安室透の人間分析【ウェディングイブ】

sponsored link

50回は熟読すべきバーボン編の神回。と個人的には思っている。

後付けの伏線だったり、無理矢理の回収は読んでいてもどこかぎこちなかったり、無理にねじ込んだような不自然さがわかってしまうものだが、この話は気合が入っている。

単なる日常編ではあるが、作者はこの安室透の登場回は事前に相当練っていたと思われる。そのくらい奥深い。

初回の推理

安室透はまだ一度も推理力の底を見せていない。

詳細は↓から
安室透の推理力

amuro_tricking_f794

登場から数回は毛利小五郎を試すため、自分から進んで推理することはしていない。もしくは、わざと間違った推理をしている。

しかし、安室は初回の推理で間違えた(解けなかった)ので推理力はコナン以下と考えている人も時々いるようである。

安室の目的や表情、会話の流れやその後の推理力など様々な視点から考えれば、安室が演技をしていることは感覚的にはわかる。だが、言葉にして具体的に説明するとなるとちょっと難しい部分ではある。

それでも、後半までは恐らくほとんどの人がわざとやってることは理解できるとは思う。問題は終盤の詰めの部分だろうか。

安室透の演技がわかる箇所

一番簡単な説明をするならば、以下のシーンかもしれない。

安室:「毛利さん彼の足を押さえて!!」

コナン:(・・・・・・)(ん?) File:794

amuro_hold_legs_f794

安室は小五郎に伴場の”足”を押さえるようにお願いしている。殴りかかってくる人を止めるのに足を押さえるのは明らかにおかしい。

なぜこのようなことを言ったのかというと、靴の裏についたクリームが伴場の無罪を証明する重要なポイントになるからである。コナンはこのセリフの直後に伴場の足を見て反応している。

安室は小五郎がこれに気づくかどうかを試したのである。つまり、この時点で伴場が犯人でないことを知っていたということ。

そして、DNAが一致しているにもかかわらず、伴場が犯人でないことを確信していることから、双子のレアケースについても想定内だったことになる。

残念ながら、アニメではこの”足”の部分がセリフから抜け落ちてしまっている。スタッフに伝わらなかったのだろうか理由は不明。これがカットされていなければ、ここだけで決定的な根拠となったかもしれないのだが…

どこまでが計画だったのか

安室:「偶然ではありませんよ・・・」「僕がアルバイトとして採用されたこの店を、パーティー会場に選んでもらったんです・・・」 File:794

安室が小五郎の友人の結婚パーティーでウエイターをしていたのは、安室がアルバイトとして採用された店を初音に選んでもらったから。もちろん、安室の本当の狙いは初音の依頼である伴場を監視するためなどではない。

初音から探偵として依頼を受けたのも、初音の婚約者である伴場が小五郎の同級生であり、結婚パーティーに来ることを予測していたため。全ては小五郎に近づくための布石。

問題は、安室が小五郎と顔合わせするだけでは安室の目的は達成できないことにある。小五郎の調査をするためには単に面識を作るだけではなく、もっと深く入り込む必要。そのための弟子入りである。

だが、弟子入りするには、まず自分が劣った探偵であることを小五郎に見せ、さらに小五郎には名推理をさせる。それを見て未熟さを痛感した自分が弟子入りをお願いするというプロセスが必要である。

最初から弟子入りまで考えていなかったとしても、安室の目的は小五郎の調査であるため、小五郎に推理をさせないことには始まらない。

しかし、今回の事件は偶然起こったはずである。漫画なんだから偶然でもおかしくない。それに、もし今回のパーティーで何も起きなかったのなら、また次の機会を狙えばいい。

と考えてしまえばそれまでなのだが、事件が起きるまで次の機会を狙うなんてことをしていたら安室は単なる無能だし、何も、面識を作るためだけに初音の依頼を受けるなんて回りくどいことまでする必要はない。

それに、本当に偶然だったのか?と考えられる箇所も実は存在するのである。

ややこしい話のため、どこから詰めていくかが非常に難しいのだが、安室の行動から前述した初回の推理ミスが演技であることと、そればかりか、パーティー会場で事件が起きることが想定内であったと考えられるヒントを見つけることができる。

わざと尻尾を出した理由

安室:「もっとも、僕が彼女にそう頼まれていた事を証明しようにも・・・」「初音さん本人はこの店の駐車場に停めた車の中で焼死してしまったみたいですけど・・・」「しかし、僕が彼女に依頼を受けていた事は、そのサングラスの彼が証明してくれそうですよ?」「僕が彼女に伴場さんの身辺調査の途中経過を報告していた現場に居合わせたようですし・・・」

・・・

「密会現場を突き止める事はできたが、相手の男は帽子とフードを被っていて顔がわからない・・・」「でも、その時に聞いた男の声がウエイターの僕と似ていたので・・・」「僕をテーブルに呼んで注文し、改めて声が同じなのを確認して・・・」「同一人物だという事をサインで伝えたという所でしょう・・・」

春岡:「まさかあんたが探偵だと思わなかったんだ・・・」「尾行してもまかれたし・・・」

安室:「あ、いや・・・僕は彼女との連絡はメールでしてましたから・・・」「外で会ったにも、あなたが見た一度きりでしたし・・・」 File:794

本来であれば、依頼者である初音が死亡してしまったため、安室は自分が探偵として雇われていたことを証明してくれる人物はいなくなるはずであった。

だが、普段メールでやり取りしていた安室は、なぜか一度だけ依頼者と外で出会っている。伴場の探偵である春岡は「尾行してもまかれた」と言っている。後の安室の能力から見ても、最初から完全にまく事は容易であったであろう。

それなのに、密会現場を突き止めさせ、声を確認させている。しかも、安室は「相手の男は帽子とフードを被っていて顔がわからない」と、春岡が調査していることを知っていたのである。これらは偶然ではなくて意図的な行為。

なぜ春岡に声を確認させる必要があったのか。今回の話では、安室が初音に依頼された探偵であることを証明させるために使用されている。

─ 安室は自分が初音に依頼された探偵であることを春岡に証明させるために計画的に尻尾を出した。

それが必要なのは、証明できる人(初音)がいなくなってしまうという場合のみである。つまり、初音がいなくなることを予期していないとこれらの行動の必要性がない。

次ページへ

sponsored link
コメントはこちら