シルバーブレット
ベルモット:「まあせいぜい気をつけるのねジン・・・」「向うはシルバーブレットが目を光らせているから・・・」
ジン:「赤井秀一・・・」「俺の頬骨を鉛の弾で抉ったあのFBIなら・・・」「この件に乗じて処理する算段だ・・・」
ウオッカ:「殺っちまうんですかい?」
ジン:「ああ・・・あの方が奴の何を恐れているかは知らねぇが・・・所詮1匹・・・」「銀の弾1発じゃ、黒い大砲には勝てねぇよ・・・」
ベルモット:(いや・・・)(組織の心臓を射抜けるシルバーブレットは・・・)(もう1発・・・) File:599
ジョディ:「やっぱり秀一・・・殺された彼女の事で入れ込み過ぎなんじゃ・・・」
ジェイムズ:「いや、彼の場合入れ込んでくれるぐらい丁度いい・・・」「組織にいた事があり、その手口を把握している赤井君は、組織にとって何度もその命を絶とうとした天敵であり・・・」「我々FBIが有する絶対的な切り札なのだから・・・」 File:600
ジン:「ああ・・・一年前にお前がNYで通り魔に化けておびき出し、殺しそこねたあのFBIか・・・」
ベルモット:<た、ただの通り魔なら彼も油断すると思ったのにね・・・>
ベルモット:「や、やっぱり、相撃ち覚悟であの時殺っておけばよかったわ・・・」「ボ、ボスが・・・あの方が・・・我々の銀の弾丸になるかもしれないとお、恐れているあの男を・・・」
ジン:「フン、我々を一撃で破滅させられる銀の弾丸なんざ存在しねえよ・・・・・・」
ジン:「工藤新一ってガキ知ってるか?」
ベルモット:<・・・・・・>「さあ・・・」「知らないわ・・・」
ベルモット:(そう、彼よ・・・)(私の胸を貫いた彼なら・・・)(なれるかもしれない・・・)(長い間待ち望んだ・・・)(銀の弾丸に・・・) File:434
ベルモット:(2発なんかいらないわ・・・)(シルバーブレットは・・・)(1発あれば十分よ・・・)
File:609
赤井秀一はあの方に”シルバーブレット”として恐れられている。FBIにとっては絶対的な切り札。
ベルモットだけは赤井だけでなく、コナンもシルバーブレットとして認め、組織の心臓を射抜ける存在として密かに期待しているようでもある。
*シルバーブレットは、吸血鬼や狼男、魔女などを唯一倒すことができると言われるフィクションで多用される弾丸。コナンの世界では組織を壊滅させる(ボスを射抜ける)ことができると考えられているもの。
明美のメール
大君・・・
もしもこれで組織から抜けることができたら
今度は本当に彼氏として付き合ってくれますか
明美
P.S
File:599
赤井が組織から脱退後、2年間連絡の取れなかった宮野明美から来た最後のメール。明美はこのメールを組織から請け負った仕事(10億円強奪事件)を行う前日に赤井に送った。
P.S(POSTSCRIPT,追記)の部分が隠れて見えないようになっている。明らかになっているメールの上の部分以外に、明美は赤井に何かを言いたかったようである。
これまで一切連絡をしてこなかった明美が、強盗事件を行う前日にメールを送ったというところもポイント。(明美は今後起こりえる事態を予期して赤井に何かを伝えたかった。)
作者はこの件について、「大丈夫です!!!(笑)あとで全部回収しますよ。」と発言している。
P.Sの内容が伏線であることは間違いないようである。
灰原と赤井
灰原:「その赤井って人・・・一度会ってみたいわね・・・」
コナン:「え?何で!?」
灰原:「中身はどうであれ、あなたの見てくれは小学一年生・・・」「そんな子供の考えに耳を貸すFBIの切れ者・・・興味あるじゃない!」「・・・何?会わせられない理由でもあるの?」
コナン:「あ、いや・・・」(まさか言えねぇよなぁ・・・)(組織に潜入するためにオメーの姉さんに近づいて、恋人になり、結果的にその姉さんが殺される原因を作ってしまった男だなんて・・・)(多分顔知ってるだろーしな・・・)
灰原:「まさかその人、ロリコンとかじゃないでしょうね?」
コナン:「んなバカな!!」 File:605
赤井:「それに、俺はまだその茶髪の少女と顔を合わせるわけにはいかないんでな・・・」
File:434
回想:沖矢(そんな顔をするな・・・ 逃しはしない・・・)
灰原:(そんな顔をするな・・・ そんな顔・・・)
回想:赤井:(そんな顔をするな・・・ 命にかえても守ってやる・・・)
灰原:(諸星大・・・ 組織を裏切った・・・)(お姉ちゃんの恋人・・・) File:802
灰原はまだ”FBIとしての赤井秀一”とは対面したことがない。スパイ時代の諸星大は灰原と姉の明美を利用して組織に潜入していたが、明美はそのせいで殺されてしまった。
組織の一員であった灰原にとって姉は唯一の理解者であり、ある意味で自分の命以上に大切とも言える存在であった。その姉が殺害される直接の原因を作ったのが赤井秀一である。
当時の明美は組織とはそれほど深く関わってはおらず、それほど一般人と変わるものではなかった。それを、FBIの捜査のために一方的に利用するという形で巻き込んでしまった。
赤井はスパイ時代に、灰原に「命にかえても守ってやる」と約束していた。灰原にとって”諸星大”は組織を裏切った姉の恋人という認識のようである。
一方で、不器用な赤井はスパイとしてだけのために明美を利用することはできず、明美を愛してしまっていた。そして、単なるFBIとして捜査ミスのために彼女を犠牲にしてしまったという理由だけでなく、自分のせいで大切な恋人を死なせてしまったことを悔いている。
「命にかえても守ってやる」と言い切ったが、結果、組織を裏切って逃亡、その後は一切連絡を経った(取りたくても無理であった。)。その約2年後に姉は組織に抹殺される。そんな経緯では当然であろうか、赤井は、「彼女(灰原)にはまだ顔を合わせられない」と語っている。
灰原:「今、話してた人・・・赤井ってどんな人?」
コナン:「何で?」
灰原:「何か私の知っている人と良く似てる気がするんだけど・・・」
コナン:「き、気のせいなんじゃねーか?」「それに赤井さんはもう・・・」 File:850
灰原はミステリートレインで火傷赤井に遭遇。その火傷赤井についてのコナンとジョディが会話を聞き、コナン達の話す赤井秀一と、自分の知っている諸星大が似ていると感じる。
そんな顔をするな
赤井:「そんな顔するな・・・」「この作戦の成功は必然だ・・・」「それとも俺の保証だけじゃ・・・」「不安かな・・・」
コナン:「いや・・・」「全然・・・」 File:602
不安そうな顔をするコナンに赤井がかけた言葉で、赤井(沖矢)が灰原にかけた言葉と同じ。時系列的には灰原が先だけれど、漫画の進行ではコナンの方が先。
有希子:「あら完璧!」「ちゃんと変装できてるじゃない!」
沖矢:「恐縮です・・・」
有希子:「これで私が毎週通って変装のチェックしに来なくても大丈夫ね!」
沖矢:「お世話になりました・・・」
有希子:「まぁ私的には会いに来る口実がなくなってちょっと残念だけど・・・」
コナン:(おい・・・)
ジョディ:「まるで別人ね・・・」
キャメル:「本当に赤井さんですか?」
沖矢:「声は元のままだろ?」「だが、首に付けたこのチョーカー型変声機を使えば・・・」「沖矢昴になれる・・・」
キャメル:「こ、声が変った・・・」
沖矢:「全て変声機を作ってくれた阿笠博士と・・・」「この家の家主工藤優作氏の妻である有希子さんの変装術と・・・」「そしてこの策を授けてくれたこのボウヤ・・・」「江戸川コナン君のお陰だよ・・・」 File:898
灰原の回想やミステリートレインでの「開眼」で、ミステリートレイン付近ではもう読者向けにはほぼネタバレぎみだった沖矢の正体が、緋色シリーズで具体的に明かされる。
灰原とコナンが「そんな顔するな」と言われたのと、灰原が沖矢に「そんな顔するな」と言われたのは、同一人物だから。口癖とまでは言えるかわからないけれど、この漫画の伏線としてはありがち。
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