、「予測してついて来た」わけなので、それ以前の根拠で十分だということ。

コナン:「普段からぞんざいに扱うか、何か硬い物と一緒にポケットとかに入れて持ち運んでいないと、そんなに傷はつかないのに・・・」「さっきお姉さんがボクにかけてくれたコートのポケットにはその携帯と財布と睡眠薬のケースしか入ってなかったし、財布にもケースにも傷は付いていなかったよ?」

「─って事は、その携帯って本当は探偵事務所のトイレで死んだ男の人の携帯で、お姉さんが持って来た携帯とスリ替えたんだよね?」「あの男の人、ポケットに小銭いっぱい入れてたし・・・」「一緒に入れてたライターや財布は傷だらけだったのに、携帯に傷はなかったから・・・」 File:799

男の持ち物は傷だらけだったにもかかわらずに、携帯はきれいだったことは、コナンと安室は二人で確認し、「・・・・」と疑問を持ったところ。

コナンは圭さんの他の所持品に傷がついていないことまで確認しているが、安室は圭さんに携帯を見せてもらっており、男の所持品にも注目している。「一緒に入れてたライターや財布は傷だらけだったのに、携帯に傷はなかった」ことはわかるので、スリ替えの予測を立てることはできる。

目暮:「できれば身分を証明する物があれば・・・」

圭:「大学を出たばかりの就職浪人なので名刺は・・・」

目暮:「じゃあ明日持ってきてください・・・」

圭:「わかりました・・・」 File:797

コナン:「お姉さん、自動車の免許持ってたんだね?」

圭:「え、ええ・・・」

コナン:「でも車の免許証って身分を証明する物でしょ?何でさっき警部さんに見せなかったの?」

圭:「証明写真がブスに写ってたから見せたくなかったのよ・・・」 File:799

圭さんは目暮れ警部に身分証明書の提示を求められたが、明日持って来るという約束をした。しかし、これでは一時凌ぎにすぎず、すぐにバレてしまう。

つまり、今夜中に目的を遂行して、その後はどうなってもいいという計画であると言うこと。復讐を達成して自首するか、自害するか。どちらも放っておいていいものではない。

コナンが車の免許の件に突っ込んだように、これも伏線の一つで、この件は安室も聞いている。

コナン:(この臭い・・・)(まさか・・・) File:797

コナンと安室の情報量で唯一異なるのは、コナンは先に部屋の死体を見つけたこと。ただ、そのきっかけは、玄関を開けた瞬間に死体の臭い。

コナンに特別鼻が利くという設定はないため、職業柄安室も死臭に気づくいていたのではと考えられる。つまり、条件は同じ。

そして、部屋中に盗聴器が仕掛けられていることにも気づいていたからこそ、その後盗聴器の設置場所を探し始めることになる。

コナン:「どこ行くの?お姉さん・・・」

圭:「お、お茶っ葉が切れたからコンビニに買いに・・・」

コナン:「だったらボクもついて行くー!」「蘭姉ちゃんも呼ぼっか?」

圭:「あ、大丈夫!」「2人で行こ!」 File:797

コナンは圭さんのマンションへ行く段階で、圭さんの行動予測をしていたからこそ、「トイレ」と言って部屋に上がりこんだ後に小五郎たちに合流することなく圭さんを追っている。

コナンの目的はあくまで圭さんを止めることにあるので、最初は蘭を呼ぼうとする。子供の自分だけでは何があるかわからないため。

しかし、蘭に来れられては目的を遂行できなくなると考えた圭さんは、諦めて2人で行くように勧める。圭さんをそのまま行かせてはまずいし、大人もいたほうが良い状況であったということ。

小五郎:「もう10分ぐらい経つが・・・」「圭さん戻って来ねぇな・・・」

蘭:「トイレかなぁ?」

安室:「じゃあとりあえず・・・」「我々は盗聴器を探し始めましょう?」 File:797

一方で安室は、事情を知りながら、圭さんが10分以上経ってもやってこないことに小五郎や蘭が心配しているにもかかわらず、「我々は盗聴器を探し始めましょう」と気にかける様子はない。

もし安室が圭さんの自暴自棄な行動を察知し、それでも放置したのなら安室はこれから死のうとしている人に無関心ということになる。コナンはそれを止めるために圭さんの後をついていった。

かといって、安室が圭さんの自殺を想定できなかった為に圭さんを野放しにしたのなら問題ないかと言うと、そういうわけでもない。要は、まだ把握し切れていない、何をするかわからない人物を好き勝手にさせたということになる。

もちろん、自殺する可能性だってあるわけだが、決して安全性の確信があって取った行動ではない。それは、万一コナンや一誰かに危害を加えたり、自殺されても自分は関係ないと考えているのと同じ。

上記のまとめ

安室は圭さんが犯人であり、コナンを普通の少年と思っていたのだが連れ去りを(予測しつつも)放置した。

安室は圭さんの目的が復讐であることに気付いており、また、その後自害する可能性が高いことも想定できたと考えられる。

例えそこまでは予期できなかったとする場合、今度は犯人の凶暴性を否定できないので、コナンが危険な状態にあることになり、どちらにしても問題が残る。

⇒コナンの安全の保証、犯人の復讐と自害を止め、騒動に一般市民が巻き込まれる危険性を排除した上で行った行動ではない。

安室の予測について

安室は圭さんが復讐をしようとしていたことに気づいていたようである。

しかし、安室は圭さんの逃走を防ぐ努力はしなかった。頭の切れるコナンがついていたため犯行を未遂に終わらせることができたが、安室の前提としているコナンはまだ一般少年扱い。

安室は圭さんが「復讐しない(できない)」と判断できる根拠があったのだろうか。

圭さんは拳銃を所持、コナンがいなかったと仮定した場合、目的の強盗犯のところにたどり着いたら間違いなく復讐をしていただろう。

ということは、圭さんが目的の強盗犯には会えないと考える理由があったのか。

結果的には、樫塚圭(強盗犯)の携帯の履歴は消去されていたため、圭さんは電話帳に入っていた女性の3人までしか絞り込むことは出来ずにいた。

コナンがいなければ誰が強盗犯なのかすぐには判断できなかったであろう。しかし、携帯の履歴を削除していることは予測できても、圭さんが強盗犯のもう1人を女性だということまでは知っていることや、携帯の電話帳に入っている候補が3人いることなどはわからない。コナンも圭さんが電話をしているところを見てそれを知った。

もしかしたら、圭さんはもっと多くの情報を持っていたかもしれないし、電話帳に候補が1人しかいなかったかもしれない。

まぁ、強盗犯の見当が付いても、コナンがネットで住所を探していたので居場所がわかったところからすると、焦っていた圭さんはそこまで頭が回らなかった可能性が高いが…

しかし、これを予測して圭さんは目的を果たせないだろうと考えるのはちょっと無理がある。安室は圭さんが復讐をしようとしていることに無関心であったのだろうか。

コナンは圭さんの自害をやめさせるだけでなく、強盗犯のことは警察に任せてこれ以上罪を重ねないように説得もしている。

工藤新一の哲学ではあるが、例え犯罪者であっても推理で追い詰めて自殺させてしまったり、自殺(復讐)しようとしている人を見過ごして、その結果自殺(復讐)してしまうようなことがあれば、それは殺人と変わらない悪という考えである。

安室の目的

安室の弟子入り後、初期の目的と行動は一貫して小五郎の調査。安室は”無意味”に圭さんを無視したのではなくて、小五郎の推理力を試したかったと考えられる。これはDNA事件の時も同じ。

そして、もう1つは小五郎や蘭の信頼を得るために行動している。もし、小五郎がいなくて単独で事件遭遇していた場合、安室は素早く事件を解決していたのか、それとも、自分には関係ないとかかわらないようにしたのか、それはちょっとわからない。

帝都銀行で火傷赤井に変装した時には、「あまり事件にかかわりたくない人」とコナンに分析された。しかし、あの時は変装状態だったので長居したくなかったというのもありそうである。

確かなのは、小五郎を試すために事件さえも利用するという事実。これは、多少危険が生じても目的のためなら手段は選ばないということになるが… 普通なら、万一のことを考えて、あくまで危険がない範囲で行うだろう。

今回の事件、コナンや第三者に被害がなかったのは結果論でしかない。

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更新日:2017-1-12
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